遺族基礎年金について知る

対象読者:家族が亡くなり、遺族基礎年金が誰に、どのような条件で支給されるのかを初めて確認する人 更新日:2026年9月25日

この記事は、遺族基礎年金の対象者と基本的な要件を理解し、自分の家族が対象となる可能性があるかを確認して、次の行動(公式確認や別制度の確認)へ進めるようにするための記事です。


このページで分かること

  • 遺族基礎年金を受け取れるのは誰か
  • 亡くなった方側に必要な条件
  • 対象となる「子」の範囲
  • 2026年度の年金額
  • 遺族厚生年金との違い
  • 次に何を確認すればよいか

最初に確認すること

遺族基礎年金は、亡くなった方の家族であれば誰でも受け取れる年金ではありません。まず、次の3点を確認してください。

  • 対象となる年齢等の子がいるか
  • 亡くなった方に国民年金・厚生年金の加入歴があるか
  • 配偶者・子以外の遺族ではないか

子がいない配偶者や、配偶者・子以外の遺族にあたる場合は、遺族基礎年金の対象ではありません。その場合は、この記事内の該当箇所で案内する別制度を確認してください。


遺族基礎年金とは

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が亡くなった場合に、一定の遺族へ支給される公的年金です。遺族の生活保障を目的としています。

遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。亡くなった方の加入状況により、どちらか一方、または両方を受け取れる場合があります。


誰が遺族基礎年金を受け取れるのか

遺族基礎年金は、亡くなった方によって生計を維持されていた、次のいずれかの遺族が対象です。

  1. 子のある配偶者
  2. 子

配偶者の性別は問いません。

子がいない配偶者は、遺族基礎年金の対象ではありません。この点は、次の「子がいない配偶者・配偶者や子以外の遺族の場合」で詳しく説明します。


対象となる「子」の範囲

遺族基礎年金でいう「子」は、単に年齢だけで区切られるものではありません。次のいずれかに該当し、婚姻していない子が対象です。

  • 18歳になった年度の3月31日までにある子
  • 20歳未満で、障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子

「18歳未満の子」と単純に理解すると誤りです。18歳になった年度の末日(3月31日)までが対象になる点に注意してください。


亡くなった方に必要な条件

遺族基礎年金は、遺族側の条件だけでなく、亡くなった方側の条件も満たす必要があります。次のいずれかに該当することが必要です。

  • 国民年金の被保険者である間に死亡した
  • 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所を有していた人が死亡した
  • 老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡した

3つ目の要件は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間、65歳以後の厚生年金保険被保険者期間を合算した期間が25年以上ある人に限られます。この期間の算入方法は複雑なため、詳細は年金事務所等の公式確認に委ねます。


保険料の納付要件

死亡した方側の要件を満たしていても、保険料の納付状況によって受給できるかどうかが変わります。

被保険者、または被保険者であった60歳以上65歳未満の人が亡くなった場合、原則として、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。

これに加えて、次の経過措置があります。死亡日が令和18年(2036年)3月31日までで、死亡した方が65歳未満の場合は、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、この要件を満たすものとされています。

「保険料を一度でも未納にすると受け取れない」という単純化はできません。実際の納付記録に基づく個別の判断が必要になるため、詳しい状況は年金事務所等で確認してください。


誰に支給されるのか

子のある配偶者が遺族基礎年金を受けている間は、子には直接支給されません。

また、現行制度では、子に生計を同じくする父または母がいる間は、子への支給が停止される場合があります。

ただし、この扱いは2028年4月に施行が予定されている改正の対象です。現行制度の内容と、将来変わる予定の内容を分けて理解しておく必要があります(詳細は「2028年4月に予定されている見直し」で説明します)。


子がいない配偶者・配偶者や子以外の遺族の場合

次に該当する場合、遺族基礎年金の対象ではありません。

  • 子がいない配偶者
  • 配偶者・子以外の遺族(父母、孫、祖父母など)

子がいない配偶者の場合、亡くなった方に厚生年金加入歴があれば、遺族厚生年金の対象となる可能性があります。また、国民年金第1号被保険者としての期間等がある場合は、寡婦年金または死亡一時金に該当する可能性があります。これらの制度の詳細は、本記事では扱いません。

配偶者・子以外の遺族にあたる場合も、遺族基礎年金は対象外ですが、遺族厚生年金など別の制度の対象となる可能性があるため、その可能性まで否定するものではありません。


遺族基礎年金の金額

2026年度額(子のある配偶者が受け取る場合)

受給者の生年月日 基本額 子の加算
昭和31年4月2日以後生まれ 年847,300円 子の人数に応じて加算
昭和31年4月1日以前生まれ 年844,900円 子の人数に応じて加算

子の加算額

  • 1人目・2人目:各243,800円
  • 3人目以降:各81,300円

子が受け取る場合

子が受け取る場合は、847,300円に2人目以降の子の加算額を加えた額を、子の人数で割った額が1人あたりの年金額となります。

上記はいずれも2026年4月分からの額です。年金額は毎年度改定される可能性があるため、実際に受給する時点の金額は公式情報で確認してください。

制度上の額と実際の受給額の違い

上記の表は、制度上定められた年額です。実際に支給される額は、受給権が発生・消滅する時期、子の人数や年齢、他の年金との調整等によって変わることがあります。月額に換算した金額だけを本人の受取額と決めつけないよう注意してください。税・保険料控除後の手取り額についても、本記事では扱いません。


遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い

遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。両者は制度の土台や対象者が異なるため、次の比較で全体像を確認してください。

比較軸 遺族基礎年金 遺族厚生年金
制度の土台 国民年金 厚生年金保険
主な対象遺族 子のある配偶者または子 配偶者、子、父母、孫、祖父母のうち優先順位の高い人
子がいない配偶者 原則対象外 条件により対象となる場合がある
亡くなった方の加入状況 国民年金の被保険者等の要件 厚生年金保険の被保険者等の要件
年金額の基本 定額部分+子の加算 亡くなった方の報酬比例部分等を基礎に計算
両方の関係 条件を満たせば遺族厚生年金とあわせて受給可能 遺族基礎年金の対象者はあわせて受給できる場合がある

この比較表は、制度の全要件を示すものではなく、「どちらを確認すべきか」を判断するための入口として使ってください。亡くなった方に厚生年金の加入歴がある場合は、遺族厚生年金についても確認することをおすすめします。遺族厚生年金の詳細な要件や年金額の計算方法は、別記事で扱います。


遺族年金生活者支援給付金について

遺族基礎年金を受給し、所得等の要件を満たす人には、遺族年金生活者支援給付金が支給される場合があります。

  • 2026年度の給付基準額:月5,620円
  • 2人以上の子が遺族基礎年金を受け取る場合は、給付額を子の人数で割ります

これは遺族基礎年金とは別の制度です。詳しい要件や請求方法は、公式情報で確認してください。


2028年4月に予定されている見直し

現行制度では、子に生計を同じくする父または母がいる場合、一定の場合に子の遺族基礎年金が支給停止となります。

2025年に成立した年金制度改正法により、遺族基礎年金の受給権を持たない父母と生計を同じくすることを理由とする子への支給停止規定が見直されることになりました。施行が予定されているのは2028年4月です。

この記事で説明している内容は、現行制度に基づくものです。「2028年からすべての子が受け取れるようになる」といった理解は正確ではありません。施行前後での実際の取り扱いは、その時点の公式情報で確認してください。


請求前に確認すること

遺族基礎年金は、原則として請求手続きが必要です。市区町村へ死亡届を提出しただけでは、自動的に支給されるわけではありません。

また、次の手続きは、それぞれ別の手続きです。

  • 年金受給権者死亡届(年金を受けていた方が亡くなった場合の手続き)
  • 未支給年金の請求
  • 遺族基礎年金・遺族厚生年金など遺族年金の請求

提出先は、死亡時の加入状況等により、市区町村役場、年金事務所、街角の年金相談センターなどに分かれます。

相談へ行く前に、次のような内容を整理しておくと、確認がスムーズになります。

  • 亡くなった方の基礎年金番号または年金関係書類
  • 死亡日
  • 国民年金・厚生年金の加入歴
  • 配偶者と子の続柄
  • 子の生年月日、障害状態、婚姻状況
  • 同居・仕送り等の生計関係
  • すでに行った死亡後の手続き

これは必要書類の完全な一覧ではなく、相談時に確認しておきたい事項です。


判断できない場合の相談先

自分の家族が対象となるか判断できない場合は、次の相談先へ確認してください。

  • 年金事務所
  • 街角の年金相談センター
  • 住所地の市区町村役場の国民年金窓口
  • 共済組合等(該当する場合)

生計維持関係の個別認定、保険料納付要件の充足状況、実際の年金額など、記事だけでは確定できない事項は、これらの相談先で確認してください。


公式リンク


注意点

  • 亡くなった方の配偶者であれば必ず受け取れるわけではありません。子のある配偶者、または子であることが前提です。
  • 子がいない配偶者は、遺族基礎年金の対象ではありません。ただし、遺族厚生年金など別の制度の対象となる可能性があります。
  • 「18歳未満の子」ではなく「18歳になった年度の3月31日まで」が対象年齢の基準です。
  • 同居していたかどうかだけで、生計維持関係の有無が一律に決まるわけではありません。
  • 保険料の未納が一度でもあれば必ず対象外になる、というものではありません。実際の納付記録に基づく確認が必要です。
  • 亡くなった方が会社員等であった場合でも、遺族基礎年金の対象要件を満たせば、遺族厚生年金とあわせて受け取れる場合があります。
  • 死亡届を提出しただけでは、遺族基礎年金は自動的に支給されません。別途請求手続きが必要です。
  • 2028年4月に予定されている見直しは、現時点ではまだ施行されていません。現行制度の内容と混同しないようにしてください。

確認チェックリスト


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