確定申告の期限を過ぎたときに対応する
概要
所得税・復興特別所得税の確定申告の期限を過ぎてしまっても、申告そのものができなくなるわけではありません。申告義務があるのに提出していない場合は、気付いた時点でできるだけ早く申告することが基本の対応になります。
この記事は、確定申告の期限が過ぎたことに気付いた個人の方を対象に、まず自分がどのケースにあたるかを整理したうえで、期限後申告の進め方、納付や加算税・延滞税の考え方、還付申告や災害等による期限延長、一時に納付できない場合の相談先までを案内します。
法人税、相続税・贈与税、個人事業者の消費税の期限後申告の詳細、および個々の事情に応じた加算税・延滞税の確定額の判定は、この記事の範囲外です。該当する場合は、税務署や専門家への確認が必要です。
このページで分かること
- 期限を過ぎても期限後申告ができること、できるだけ早く申告すべき理由
- 自分が「期限後申告」「還付申告」「期限延長」「納付困難」のどのケースにあたるかの見分け方
- 期限後申告を進める際の大まかな流れ
- 期限後申告で税金を納める場合の納期限と、注意が必要な納付方法
- 無申告加算税・延滞税がかかる場合の考え方
- 還付申告ができる期間と、期限内申告が条件になる特例があること
- 災害等でやむを得ず期限に間に合わなかった場合の期限延長制度
- 税金を一度に納付できない場合の猶予制度への相談方法
対象読者
主に次の方を対象とします。
- 個人の所得税の確定申告が必要だったが、法定申告期限までに提出できなかった方
- 期限を過ぎたことに気付き、今から何をすればよいか知りたい方
次の方も、該当する範囲で参考にできます。
- 還付申告をしたい方
- 災害・重傷病等のやむを得ない理由で期限内に手続きできなかった方
- 期限後申告で税額が出るが、一時に納付することが難しい方
更新日
更新日:2026年10月5日
最初にやること
申告義務があるのに確定申告をまだ済ませていない場合は、罰則や加算税を心配して申告を先延ばしにするのではなく、申告書の作成準備から始めます。
税金をすぐに納められるかどうかが分からない場合でも、申告そのものは止めません。納付が難しい場合の対応は、申告とは別に確認できます。
まず、自分がどのケースか確認する
確定申告の期限を過ぎた場合の対応は、状況によって異なります。次の中から、自分に近いものを確認してください。
- 申告義務があり、まだ申告していない:期限後申告の対象です。「期限後申告の流れ」へ進みます。
- 申告義務はないが、税金の還付を受けたい:還付申告の対象です。「還付申告の場合」を確認します。
- 災害・重傷病等で期限までに手続きできなかった:期限延長制度の対象になる可能性があります。「災害などで期限に間に合わなかった場合」を確認します。
- 申告はできるが、税金を一度に払えない:申告自体は進めたうえで、「税金を一度に納付できない場合」を確認します。
- 自分に申告義務があるかどうか分からない:この記事では断定せず、国税庁の案内または税務署で確認します。
期限後申告の流れ
期限後申告は、おおむね次の順序で進めます。
- 収入・控除等、申告に必要な資料を確認する
- 申告書を作成する
- e-Taxまたは書面(郵便・信書便による所轄税務署等への送付)で提出する
- 納付すべき税額がある場合は、原則として提出日を納期限として納付する
- 提出の控えや送信結果等を保管する
必要なもの
期限後申告で必要となる資料は、通常の確定申告と同様に、所得や控除の内容によって異なります。すべての方に共通する固定リストとしてではなく、次の確認軸で準備してください。
- 本人確認に関する資料
- 所得の内容を確認できる資料
- 適用を受けたい控除を確認できる資料
- その他、申告内容に応じて必要となる資料
自分の場合に何が必要かを具体的に確認したい場合は、国税庁の案内、確定申告書等作成コーナー、または税務署に確認してください。
期限・いつまでに
期限後申告そのものに、一律の新しい猶予期限があるわけではありません。申告義務があるのに提出していない場合は、国税庁が案内するとおり「気付いた時点でできるだけ早く」申告することが基本です。
還付申告は、これとは別枠で、通常の確定申告期間とは異なる提出可能期間があります。詳しくは「還付申告の場合」で説明します。
災害その他やむを得ない理由による期限延長は、期限後申告とは別の制度です。詳しくは「災害などで期限に間に合わなかった場合」で説明します。
税金の納付がある場合
期限後申告で納める税金は、申告書を提出した日が納期限となります。原則として、提出日に納付が必要です。
期限後申告分については、振替納税を利用できません。振替納税は、期限内に提出された確定申告分等が対象の制度です。期限後申告をする場合は、利用できる別の納付方法を国税庁の案内で確認してください。
無申告加算税・延滞税に注意する
期限後申告では、申告状況等により無申告加算税がかかる場合があります。
税務署から調査の事前通知を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合は、原則として納付すべき税額の5%が無申告加算税となります。
ただし、期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税がかかりません。
- 法定申告期限から1か月以内に自主的に期限後申告している
- 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当する
- その期限後申告で納付すべき税金の全額を法定納期限までに納付している(口座振替納付の手続きをしていた場合は、期限後申告書を提出した日まで)
- 期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、この無申告加算税の不適用を受けていない
自分がこの要件を満たすか分からない場合は、税務署に確認してください。
税務署から調査の事前通知を受けた後や、調査を受けた後などは、税率や加算の条件が変わります。「自主申告なら一律5%で済む」とは限らないため、自分の状況がどれにあたるかを国税庁の案内や税務署で確認してください。
このほか、期限までに納付されていない税金については、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて延滞税が生じます。延滞税の具体的な税率は年や期間によって変わるため、この記事では固定の税率を案内していません。最新の税率は国税庁の案内で確認してください。
還付申告の場合
確定申告の義務がない方が、納め過ぎた所得税の還付を受けるために行う還付申告は、通常の確定申告期間とは別に、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
これは、申告義務がある方の期限後申告とは別の制度です。両者を混同しないよう注意してください。
また、55万円・65万円の青色申告特別控除など、法定申告期限までに提出すること自体が適用の要件となっている特例があります。「還付申告なら5年間いつでも同じ条件で受けられる」とは限らないため、こうした特例を利用したい場合は、期限内提出が要件になっていないかを事前に確認してください。
災害などで期限に間に合わなかった場合
災害その他、納税者の責めに帰さないやむを得ない理由で、期限までに申告・納付等ができなかった場合には、期限延長の制度があります。
期限延長には、地域を指定して行われるものと、個別の申請によるものがあります。個別に申請する場合は、所轄税務署長への申請により、原則としてその理由がやんだ日から2か月以内の範囲で期限が延長されます。
単に資金が不足していることだけでは、この期限延長の理由にはなりません。資金不足による納付困難については、「税金を一度に納付できない場合」を確認してください。
税金を一度に納付できない場合
税金を一度に納付すると、事業の継続や生活の維持が困難になるなど、一定の要件を満たす場合には、換価の猶予・納税の猶予が認められることがあります。申請による換価の猶予は、原則として納期限から6か月以内に申請することが要件の一つです。
納付が難しいことを理由に申告そのものを遅らせる必要はありません。申告は申告として進めたうえで、納付が難しいことについては、早めに税務署へ相談してください。
相談先
- 所轄の税務署:期限後申告の進め方、納付方法、無申告加算税・延滞税の取扱い、納税の猶予等について、実際に相談・申請・手続きを行う窓口です。
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」:申告書の作成・e-Taxでの送信を行う際に利用します。
自分の状況における個別の加算税額や猶予制度の適用可否は、この記事だけでは判断できません。所轄の税務署に確認してください。
公式リンク
- 国税庁「確定申告を忘れたとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm):期限後申告の基本的な考え方を確認できます。
- 国税庁「還付申告」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm):還付申告の提出可能期間を確認できます。
- 国税庁「災害等による期限の延長」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/saigai/8001.htm):災害等による期限延長の制度を確認できます。
- 国税庁「国税を期限内に納付できないとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9206.htm):納税の猶予制度を確認できます。
- 国税庁「振替納税のお勧め」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9201.htm):振替納税の対象範囲を確認できます。
- 国税庁「確定申告書の税務署への送付」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2036.htm):書面を郵便・信書便で提出する場合の扱いを確認できます。
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/smsp/top):申告書の作成・e-Taxでの送信に利用できます。
- 国税庁「納税に関する総合案内」(https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/annai/):納付方法全般を確認できます。
- 国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」(https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm):所轄税務署を確認できます。
- 国税庁「国税に関するご相談について」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/):電話相談や税務署での相談方法を確認できます。
注意点
- 期限を1日でも過ぎたからといって、必ず重いペナルティになるとは限りません。状況によって取扱いが異なるため、思い込みで判断しないでください。
- 自主的な期限後申告であっても、無申告加算税が必ず5%だけで済むとは限りません。要件を満たさない場合や、調査の事前通知後・調査後などでは取扱いが変わります。
- 還付申告だからといって、期限をまったく気にしなくてよいわけではありません。5年間の提出可能期間があるのは、確定申告義務がない方の還付申告についてです。期限内提出が要件となる特例を利用したい場合は注意が必要です。
- 「お金がないので申告も待つ」という対応は避けてください。納付が難しい場合でも、申告と納付困難への相談は分けて進められます。
- 期限後申告分の税金には、振替納税をそのまま利用することはできません。