適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書を提出する

概要

適格請求書発行事業者は、登録すると氏名又は名称、登録番号などが国税庁のインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトに公表されます。これとは別に、個人事業者や人格のない社団等は、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することで、主たる屋号や主たる事務所の所在地、通称、旧姓(旧氏)氏名などを任意に追加公表できます。

この申出書は、法律で決まっている公表事項(氏名・名称、法人の本店等所在地など)を変更するためのものではありません。任意に追加できる公表事項について、新たに公表する、内容を変更する、公表をやめる、のいずれかを行うための書類です。

この記事では、自分がこの申出書の対象かどうかの確認方法から、公表したい内容ごとの手続き、e-Taxまたは書面での提出方法、提出後に確認することまでを案内します。

このページで分かること

  • 自分がこの申出書の対象になるかどうか
  • 何を新たに公表できるか、何を変更できるか
  • 既に公表している事項を公表しないようにする方法
  • 登録簿の法定公表事項を変更する「登載事項変更届出書」との違い
  • 通称・旧姓を公表する場合に準備するもの
  • e-Taxまたは書面でどのように提出するか
  • 提出後に何を確認すればよいか

対象読者

次のいずれかに該当する方が、主な対象です。

  • 適格請求書発行事業者である個人事業者で、主たる屋号を新たに公表したい、変更したい、または公表をやめたい方
  • 適格請求書発行事業者である個人事業者で、主たる事務所の所在地等を新たに公表したい、変更したい、または公表をやめたい方
  • 住民票に併記された外国人の通称を公表したい、変更したい個人事業者
  • 旧姓(旧氏)氏名を公表したい、変更したい個人事業者
  • 本店または主たる事務所の所在地を公表・変更したい人格のない社団等
  • 登録申請とあわせて、これらの事項を最初から公表しておきたい方

なお、通常の国内法人は、この申出書で屋号などを追加公表する対象ではありません。法人の名称や本店等所在地といった法定公表事項の変更を行いたい場合は、別の手続きの対象となります。

更新日

更新日:2026年10月3日

最初に確認すること

この申出書を使う前に、次の8つの点を確認します。

確認する軸 自分の状況で確認すること
1. 対象者 個人事業者か、人格のない社団等か。公表できる事項は対象者ごとに異なります
2. 申出の目的 新規公表、既存事項の変更、既存事項を公表しないことにする、のどれか
3. 公表対象 個人は主たる屋号・主たる事務所所在地等・通称・旧姓のどれか。人格のない社団等は本店又は主たる事務所所在地
4. 法定事項との境界 氏名・名称や法人の本店等所在地など、登録簿の法定公表事項の変更ではないか
5. 通称・旧姓 公表方法(氏名に代えるか併記するか)と証明資料は何か
6. 提出時期 新たに追加・変更しようとするときに提出するか、変更等の事由が生じた場合は速やかに提出するか、登録申請書とあわせて提出するか
7. 提出方法 e-Taxか書面送付か。スマートフォン等の利用は国内の個人事業者に限られる
8. 提出後 送信・発送記録を保存し、一定期間後に公表内容を確認する予定があるか

このうち4で、変更したい内容が氏名・名称や法人の本店等所在地など「登録簿の法定公表事項」に該当する場合は、この申出書の対象ではありません。「あなたの場合はこちら」で案内する別の手続きを確認してください。

公表したい内容ごとの手続

自分が公表したい内容に応じて、該当する項目を確認してください。

個人事業者が主たる屋号を公表・変更したい

個人事業者は、主たる屋号を追加公表できます。すでに公表している屋号を変更することも、公表をやめることもできます。

公表をやめたい場合は、申出書の変更後欄にその旨を記載します。

個人事業者が主たる事務所の所在地等を公表・変更したい

個人事業者は、主たる事務所の所在地等を追加公表できます。すでに公表している所在地等を変更することも、公表をやめることもできます。

主たる事務所の所在地等は、住所そのものと自動的に同じものとして扱われるわけではありません。公表したい内容は、この申出書によって個別に確定します。

個人事業者が通称を公表・変更したい

住民票に併記された外国人の通称は、公表を希望する場合に対象となります。原則として住民票の写しが関係します。

通称は、氏名に代えて公表するか、氏名と併記して公表するかを選ぶことができます。どちらを選ぶかによって記載方法が変わるため、申出書作成時に確認します。

個人事業者が旧姓(旧氏)氏名を公表・変更したい

旧姓(旧氏)氏名の公表を希望する個人事業者も対象となります。書面で提出する場合の証明資料は、現行の記載要領では住民票の写しです。通称と同様に、氏名に代えて公表するか、氏名と併記して公表するかを選びます。e-Taxで提出する場合は、住民票の写しの添付を省略できます。

住民票に旧姓を併記できない特殊ケースについては、「申出書を作成する」および「必要なもの」の該当箇所を確認してください。

人格のない社団等が本店又は主たる事務所の所在地を公表・変更したい

人格のない社団等は、本店または主たる事務所の所在地を公表できます。すでに公表している所在地を変更することも、公表をやめることもできます。

既に公表している事項を公表しないことにしたい

主たる屋号、主たる事務所の所在地等、通称、旧姓(旧氏)氏名、人格のない社団等の所在地のいずれについても、今後公表しないようにすることができます。

この場合は、対象の事項を選び、申出書の変更後欄に公表しない旨を記載します。公表をやめるために、登録そのものを取り消す必要はありません。

氏名・名称や法人の本店等所在地など法定公表事項が変わった

氏名・名称、法人の本店等所在地など、法律で定められた公表事項が変わった場合は、この申出書の対象ではありません。

この場合は、登録簿の記載事項変更に関する届出手続きの対象になります。「あなたの場合はこちら」を確認してください。

期限・いつまでに

国税庁ホームページでの公表事項を、新たに追加する、または変更しようとするときに提出します。国税庁の現行案内では、変更等の事由が生じた場合は速やかに提出する扱いも示されています。

登録申請書とあわせて提出することもできます。

「変更後○日以内」といった全国共通の固定日数は示されていません。必要な内容を確認できたら、先延ばしせず提出してください。

登録申請と公表申出を同時に提出すると、申出内容を反映した状態で公表されます。別々に提出した場合は、公表申出事項がない状態での公表が先に行われることがあります。登録当初から通称・旧姓等での公表を希望する方は、この点を意識して提出時期を検討してください。

手続きの流れ

  1. 対象と目的を確認する:自分が対象者であるか、新規公表・変更・非公表化のどれを行うかを確認します。
  2. 必要事項を準備する:申出書に記載する事項と、通称・旧姓の場合は証明資料を確認します。
  3. 申出書を作成する:現行の申出書・記載要領に沿って、必要事項を記載します。
  4. e-Taxまたは書面で提出する:登録申請とあわせて提出するか、単独で提出するかを決めて提出します。
  5. 送信結果・提出記録を保管する:e-Taxの場合は送信結果等を、書面の場合は発送・提出記録を保管します。
  6. 公表サイトで反映を確認する:一定期間後、公表サイトで希望した内容が反映されているかを確認します。

申出書を作成する

提出方法にはe-Taxと書面送付があります。作成前に、次の4つの軸で違いを確認してください。

比較する軸 e-Tax 書面送付
主な利用者 電子で提出する対象者 紙で提出する対象者
主な準備 e-Tax利用環境、登録番号、公表内容、必要な確認情報 現行の申出書、登録番号、公表内容、必要に応じ証明資料
提出先 e-Tax 納税地を管轄するインボイス登録センター
提出後 送信結果等を保存する 発送・提出記録を保存する

どちらの方法でも、申出書には少なくとも次の事項を記載します。

  • 納税地
  • 氏名又は名称・代表者氏名
  • 登録番号
  • 新たに公表する事項
  • 変更年月日(既に公表している事項を変更する場合)
  • 変更事項
  • 変更前
  • 変更後
  • 公表しないこととする場合の記載
  • 通称・旧姓を公表する場合の「氏名に代えて公表」または「氏名と併記して公表」の選択
  • 国外事業者の場合の、氏名又は名称等の日本語(カナ)・英語(ローマ字)表記

この記事では、様式のすべての欄を逐語的には解説していません。実際に記載する際は、現行の申出書・記載要領を確認してください。

この申出により、登録番号が変更されることはありません。

なお、常用漢字等を使用して公表されるため、申出書に記載した文字と、実際に公表される文字が異なる場合があります。個々の文字がどの字体へ変換されるかは、この記事では断定しません。

e-Taxで提出する

e-Taxでは、申出書を作成し、そのまま送信して提出できます。

主な準備は、e-Taxを利用できる環境、登録番号、公表したい内容、必要な確認情報です。

提出先はe-Taxです。提出後は、送信結果等を保管します。

通称または旧姓(旧氏)氏名を公表する場合、書面提出では住民票の写しを添付します。e-Taxで提出する場合は、住民票の写しの添付を省略できます。

ただし、住民票に旧姓を併記できない特殊ケースで戸籍謄本を使用する場合は、e-Taxで申出書を提出していても、戸籍謄本については納税地を管轄するインボイス登録センターへ郵送する必要があるとされています。「e-Taxなら添付資料の郵送が一切不要」ではありません。

e-Taxソフト(WEB版)をスマートフォンやタブレットから利用できるのは、国内事業者である個人事業者に限られます。法人等まで利用できるとは案内していません。

書面で提出する

書面で提出する場合は、現行の申出書に必要事項を記載し、必要に応じて証明資料を添付して郵送します。

主な準備は、現行の申出書、登録番号、公表したい内容、必要に応じた証明資料です。

提出先は、納税地を管轄するインボイス登録センターです。所轄税務署ではありません。

提出後は、発送・提出記録を保管します。

提出後に確認すること

  • e-Taxの場合は送信結果等、書面の場合は発送・提出記録を保管しているか
  • 公表事項の反映には一定期間を要するため、すぐに公表サイトへ反映されるとは限らないこと
  • 一定期間後、公表サイトで希望した内容が反映されているかを確認すること
  • 常用漢字等の使用により、申出書に記載した文字と公表される文字が異なる場合があること
  • 反映内容に疑問がある場合は、相談先へ確認すること

提出すれば必ずすぐに公表サイトが更新されるわけではありません。反映まで一定期間を要することを前提に確認してください。

状況別

すでに登録済みで、新たに公表したい場合

すでに適格請求書発行事業者として登録済みの場合は、この申出書を単独で提出します。対象事項を選び、必要事項を記載して、e-Taxまたは書面で提出します。

登録申請とあわせて公表申出も行いたい場合

登録申請とあわせて、この申出書を提出できます。同時に提出すると、申出内容を反映した状態で公表されます。登録当初から通称・旧姓等の公表を希望する場合は、別々に提出するより、同時提出を検討してください。

通称・旧姓を公表したいが、氏名に代えるか併記するか迷う場合

通称・旧姓の公表では、氏名に代えて公表するか、氏名と併記して公表するかを選びます。どちらを選ぶかによって申出書の記載方法が変わります。判断できない場合は、記載要領を確認するか、相談先へ確認してください。

住民票に旧姓を併記できない特殊ケースに該当する場合

住民基本台帳法令上、やむを得ず住民票に旧姓を併記できない場合には、戸籍謄本を添付して旧姓での公表が可能となる取扱いがあります。

この特殊ケースへの該当性や必要な手順は、この記事では一般化しません。国税庁の現行FAQで確認してください。この場合、e-Taxで申出書を提出していても、戸籍謄本については管轄のインボイス登録センターへの郵送が必要になることがあります。

通常の法人で、屋号などを追加公表したい場合

通常の国内法人は、この申出書で屋号等を追加公表する対象ではありません。この記事の対象ではないため、公表を希望する内容について、別途確認が必要です。

任意公表事項を追加・変更・非公表化する意思がない場合

任意の公表事項について、追加・変更・非公表化を希望しない場合は、この申出書の提出は不要です。読者は、この手続きに対応する必要はありません。

よくある間違い

  1. 屋号は登録すれば自動的に公表されると思い込む
  2. 公表申出書を提出しないとインボイス登録自体ができないと思い込む
  3. 氏名・名称など法定公表事項の変更にもこの申出書を使ってしまう
  4. 通常の法人も屋号をこの申出書で追加公表できると思い込む
  5. 個人事業者の主たる事務所所在地等と住所を、無条件に同じものとして扱う
  6. 通称・旧姓なら任意の呼び名を自由に公表できると思い込む
  7. 通称・旧姓の証明資料を確認しないまま提出しようとする
  8. e-Taxなら旧姓の特殊ケースでも戸籍謄本の郵送が不要だと思い込む
  9. 既に公表している事項をやめる方法がないと思い込む
  10. 登録申請と公表申出を別々に出しても、公表当初から必ず追加事項が反映されると思い込む
  11. 郵送先を所轄税務署だと決めつける
  12. 古い申出書様式を使ってしまう
  13. 提出直後に公表サイトが必ず更新されると思い込む
  14. 申出書に記載した文字がそのまま同じ字体で公表されると決めつける

必要なもの

全国共通で必要なもの

  • 現行の申出書(e-Taxの場合は入力内容、書面の場合は現物)
  • 登録番号
  • 納税地、氏名又は名称・代表者氏名などの基本情報
  • 公表したい内容(新規公表・変更・非公表化のいずれか)

通称・旧姓を公表する場合に必要なもの

  • 通称を公表する場合:住民票の写し
  • 旧姓(旧氏)氏名を公表する場合:住民票の写し(e-Tax提出では添付省略可)
  • e-Taxで提出する場合:上記の添付を省略できます
  • 氏名に代えて公表するか、氏名と併記して公表するかの選択

住民票に旧姓を併記できない特殊ケースで必要なもの

  • 戸籍謄本
  • 該当性についての国税庁現行FAQによる確認

必要書類は、対象事項や提出方法によって異なります。このリストは主なものであり、すべてを網羅した完全な一覧ではありません。個別に不明な点は、相談先へ確認してください。

相談先

  1. まず、申出書の記載内容や証明資料について不明な点があれば、現行の記載要領を確認します。
  2. 申出書・届出書の記載方法や制度の一般的な質問は、インボイスコールセンター(インボイス制度電話相談センター)で確認できます。
  3. 登録番号の確認、提出済みの申請書等の処理状況、提出した申請書等の記載誤りについては、納税地を管轄するインボイス登録センターへ確認します。インボイス登録センターでは、制度に関する一般的な相談・質問は受け付けていません。
  4. 個別の事実関係に即した税務相談が必要な場合は、所轄税務署へ相談します。e-Taxの操作方法については、e-Tax・作成コーナーヘルプデスクを利用できます。

相談する際は、登録番号や、公表したい具体的な事項を手元に用意しておくと、確認がスムーズになります。

公式リンク

注意点

  • この申出書は、任意に追加できる公表事項を扱う手続きです。氏名・名称や法人の本店等所在地といった法定公表事項の変更には使用しません。
  • 通常の国内法人は、この申出書で屋号等を追加公表する対象ではありません。
  • 個人事業者の主たる事務所所在地等は、住所そのものと自動的に同じものとして扱われるわけではありません。
  • 通称・旧姓の公表では、自由な呼び名を選べるわけではありません。書面提出では、通称・旧姓(旧氏)氏名の証明資料として住民票の写しを確認します。
  • e-Taxで提出する場合は住民票の写しの添付を省略できますが、住民票に旧姓を併記できない特殊ケースで戸籍謄本を使用する場合は、郵送が必要になることがあります。
  • 提出してもすぐに公表サイトへ反映されるとは限りません。反映には一定期間を要します。
  • 常用漢字等の使用により、申出書に記載した文字と実際に公表される文字が異なる場合があります。
  • この申出により、登録番号が変更されることはありません。
  • 郵送先は、所轄税務署ではなく、納税地を管轄するインボイス登録センターです。

チェックリスト

あなたの場合はこちら

  • 適格請求書発行事業者としての登録を受けたい場合は、「適格請求書発行事業者の登録申請をする」を確認してください。この申出書は、登録申請とあわせて提出することもできます。
  • 氏名・名称や法人の本店等所在地など、登録簿の法定公表事項を変更したい場合は、この申出書の対象ではありません。「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書を提出する」を確認してください。
  • 適格請求書発行事業者の登録をやめたい場合は、この申出書の対象ではありません。「適格請求書発行事業者の登録を取りやめる」を確認してください。
  • 通称・旧姓を住民票へ併記する方法そのものを知りたい場合は、この記事の対象ではありません。市区町村の該当手続きを確認してください。
  • 住民票に旧姓を併記できない特殊ケースに該当するかどうかを知りたい場合は、国税庁の現行FAQと必要書類を確認してください。

この前に確認する

まだ適格請求書発行事業者としての登録を受けていない場合は、先に「適格請求書発行事業者の登録申請をする」を確認してください。登録申請とこの申出書をあわせて提出すると、登録当初から希望する内容を公表した状態にできます。別々に提出すると、公表申出事項がない状態での公表が先に行われることがあるため、登録前の段階でこの申出書の内容もあわせて準備しておくと、手続きがスムーズになります。

すでに登録を受けている場合は、この確認は不要です。「最初に確認すること」から読み進めてください。