急にめまい・ふらつきが起きたときに対応する
概要
急に回る・揺れる・ふわふわする、あるいは立っていられないほどのふらつきを感じたとき、多くの人はまず「何が原因か」を考えようとします。しかし、めまい・ふらつきの背景には、脳卒中など、時間の経過が症状の重さに影響する病気が隠れている場合があります。
このページは、急にめまい・ふらつきが起きた本人、またはそばにいる家族・同僚・通行人など周囲の人を対象に、まず転倒を防いで安全を確保したうえで、119番を優先すべき危険サインを見逃さないための情報を整理したものです。
原因を自己判断させることを目的とせず、「今すぐ119番を優先すべきか」「危険サインが明らかでない場合にどこへ相談・受診するか」を確認できる状態まで案内します。症状が一時的に治まった場合の考え方についても扱います。
このページで分かること
- 急にめまい・ふらつきが起きたとき、まず何をして安全を確保するか
- 119番を優先すべき代表的な危険サインは何か
- 脳卒中を疑うサインをどのように確認するか
- 救急車を呼ぶときに何を伝えればよいか
- 危険サインが明らかでないとき、どこに相談できるか
- 症状が治まった場合に何を確認すべきか
対象読者
- 急に回る・揺れる・ふわふわする・立っていられない等のめまいやふらつきを感じた成人
- 本人のそばにいる家族・同僚・通行人など、周囲にいる人
- 原因は分からないが、救急車を呼ぶべきか、まず何をすべきか判断したい人
更新日
更新日:2026年9月16日
まず転ばないように安全を確保する
急にめまい・ふらつきを感じたときは、原因を考える前に、まず転倒を防ぐことを優先します。
- 立ち続けたり、その場で歩き回ったりせず、座れる場所があれば座り、横になれる場所があれば横になります。
- 転倒してもけがをしにくい、安全な場所を選びます。
- 自分で自動車やバイク、自転車などを運転しません。
- 周囲に人がいる場合は、すぐに助けを求めます。
この段階では、めまい・ふらつきの原因を詳しく考える必要はありません。安全な姿勢を確保することを最優先にしてください。
この症状があれば119番を優先する
次のような症状が一つでもある場合は、原因を自分で判断せず、119番を優先してください。
- 支えなしで立てないほど、急にふらつく
- 顔の片側がゆがむ、しびれる
- ろれつが回らない、言葉が出にくい、または相手の言葉が理解しにくい
- 突然、物が二重に見える、視野がおかしいと感じる
- 片側の腕や脚に、急な脱力やしびれがある
- 突然、これまでに経験したことがないような激しい頭痛がある
- 意識がおかしい、呼びかけへの反応が悪い
- その他、明らかに様子がおかしく、緊急性が高いと感じられる状態
これらは、脳卒中など、時間の経過が症状の重さに影響する病気を含む可能性がある症状です。この症状に当てはまることが、そのまま脳卒中の確定を意味するわけではありませんが、緊急性の高い病気を含むサインであるため、様子を見るのではなく119番を優先します。
厚生労働省は、成人がすぐに救急車を呼ぶべき症状として、支えなしで立てないほど急にふらつく場合のほか、顔半分の動かしにくさやしびれ、ろれつが回らない、突然の複視、突然の片側の腕や脚の脱力・しびれ、突然の激しい頭痛などを案内しています。
脳卒中を疑うサインを確認する
脳卒中を疑うサインには、次のような特徴があります。
- 顔の片側にゆがみやしびれが出る
- 片側の腕や脚に力が入らない、しびれる
- 言葉が出にくい、ろれつが回らない、相手の言葉が理解しにくい
- 物が二重に見える、視野の一部がおかしいなど、視覚の異常がある
- 立てない、歩けない、ふらつく
- これまでに経験したことがない激しい頭痛がある
日本脳卒中協会は、脳卒中の症状は突然生じることが特徴であるとし、片側の麻痺やしびれ、言語障害、立てない・歩けない・ふらつく、視覚異常、激しい頭痛などを挙げ、これらが疑われる場合は救急車を呼ぶよう案内しています。
特に、これらの症状が「急に」「突然」現れた場合は、脳卒中を疑う重要なサインです。急に始まった神経症状がある場合は、様子を見ずに119番を優先してください。
なお、このページは脳卒中を含む緊急性の高い症状を見逃さないための案内であり、めまい・ふらつきの原因を診断するものではありません。
救急車を呼ぶときに伝えること
119番に電話をしたら、分かる範囲で次の情報を伝えます。
- 症状がいつから始まったか
- どのような症状があるか
- 本人の持病
- 現在服用している薬
本人が話せない状態のときは、そばにいる人が分かる範囲で伝えます。
これらの情報をすべてそろえることを理由に、119番への通報を遅らせないでください。分かる範囲を伝えれば十分です。
119番か迷うとき・危険サインが明らかでないとき
前述の危険サインがはっきりしない場合でも、次のようなときは、医療機関または地域の救急相談への相談を検討してください。
- 症状が続いている、または繰り返している
- 立つ・歩くなど、日常の動作が難しい
- 原因が分からず、不安が強い
地域によっては、救急車を呼ぶべきか迷ったときの相談窓口として、#7119(救急安心センター事業)などの救急相談ダイヤルが用意されています。ただし利用できる地域や受付時間には差があるため、利用できる地域では、こうした窓口へ相談する方法があります。かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医へ相談する方法もあります。
危険サインがある場合は、こうした相談窓口よりも119番を優先してください。このページだけで「受診の必要がない」と判断することはできません。
症状が治まった場合も確認する
顔の片側のゆがみ、片側の腕や脚の脱力・しびれ、言葉の障害、視覚の異常など、脳卒中を疑う症状が一時的にでもあった場合は、症状が治まったからといって、それだけで「治った」と判断しないでください。
こうした神経症状は、一時的に現れて自然に消えることがありますが、それだけで安全とは限りません。症状が治まった場合も様子を見続けず、速やかに医療機関へ相談・受診してください。再び症状が現れている場合や、前述の危険サインがある場合は119番を優先してください。
危険サインを伴わない軽いふらつきが治まった場合も、症状が再び現れたり、続いたりするときは、あらためて相談・受診を検討してください。
やってはいけないこと
- 危険サインがあるのに、様子を見続ける
- 自分で自動車や自転車などを運転して受診する
- 「めまいは耳が原因だろう」などと自己判断で決めつける
- 処方されている薬を自己判断で増やしたり、減らしたり、中止したりする
- ふらついているのに無理に歩こうとする
チェックリスト
相談先
| 相談先 | こんなときに相談する |
|---|---|
| 119番(救急車) | 危険サインに一つでも当てはまるとき |
| 救急安心センター事業(#7119) | 危険サインが明らかでなく、119番を呼ぶべきか迷うとき(利用できる地域の場合) |
| かかりつけ医 | 継続して相談している医師がいるとき |
| 近隣の医療機関 | 症状が続く、繰り返す、または不安が強いとき |
#7119は利用できる地域や受付時間に差があります。お住まいや滞在先の地域で利用できるかどうかは、あらかじめ確認してください。
公式リンク
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」:救急車を呼ぶべき緊急性の高い症状の案内
- 総務省消防庁「救急車利用リーフレット」:救急車の呼び方や救急相談窓口の案内
- 厚生労働省「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」:脳卒中の医療体制に関する情報
- 日本脳卒中協会「脳卒中の主な症状」:脳卒中の代表的な症状の解説