青色申告決算書を作成する
概要
この記事は青色申告決算書のうち、一般用を中心に説明します。
青色申告決算書は、青色申告の承認を受けている個人事業者等が、日々の帳簿と年末の決算整理をもとに、1年間の所得を計算して作成する書類です。完成した決算書は、所得税の確定申告書に添付して提出します。
この記事では、事業所得(農業を除く営業等)について一般用の決算書を作る場合を中心に、様式の確認から、資料の準備、決算整理、損益計算書・内訳・貸借対照表の作成、青色申告特別控除額の確認、確定申告書への接続までを順番に案内します。
農業所得用・不動産所得用・現金主義用は専用の様式・手引きを確認してください。この記事では、様式を間違えないための分岐として扱い、各様式の全欄の記入方法までは扱いません。
青色申告決算書を作成しただけでは所得税の確定申告は完了しません。決算書の完成後、確定申告書の作成へ進む必要があります。
このページで分かること
- 自分が使う青色申告決算書の様式
- 決算書を作る前に準備する帳簿・資料
- 自分に必要な決算整理項目
- 損益計算書に集計する数字の考え方
- 貸借対照表を作成する必要性と確認方法
- 自分が目指す青色申告特別控除(55万円・65万円・10万円)の要件
- 決算書内の数字が帳簿と整合しているかの確認方法
- 決算書完成後に確定申告書の作成へ進むこと
対象読者
主な対象は、次のような個人事業者です。
- 青色申告の承認を受けており、初めて青色申告決算書を作る人
- 事業所得(農業を除く営業等)について、一般用の青色申告決算書を作る人
- 帳簿はつけているが、年末の決算整理から先の進め方が分からない人
- 会計ソフトを使っているが、出力された決算書の確認点を知りたい人
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーで決算書を作りたい人
- 55万円・65万円・10万円控除の違いと、貸借対照表との関係を確認したい人
- 事業所得と不動産所得など、複数の所得があり様式選択を確認したい人
次に当てはまる場合は、この記事の主な対象ではありません。
- 白色申告をしている人(この記事は青色申告者向けです)
- 法人の決算書を作成する人
- 農業所得用・不動産所得用・現金主義用の各様式について、全欄の詳細な記入方法だけを知りたい人
- 個別取引の税務判断や、複雑な減価償却・特殊資産・貸倒れ等について専門的な判断が必要な人
- 消費税申告書そのものを作成したい人
まだ青色申告の承認を受けていない場合は、決算書の作成以前に、承認申請の手続きを確認する必要があります。
更新日
更新日:2026年10月4日
最初に確認すること
決算書を作り始める前に、次を確認します。
- 対象年分(今回申告する年分)
- 青色申告の承認を受けているか
- 所得の種類(事業所得、不動産所得、農業所得など)
- 一般用・農業所得用・不動産所得用・現金主義用のどれを使うか
- 55万円・65万円・10万円のどの青色申告特別控除の要件を満たす予定か
- 帳簿が年末まで記帳済みか
- 商品・製品等の棚卸があるか
- 減価償却資産があるか
- 家事・事業兼用の支出や資産があるか
- 従業員・青色事業専従者がいるか
- 売掛金・買掛金・未払費用等の年末残高があるか
- 会計ソフト、確定申告書等作成コーナー、書面のどの方法で作成するか
55万円・65万円控除を目指す場合は、正規の簿記による記帳や、貸借対照表等の添付要件を満たす準備ができているかもあわせて確認します。
帳簿が未完成の場合は、先に記帳と決算整理を終えます。決算書は、これらの条件を確認したうえで作成に進みます。
どの青色申告決算書を使うか
青色申告決算書には、一般用、農業所得用、不動産所得用、現金主義用の4様式があります。農業所得用・不動産所得用・現金主義用は専用の様式・手引きを確認してください。
2026年10月4日時点で、国税庁が公開している一般用の詳細な「書き方」「決算の手引き」「貸借対照表作成の手引き」は令和7年分が最新です。令和8年分を作成する場合は、対象年分の資料が公開された時点で最新の手引きに置き換えて確認してください。
| 様式 | 主な所得・対象 | 本記事での扱い | 次に確認する公式資料 |
|---|---|---|---|
| 一般用 | 営業等(農業を除く)の事業所得 | 本記事の中心として扱う | 国税庁「令和7年分青色申告決算書(一般用)の書き方」 |
| 農業所得用 | 農業所得 | 専用様式・手引きへ分岐する | 国税庁の対象年分様式・手引き |
| 不動産所得用 | 不動産所得(貸家・駐車場等) | 専用様式・手引きへ分岐する | 国税庁の対象年分様式・手引き |
| 現金主義用 | 現金主義による所得計算の特例を適用する場合 | 専用様式・手引きへ分岐する | 国税庁の対象年分様式・手引き |
事業所得と不動産所得など、複数の所得区分がある場合は、所得ごとに対応する様式を確認する必要があります。「事業所得なら必ず一般用一枚で済む」のように一律には決まりません。自分の所得構成に応じて、使用する様式の組み合わせを国税庁の対象年分資料または税務署で確認してください。
自分が使う様式を確認できたら、一般用を使う場合は次の見出しへ進みます。他の様式を使う場合は、各様式の公式な手引きに沿って作成を進めてください。
作成前に準備する帳簿・資料
決算書は、日々の帳簿と年末の決算整理を基に作成します。作成に入る前に、次の資料をそろえます。
全員が準備するもの
- 対象年分の帳簿(総勘定元帳等、年間の残高・合計を確認できる記録)
- 前年の青色申告決算書(継続して事業を行っている場合)
- 預金・現金等の年末残高を確認できる資料
該当する場合に準備するもの
- 棚卸表(商品・材料などの在庫がある場合)
- 売掛金・買掛金等の残高資料(掛取引の残高がある場合)
- 固定資産台帳(減価償却資産がある場合)
- 給与・専従者給与の記録(従業員や青色事業専従者がいる場合)
- 地代家賃・借入利子等の内訳資料(該当する支払いがある場合)
- 家事按分の根拠資料(自宅・車・通信費等を家事と事業で共用している場合)
- 貸倒れ・引当金等の資料(該当する売掛金等がある場合)
- 消費税の経理方式を確認する資料(課税事業者の場合)
「仕訳帳・総勘定元帳の備付けが全青色申告者に一律で必要」とは言えず、記帳方法や目指す控除額の要件によって扱いが異なります。自分が目指す控除の要件は、後述の「青色申告特別控除額を確認する」であわせて確認してください。
手続きの流れ
青色申告決算書の作成は、次の順で進めます。
- 様式を確認する:自分が使う様式(一般用・農業所得用・不動産所得用・現金主義用)を確認します。
- 資料を準備する:帳簿、前年資料、棚卸表、固定資産台帳等、該当する資料をそろえます。
- 決算整理を行う:帳簿を締める前に、決算整理の該当項目を確認します。
- 損益計算書を作成する:収入金額、売上原価、必要経費等を集計します。
- 内訳を作成する:月別売上・仕入、給与・専従者給与、減価償却費、地代家賃等、該当する内訳を作成します。
- 貸借対照表を作成する:55万円・65万円控除を目指す場合等、必要な人は貸借対照表を作成し、貸借が一致するか確認します。
- 青色申告特別控除額を確認する:自分が満たす要件に応じた控除額を確認します。
- 整合を確認する:帳簿・決算書内・確定申告書の数字が一致しているか確認します。
- 確定申告書の作成へ進む:完成した決算書の内容を確定申告書へ反映します。
各手順の詳しい内容は、以降の見出しで説明します。
帳簿を締めて決算整理をする
青色申告決算書は、日々の帳簿と年末の決算整理を基に作成します。決算整理は、次の項目を確認します。該当しない決算整理項目まで行う必要はありません。
- 年内に計上すべき売上・収入が漏れていないか
- 前受・未収等の期間帰属を確認したか
- 年内に計上すべき仕入・経費と未払等を確認したか
- 棚卸が必要か(商品・製品等の在庫がある場合)
- 減価償却資産があるか
- 家事関連費・兼用資産の事業分を確認したか
- 売掛金等に貸倒れ・引当金の論点があるか
- 従業員給与・専従者給与があるか
- 帳簿残高と実際の現金・預金等に差がないか
- 前年末残高から引き継ぐ項目が一致しているか
これらは、全員が必ず仕訳を行う項目ではなく、自分に該当する場合に確認する項目です。決算整理を終えていない場合は、損益計算書や貸借対照表の数字が正しく確定できないため、先に記帳と決算整理を終えます。
損益計算書を作成する
損益計算書では、次の関係を確認しながら金額を集計します。
- 収入金額
- 売上原価(商品・製品等を扱う場合)
- 必要経費
- 青色申告特別控除前の所得金額
- 青色申告特別控除
- 所得金額
収入金額は、帳簿上の売上(掛売上を含む)を集計します。売上原価がある場合は、期首棚卸高・仕入金額・期末棚卸高が関係します。必要経費は、帳簿の科目ごとの金額を集計し、決算書の欄へ反映します。
帳簿の科目名と決算書の欄名が完全に一致しない場合があります。その場合に、独自の振替ルールで科目を機械的に置き換えるのではなく、対象年分の公式な書き方・手引きを確認しながら、どの欄へ集計するかを判断してください。
収入金額から売上原価と必要経費を差し引いた金額が、青色申告特別控除前の所得金額です。ここから、自分が満たす要件に応じた青色申告特別控除額(後述)を差し引いた金額が、所得金額になります。
売上・仕入・給与などの内訳を作成する
損益計算書の内容を裏付ける内訳として、該当する項目を作成します。
- 月別売上・仕入:帳簿の月次集計から、月ごとの売上高・仕入高を記載します。
- 給与賃金:従業員に支払った給与がある場合、給与の記録から内訳を作成します。
- 専従者給与:青色事業専従者へ給与を支払っている場合、届出額の範囲で内訳へ反映します。専従者給与の届出要件そのものは、この記事の範囲では扱いません。
- 貸倒引当金:売掛金等について貸倒れの見積りが必要な場合、決算整理で確認した内容を内訳へ反映します。個別の適用判定が必要な場合は、公式な手引き等で確認してください。
これらの内訳は、いずれも帳簿の記録から集計します。帳簿にない金額を独自に見積もって内訳へ記載しないでください。
減価償却費などの内訳を作成する
減価償却資産がある場合は、資産ごとに次の項目を確認し、内訳を作成します。
- 資産名
- 取得日
- 取得価額
- 耐用年数
- 償却方法・償却率
- 本年中の使用月数等
- 事業専用割合
- 本年分の必要経費算入額
- 前年からの引継ぎ
10万円未満の資産、10万円以上20万円未満の資産、青色申告者が使える一定の少額減価償却資産等については、通常の減価償却とは別のルールがあり得ますが、自分の資産へ適用できるかどうかを、この記事だけで一律に決めることはできません。減価償却の耐用年数や特例は、資産や取得時期等によって異なるため、対象年分の公式資料を確認してください。
地代家賃等の支払いがある場合は、賃貸契約等に基づいて、事業に対応する部分の内訳を作成します。
貸借対照表を作成する
貸借対照表は、決算日時点の資産・負債・元入金等をまとめる表です。次を確認しながら作成します。
- 期首残高と期末残高(現金・預金・売掛金・棚卸資産・固定資産等の資産側、買掛金・借入金・未払金等の負債側)
- 元入金、事業主貸、事業主借等の内容
- 帳簿残高と決算書の数字が一致しているか
- 資産合計と、負債・資本側の合計が一致しているか
- 前年期末の残高と当年期首の残高がつながっているか
元入金の計算方法は、公式手引きの記載方法を優先し、この記事で独自に単純化した計算式は示しません。
貸借が一致しない場合は、記帳漏れや按分の誤りなどがないか、帳簿へ戻って該当箇所を確認してください。金額が合わないことを理由に、事業主貸・事業主借の金額を無理に調整して帳尻を合わせることは避けてください。
55万円・65万円の青色申告特別控除には、貸借対照表・損益計算書の添付や期限内申告などの要件があります。自分が目指す控除額に応じて、貸借対照表の作成が必要かどうかを次の見出しであわせて確認してください。
青色申告特別控除額を確認する
令和8年分までの青色申告特別控除には、65万円・55万円・10万円の3区分があります。次の6軸で違いを確認してください。
| 比較軸 | 65万円控除 | 55万円控除 | 10万円控除 |
|---|---|---|---|
| 控除額 | 65万円 | 55万円 | 10万円 |
| 主な対象 | 55万円控除の要件を満たしたうえで、追加要件も満たす人 | 事業所得または事業的規模の不動産所得等について正規の簿記で記帳する人 | 上記以外の青色申告者 |
| 記帳方法 | 正規の簿記 | 正規の簿記 | 55万円・65万円控除の要件を満たさない場合の記帳 |
| 貸借対照表・損益計算書 | 添付する | 添付する | 55万円・65万円控除の要件を満たす場合ほど重要な要件とはならない |
| 期限内申告 | 必要 | 必要 | 55万円・65万円控除と同じ期限内申告要件ではない |
| e-Tax・電子帳簿との関係 | 55万円控除の要件に加え、e-Taxによる電子申告または一定の優良な電子帳簿保存のいずれかを満たす | 特に定めなし(55万円控除の要件として必須ではない) | 特に定めなし |
55万円・65万円の青色申告特別控除には、貸借対照表・損益計算書の添付や期限内申告などの要件があります。65万円控除の現行要件は、55万円控除の要件に加えて、e-Taxによる電子申告または一定の優良な電子帳簿保存のいずれかです。「e-Taxと優良な電子帳簿保存の両方が必要」ではありませんので、混同しないようにしてください。
10万円の青色申告特別控除は青色申告者の制度です。白色申告者に同様の控除があるわけではありません。
自分がどの控除額を目指すかによって、必要な記帳方法や添付書類が変わります。「最初に確認すること」で確認した記帳方法・準備状況と照らし合わせて、自分が満たせる要件を確認してください。
令和9年分以後は青色申告特別控除の要件が改正されます。国税庁は、令和9年分から、一定の要件を満たす優良な電子帳簿の保存等による最高75万円の控除と、簡易簿記による10万円控除の対象制限を案内しています。この記事の比較表は令和8年分までの制度を基準としているため、令和9年分以後を申告する場合は対象年分の最新情報を確認してください。
作成方法を選ぶ
青色申告決算書の作成方法には、国税庁「確定申告書等作成コーナー」、会計ソフト、書面作成があります。次の6軸で確認してください。
| 比較軸 | 確定申告書等作成コーナー | 会計ソフト | 書面 |
|---|---|---|---|
| 方法 | 国税庁のオンライン入力画面を使う | 民間の会計ソフトで決算書を出力する | 様式に手書き・手入力する |
| 主に入力・準備するもの | 決算整理後に集計した各金額 | 日々の帳簿データ(ソフトへの記帳が前提) | 決算整理後に集計した各金額 |
| 自動計算・連携の範囲の考え方 | 入力した金額をもとに、画面内で計算・確定申告書側への連携が行われる範囲がある | ソフトが帳簿の記録から決算書を生成する範囲がある(製品ごとに異なる) | 自動計算はなく、自分で計算・転記する |
| 利用者が確認すること | 入力漏れがないか、計算結果が帳簿と一致するか | ソフトの自動処理範囲と、手動確認が必要な項目 | 転記ミス・計算ミスがないか |
| 確定申告への接続 | 決算書作成後、所得税の確定申告書作成へ進む画面がある | 製品ごとに確定申告書への連携方法が異なる | 確定申告書へ手動で転記する |
| 主な注意点 | 帳簿を日々入力していない場合は、集計済みの金額を自分で用意する必要がある | 製品固有の設定・仕様は各ソフトの公式ヘルプで確認する | 記入誤りに特に注意する |
確定申告書等作成コーナーや会計ソフトが、日々の帳簿データから自動で決算書を作り上げるとは限りません。作成コーナーでは、決算整理を終えて集計した金額を入力して計算・連携する場合と、会計ソフトで帳簿の記録から決算書を生成する場合とでは、準備するものが異なります。自分が使う方法に応じて、あらかじめ何を用意すべきかを確認してください。
e-Taxは、決算書や確定申告書を電子的に提出するための仕組みであり、作成コーナーや会計ソフトと並ぶ「帳簿作成ソフト」の一つとしては扱いません。e-Taxの利用可能時間やメンテナンス時間は、公式情報で確認してください。
確定申告書へつなげる
青色申告決算書を作成しただけでは所得税の確定申告は完了しません。次の内容を確認して、確定申告書の作成へ進んでください。
- 決算書で確定した収入・所得等の金額を、確定申告書へ反映します。
- 確定申告書等作成コーナーでは、決算書作成後に所得税の確定申告書作成へ進む流れがあります。
- 会計ソフトでは、製品ごとに確定申告書への連携方法が異なります。
- 最後に、確定申告書と決算書の金額が整合しているかを確認します。
決算書の完成は、確定申告の準備が整った状態であり、申告そのものが終わった状態ではありません。
期限・いつまでに
青色申告決算書は、所得税の確定申告書に添付して提出します。決算書そのものに、確定申告書の提出期限とは別の独立した期限はありません。
一般則として、確定申告期限は翌年3月15日です。休日等により、翌日以降にずれる場合があります。
令和8年分の所得税及び復興特別所得税の申告・納付期限は令和9年3月15日(月)です。
期限は、国税庁「申告と納税」で確認できます。
e-Taxと書面で、法定の申告期限そのものが異なるわけではありません。e-Taxの利用可能時間やメンテナンス時間は、法定期限とは別の情報であるため、現行の公式情報で確認してください。
状況別
A. 初めて青色申告決算書を作る
「最初に確認すること」から順に進めます。使う様式、必要な帳簿・資料、目指す控除額を先に確認してから、決算整理・損益計算・内訳・貸借対照表の作成に進んでください。
B. 帳簿の記帳がまだ終わっていない
帳簿が未完成の場合は、先に記帳と決算整理を終えます。記帳が終わっていない状態で決算書の数字を確定させることはできません。
C. 商品・材料などの在庫がある
期末棚卸を行い、棚卸表を作成します。売上原価は、期首棚卸高・本年の仕入金額・期末棚卸高の関係で決まります。棚卸表と帳簿残高を照合してください。
D. 売掛金・買掛金・未払費用などが残っている
年末時点の売掛金・買掛金・未払費用等の残高を確認し、決算整理で本年分の収入・経費に含めるべきものを反映します。残高資料と帳簿を突き合わせてください。
E. 自宅・車・通信費などを家事と事業で共用している
家事按分が必要な支出・資産があるかを確認します。事業に対応する部分だけを必要経費とし、按分の根拠資料を用意してください。按分割合そのものの妥当性は、この記事だけでは判断できないため、必要に応じて公式資料や専門家へ確認してください。
F. 減価償却資産がある
固定資産台帳をもとに、資産ごとの取得価額・取得日・耐用年数・償却方法等を確認し、「減価償却費などの内訳を作成する」に沿って内訳を作成します。
G. 従業員または青色事業専従者がいる
給与・専従者給与の記録から、決算書の該当欄へ内訳を反映します。専従者給与の届出要件や適正額の判断そのものは、この記事の範囲外です。
H. 55万円・65万円控除を受けたい
「青色申告特別控除額を確認する」の比較表で、自分が満たせる要件を確認してください。正規の簿記による記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告が必要になります。
I. 事業所得と不動産所得など複数の所得がある
「どの青色申告決算書を使うか」で確認したとおり、所得ごとに対応する様式を確認する必要があります。一律に一枚の決算書で済むとは限りません。
J. 会計ソフトで決算書を作成する
「作成方法を選ぶ」の比較表を確認し、自分が使うソフトの自動処理範囲と、手動で確認すべき項目を、ソフトの公式ヘルプであわせて確認してください。
保存するもの
帳簿・書類の保存期間は、区分によって異なります。保存期間は帳簿・書類の種類によって異なります。
| 区分 | 基本の保存期間 |
|---|---|
| 帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳等) | 7年 |
| 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表等) | 7年 |
| 現金預金取引等関係書類 | 原則7年。ただし一定の場合は5年 |
| その他の取引書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状等) | 5年 |
電子取引データの保存については、インボイス制度等により別の保存要件が関係する場合があります。「電子保存すれば一律で保存期間が延びる」とは限らないため、対象年分の公式情報で確認してください。
相談先
判断に迷う場合は、次を目安に確認先を選んでください。
- 所轄税務署・国税局電話相談センター:制度、様式、記載方法、対象年分の要件を確認します。
- 税理士:個別取引、複雑な減価償却、家事按分、貸倒れ、複数事業等の具体的な判断を確認します。
- 青色申告会・商工会等:記帳・決算の支援を行っている場合があります。利用条件・サービス内容は各団体へ確認してください。
税務署が個別の仕訳を代行するわけではなく、青色申告会等も必ず無料で利用できるとは限りません。相談先ごとの利用条件は、各団体で確認してください。
公式リンク
- 国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分)」
- 国税庁「令和7年分青色申告決算書(一般用)の書き方」
- 国税庁「令和7年分青色申告の決算の手引き(一般用)」
- 国税庁「令和7年分青色申告者のための貸借対照表作成の手引き」
- 国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」
- 国税庁「青色申告制度」
- 国税庁「青色申告特別控除」
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
- e-Tax
- 国税庁「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ(令和9年分から)」
注意点
- 65万円控除の現行要件は、55万円控除の要件に加えて「e-Taxによる電子申告」または「一定の優良な電子帳簿保存」のいずれかです。両方が必須ではありません。
- 令和9年分から青色申告特別控除の要件が改正され、国税庁は最高75万円の控除や簡易簿記による10万円控除の対象制限を案内しています。令和8年分までの制度と混同せず、対象年分の最新情報を確認してください。
- 10万円の青色申告特別控除は青色申告者の制度であり、白色申告者の控除ではありません。
- e-Taxの利用可能時間と、確定申告の法定期限は別の情報です。e-Taxが使えるからといって、法定の申告期限そのものが延びるわけではありません。
- 帳簿・書類の保存期間は一律ではなく、区分ごとに異なります。
- 確定申告書等作成コーナーや会計ソフトが、日々の帳簿入力から自動的に決算書を完成させるとは限りません。自分が使う方法で、どこまでが自動処理され、どこからが自分で確認・入力する範囲かを確認してください。
- 貸借対照表の資産合計と負債・資本側合計が一致しない場合は、事業主貸・事業主借の金額を無理に調整して合わせるのではなく、記帳漏れや按分誤りがないか帳簿へ戻って確認してください。