準確定申告をする

対象読者

確定申告が必要だった可能性のある人を亡くした相続人・包括受遺者の方を対象としています。年金、給与、事業、不動産、譲渡など、亡くなった人に何らかの収入があった場合の申告要否と手続きを確認したい方に向けた内容です。相続人が複数いる場合の書類の整理や、紙提出とe-Taxの違いを確認したい方も対象に含みます。

更新日

2026年9月29日

概要

準確定申告とは、年の中途で亡くなった人について、その年の1月1日から死亡日までの所得金額と税額を相続人等が計算し、申告する手続きです。確定申告義務がある場合に行うもので、義務がない場合でも還付を受けられる可能性があります。

準確定申告は、相続税の申告とは別の、所得税及び復興特別所得税に関する手続きです。両者を混同すると、必要な手続きを見落としたり、期限を誤って認識したりする原因になります。

この記事では、亡くなった人について申告が必要かを確認する考え方、申告対象期間、期限、申告する人、申告先、紙提出とe-Taxの基本的な違い、必要書類、納付または還付の基本的な流れを整理します。個別の所得金額の計算や税額の確定、相続税の申告要否までは扱いません。

このページで分かること

  • 準確定申告の基本的な意味と、相続税申告との違い
  • 申告対象となる期間
  • 申告が必要かを確認する基本的な考え方と、還付申告を検討できる場合
  • 申告期限と、その起算点
  • 申告する人と、相続人が複数いる場合の基本的な扱い
  • 申告先となる税務署
  • 紙提出とe-Taxの基本的な違い
  • 申告書、付表、確認書、委任状などの基本的な関係
  • 収入・控除の資料を集める際の分類
  • 納付または還付の基本的な流れ
  • 相談先と公式情報

この前に確認する

準確定申告に進む前に、次を確認しておくと手続きを進めやすくなります。

  • 亡くなった日
  • 相続開始を知った日
  • 相続人・包括受遺者の範囲
  • 亡くなった人の収入・控除に関する資料のめど

これらがまだ確認できていない場合は、相続手続き全体の流れを確認しながら、相続人を確認する、戸籍を集める(相続手続き用)、相続財産を調査するといった前段階の手続きから進めることになります。

最初にやること

まず、亡くなった人に確定申告の義務があったか、義務はないが還付を受けられる可能性があるかを、年分ごとに確認してください。申告義務がある場合は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、亡くなった人の死亡時の納税地を所轄する税務署へ申告・納付します。還付申告だけを検討する場合に、この4か月を一律の提出期限とはしません。

最初に行うことは次の3点です。

  1. 亡くなった人について、前年分の確定申告が未提出のまま残っていないか、死亡した年分と分けて確認します。
  2. 申告義務がある年分は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内の具体的な期限を確認し、記録します。
  3. 申告義務がなく還付申告を検討する年分は、対象年分に応じた一般の5年間の提出可能期間と、期限内提出が条件になる特例の有無を確認します。

準確定申告が必要か確認する

準確定申告は、亡くなった人に確定申告義務があった場合に行う手続きです。生前の所得の状況によっては、そもそも確定申告が必要なかった場合もあります。

申告義務がなかったと考えられる場合でも、給与や年金などから源泉徴収された税金について、還付を受けられる可能性があります。還付申告を行うかどうかは検討の余地があります。

亡くなった人に申告義務があったか、還付を受けられる可能性があるかの個別判断は、国税庁の確定申告要否に関する案内、または税務署への確認が必要です。

状況別

亡くなった人が通常なら確定申告不要だった場合

準確定申告も必ず必要とは限りません。ただし、源泉徴収された税金や予定納税額の還付を受けられる可能性がある場合は、還付申告を検討します。この場合は、申告義務がある場合の4か月を一律に当てはめず、対象年分ごとの一般の5年間の扱いと、利用したい特例に期限内提出の条件がないかを確認してください。個別の判断は、国税庁の確定申告要否案内または税務署へ確認してください。

翌年1月1日以後、前年分を未申告のまま亡くなった場合

前年分と死亡した年分の双方の申告が関係する可能性があります。亡くなった人に確定申告義務がある年分については、原則として相続開始を知った日の翌日から4か月以内が期限です。申告義務がなく還付申告だけを検討する年分は、この4か月を一律の期限とせず、年分ごとに提出可能期間と特例の条件を確認してください。

相続人が複数いる場合

確定申告書付表で、各相続人等の情報を整理します。e-Taxで提出する場合は、各相続人が申告内容を確認し署名した確認書が必要です。代表者だけの判断で内容を確定させることはできません。

代表者が他の相続人分の還付金をまとめて受け取る場合

付表とは別に、委任状が必要です。各相続人の署名など、最新の様式の記載要領を確認してください。

相続人がいない場合、または相続財産清算人が関係する場合

一般的な相続人向けの手順だけでは対応できません。相続財産清算人や包括受遺者の立場、期限の扱いが関係するため、所轄の税務署または税理士へ早めに相談してください。

期限を過ぎてしまった場合

申告義務がある場合の4か月の期限を過ぎたときは、そのまま放置せず、期限後申告や延滞税等について所轄の税務署または税理士へ速やかに相談してください。還付申告だけの場合も、5年間の提出可能期間や適用したい特例の期限を過ぎていないか確認してください。加算税・延滞税の詳しい計算は、この記事では扱いません。

手順

  1. 亡くなった人の所得の種類を洗い出します。
  2. 源泉徴収票、支払調書、帳簿、控除証明書、医療費の資料等を集めます。
  3. 相続人・包括受遺者を確認し、申告手続きを進める代表者を整理します。
  4. 紙提出とe-Taxのどちらで提出するかを選びます。
  5. 確定申告書、付表、必要に応じて確認書・委任状等の書類を準備します。
  6. 亡くなった人の死亡時の納税地を所轄する税務署へ提出します。
  7. 納付が必要な場合は納付を行い、還付となる場合は還付金の受領手続きを行います。
  8. 申告書の控え、受信通知、納付記録等を保管します。

期限

申告義務がある場合:原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告・納付します。「死亡日から4か月」とは限りません。確定申告義務がある人が翌年1月1日から通常の確定申告期限までの間に前年分を未提出のまま亡くなった場合は、前年分と死亡した年分の双方に、原則として同じ4か月の期限が適用されます。

申告義務はないが還付申告を検討する場合:4か月を一律の提出期限とはしません。一般の還付申告は、対象となる年分の翌年1月1日から5年間提出できる扱いです。亡くなった人の前年分・死亡した年分のどちらを申告するか確認し、提出可能期間を年分ごとに調べてください。

ただし、55万円または65万円の青色申告特別控除など、法定申告期限内の提出が適用条件となる特例があります。5年間提出できることと、その特例を受けられることは別です。適用を考える特例がある場合は、該当年分・死亡の時期を踏まえた期限を国税庁の案内や所轄の税務署、税理士に確認してください。

申告義務がある場合の期限を過ぎたときは放置せず、所轄の税務署または税理士へ速やかに相談してください。

必要なもの

基本書類

  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
  • 確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)
  • 相続人等の本人確認・マイナンバー関係書類(最新の案内で確認してください)

収入を確認する資料

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 公的年金等の源泉徴収票
  • 事業所得・不動産所得の帳簿、収支内訳書、青色申告決算書等
  • 配当・利子・譲渡等の支払通知書、年間取引報告書等
  • その他の所得に関する契約書・支払調書・計算資料

控除を確認する資料

  • 社会保険料、生命保険料、地震保険料等の控除証明書
  • 死亡日までに支払った医療費の明細・医療費通知等
  • 寄附金受領証明書
  • 配偶者・扶養親族等の判定に必要な資料
  • その他、適用する控除・税額控除の証明書

e-Tax・還付関係

  • 準確定申告の確認書(相続人が2人以上の場合)
  • 委任状(代表者が他の相続人分の還付金を受領する場合)
  • e-Tax利用に必要な電子証明書・利用者識別番号等

必要書類は、所得の種類・控除の内容・提出方法によって増減します。ここでは全国共通の基本的な分類を示しています。最終的な確認は、国税庁の該当年分の様式・記載例で行ってください。

相談先

税務署・国税庁

  • 準確定申告が必要かどうかの一般的な確認
  • 提出先・期限・様式の確認
  • 付表、確認書、委任状の扱いの確認
  • 申告書の一般的な記載方法
  • 納付・還付の手続き

税理士

  • 事業所得・不動産所得がある場合
  • 不動産・株式等の譲渡がある場合
  • 帳簿が未整理の場合
  • 所得区分や必要経費の判断が難しい場合
  • 控除・税額控除の適用判断が難しい場合
  • 相続人間で資料や申告内容の調整が難しい場合
  • 期限が迫っている、または過ぎている場合
  • 相続税の申告もあわせて相談したい場合

e-Taxヘルプデスク

  • e-Taxソフト等の操作方法
  • 送信方法
  • 添付書類のイメージデータ送信
  • エラーへの対応

税法上の個別判断は税務署または税理士へ、操作上の問題はe-Taxヘルプデスクへというように、相談先の役割が分かれています。

公式リンク

注意点

  • 準確定申告は、相続税の申告とは別の手続きです。
  • 申告義務がある場合の期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。申告の結果が還付になっても、申告義務がある年分はこの区分で確認してください。還付申告だけを検討する場合に一律には当てはめません。
  • 提出先は、相続人の住所地ではなく、亡くなった人の死亡時の納税地を所轄する税務署です。
  • 亡くなった人全員に申告義務があるわけではありません。
  • 申告義務がなくても、還付申告を検討できる場合があります。一般の5年間の提出可能期間とは別に、期限内提出が条件となる特例を確認してください。
  • e-Taxでは、相続人が1人であっても付表の提出が必要です。
  • 相続人が2人以上いるe-Tax申告では、確認書が必要です。
  • 代表者が他の相続人分の還付金を受け取る場合は、別途委任状が必要です。
  • 医療費控除等は、死亡後に相続人が支払ったものを当然に準確定申告へ含められるわけではありません。支払った時期と負担者を確認してください。
  • 必要な資料が不足していても、期限を放置せず、早めに所轄の税務署または税理士へ相談してください。

チェックリスト

関連記事導線

この記事の前に確認する

状況によってはこちらも確認する

  • 相続人がいない場合について知る
  • 相続財産清算人(旧:相続財産管理人)の選任を申し立てる
  • 相続放棄をする
  • 限定承認をする

準確定申告の義務と相続放棄等との関係は、一律には決まりません。特殊な事情にあたる場合は、税務署または専門家へ確認してください。

あわせて確認する

  • 相続税を申告・納付する
  • 年金受給を停止する(死亡届)
  • 預貯金等の相続手続きをする

他の手続きを探す