急に胸が痛くなったときに対応する
概要
急な強い胸の痛みや、突然の息苦しさ、胸の中央が締め付けられるような・圧迫されるような痛みなどがある場合は、原因を自分で見分けようとせず、119番通報を優先してください。
胸痛は、心臓以外の原因でも起こります。しかし、命に関わる病気かどうかを自宅で確実に見分ける方法はありません。痛む場所や年齢だけで「心臓ではない」「大丈夫」と判断することは危険です。
この記事は、急に胸が痛くなった本人、または家族・周囲の人が対応に迷っている場合に、次のどの行動へ進むかを判断できるように案内します。
- 今すぐ119番通報する
- 緊急性の判断に迷うため、利用できる地域なら救急相談を利用する
- 強い緊急サインはないが、早めに医療機関へ相談・受診する
なお、反応がなく、普段どおりの呼吸がない場合は、119番通報とあわせて心肺蘇生・AEDへ進みます。119番通報の詳しい方法や、心肺蘇生・AEDの詳しい手順そのものは、この記事の責任範囲ではありません。ここでは、胸痛が起きた直後に何を確認し、どこへ連絡するかの判断に絞って案内します。
このページで分かること
- 119番通報を優先すべき危険な胸痛のサイン
- 緊急性の判断に迷うときに使える相談先
- 119番通報後、救急車を待つ間にしておくこと
- 反応がない・呼吸がおかしい場合に進む対応
- 強い症状がなくても医療機関への相談・受診を考えたほうがよい場合
- 胸痛の原因を自己判断してはいけない理由
対象読者
- 突然または急に胸が痛くなり、救急車を呼ぶべきか迷っている本人
- 家族・同居人・周囲の人が胸痛を訴えていて、どう対応すべきか迷っている人
- 胸の圧迫感、締め付け感、強い胸痛、胸痛と息苦しさなどがあり、様子を見てよいか判断できない人
更新日
更新日:2026年9月16日
まず確認:次の症状があれば119番通報する
次のような症状がある場合は、119番通報を優先してください。
- 突然の激しい胸または背中の痛み
- 急な息切れ、呼吸困難
- 胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛み
- 痛みが続く、繰り返す、安静にしても改善しない
- 痛む場所が移動する
- 冷や汗、顔色が明らかに悪い、普通に話しにくいなど、明らかな全身状態の悪化を伴う
- 意識が悪い、倒れた、反応がおかしい
- 本人または家族が「いつもと違う強い症状」「明らかに危険」と感じる
痛みの持続時間は重要な判断材料になりますが、数分続いている、あるいは安静にしても15分以上続いているといった経過は、危険なサインとして扱う根拠にはなっても、「短時間だから安全」という逆の判断には使えません。時間の長さだけで119番通報の要否を決めないでください。
反応がない、または普段どおりの呼吸がない場合は、このページの「反応がない・呼吸がおかしい場合」に進んでください。
迷ったらどうするか
強い緊急サインが明確でないものの、胸痛があり、本人だけでは判断できない場合は、原因を自分で見分けようとせず、救急要請を検討してください。
- 緊急性が高いと感じる場合は、相談を挟まず119番通報を優先してください。
- 緊急かどうかの判断に迷う場合は、地域で利用できる救急相談(救急安心センター事業「#7119」など)を利用できます。
- 「#7119」は全国一律で利用できるわけではなく、利用できるかどうかは地域によって異なります。まずお住まいの地域で利用できるかを確認してください。
- 救急相談の窓口では、救急車を呼ぶべきか、今すぐ医療機関を受診すべきかについて、医師・看護師・救急救命士などから助言を受けられます。相談の結果、緊急性が高いと判断された場合は、119番への転送やかけ直しを勧められることがあります。
救急車を待つ間にすること
119番通報をしたら、まず通信指令員の質問や指示に従ってください。そのうえで、可能な範囲で次のことを行います。
- 通信指令員の質問・指示に従う
- 無理に歩き回らず、安全な場所で待つ
- 一人の場合は、可能な範囲で玄関の解錠など、救急隊が入りやすい準備をする
- 家族などがいる場合は、救急隊の誘導を頼む
- 保険証、診察券、お薬手帳、普段飲んでいる薬などを、無理のない範囲で準備する
- 症状が始まった時刻、痛みの変化、持病、服薬中の薬を伝えられるようにしておく
姿勢を一律に決めることはできません。「必ず横になる」「必ず座る」といった指示に従う必要はなく、本人が楽な姿勢で待ってください。食事、飲酒、喫煙は避けてください。自己判断で市販薬や鎮痛薬を飲むことは勧められません。痛みが一時的に軽くなったとしても、それだけを理由に救急要請を取り消さないでください。また、歩いたり体を動かしたりして症状を「確かめる」ような行動は避けてください。
反応がない・呼吸がおかしい場合
本人に反応がない、または普段どおりの呼吸がない場合は、次のように対応してください。
- 119番通報する
- 周囲にいる人にAEDを持ってくるよう依頼する
- 通信指令員の指示を受けながら心肺蘇生を行い、AEDを使用する
心肺蘇生やAEDの詳しい手順そのものは、この記事の範囲を超えます。ここでは、反応や呼吸がなくなった場合に119番通報と心肺蘇生・AEDへ進むという対応の流れだけを示します。
強い症状がなくても受診を考える場合
「まず確認」に挙げたような強い緊急サインが明確でない場合でも、次のようなときは、自己判断で長く様子を見続けず、早めに医療機関へ相談・受診してください。
- 痛みが軽くても、繰り返し起きる場合
- 痛みが続く場合
- 安静にしているときにも胸痛が起きる場合
「姿勢を変えると痛みが変わる」「押すと痛い」といった特徴だけで、心臓の病気を除外することはできません。この記事は、胸痛の原因を診断するものではありません。判断に迷う場合は、前述の「迷ったらどうするか」で案内した救急相談も利用できます。
胸痛の原因を自己判断しない
胸痛には、心臓・血管・肺などに関わる緊急性の高い病気を含め、複数の原因があり得ます。
- 痛む場所や年齢、痛みが一時的に軽くなったことだけでは、危険でないと判断できません。
- 「左胸だから心臓」「右胸だから心臓ではない」「若いから大丈夫」といった単純な判断はできません。
- 原因の診断は医療機関で行うものであり、この記事は病名を判断するための記事ではありません。
相談先
119番
次のような場合は、119番へ通報してください。
- 突然の激しい胸痛
- 呼吸困難
- 強い圧迫感、締め付け感
- 意識障害など
- そのほか、緊急性が高いと感じる場合
救急安心センター事業(#7119)
次のような場合、判断に迷ったときの相談先として救急安心センター事業(#7119)を利用できます。
- 救急車を呼ぶべきか判断に迷うとき
- 今すぐ医療機関へ行くべきか判断に迷うとき
- 応急対応をどうすればよいか判断に迷うとき
利用できるかどうかは地域によって異なるため、お住まいの地域で利用できるかを確認してください。
医療機関
強い緊急サインはないものの、胸痛が続く・繰り返すなど、早めに相談・受診したほうがよい場合は、かかりつけ医や近くの医療機関へ相談してください。特定の医療機関名や電話番号は、この記事では案内していません。
公式リンク
より詳しい情報や最新の実施状況は、次の公式情報源で確認できます。
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)ってナニ?」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)実施団体基本情報調査一覧」
- 日本循環器学会「第5章 市民・患者への情報提供」