所得税の予定納税額を減額申請する

更新日:2026年10月5日

概要

予定納税額の通知を受けた人のうち、本年の所得や税額が前年より少なくなる見込みがある場合、所定の期間内に「予定納税額の減額申請」を行うことで、予定納税額を実際の見込みに近づけられる場合があります。

減額申請は、払いたくないから金額を下げる手続ではありません。本年の年間税額見込みを改めて計算し、その見込みに基づいて予定納税額の減額を求める手続です。

申請書を提出しただけで自動的に金額が変わるわけではなく、税務署が内容を審査したうえで、承認・一部承認・却下のいずれかを決定します。このページでは、対象になり得るか確認するところから、申請書の準備、提出方法の選択、提出後の結果確認までを順に案内します。

このページで分かること

  • 自分が減額申請を検討できる状態かどうか
  • 今が7月申請・11月申請・申請期間外のどれに当たるか
  • 7月申請と11月申請で何が違うか
  • 申告納税見積額とは何か、何を基に計算するか
  • 減額申請書を作成する前に集める資料
  • e-Tax・持参・送付、それぞれの提出方法の特徴
  • 提出後に何を確認すればよいか
  • 税務署の審査結果(承認・一部承認・却下)ごとの次の行動
  • 申請期間を過ぎてしまった場合にどうするか

最初に確認する

減額申請の手続を進める前に、次の3点を確認します。

  1. 自分が予定納税の対象者であること(税務署から予定納税額の通知を受けていること)
  2. 現在が7月申請・11月申請・申請期間外のどこに当たるか
  3. 本年の申告納税見積額が、基準となる額より少なくなる見込みがあるか

この3点が確認できないうちは、申請書の作成に進む前に、以降の案内を順番に確認してください。

まず、7月申請・11月申請・期間外を確認する

減額申請には、7月に行う申請と11月に行う申請の2種類があり、それぞれ対象となる予定納税と提出期間が異なります。まず、自分が今どの立場にあるかを確認します。

7月1日~7月15日の申請期間内の場合

6月30日時点の現況で申告納税見積額を計算し、第1期分・第2期分の両方について減額申請を検討します。

11月1日~11月15日の申請期間内の場合

10月31日時点の現況で申告納税見積額を計算し、第2期分のみについて減額申請を検討します。すでに7月の申請で減額が承認されている場合は、その承認に係る申告納税見積額よりさらに少なくなる見込みかどうかを確認します。

上記いずれの申請期間にも当たらない場合

このページの案内だけで「今からでも同じ減額申請ができる」とは判断できません。期限後の取扱いについては所轄税務署へ確認するとともに、現在の予定納税額や納付状況もあわせて確認してください(詳しくは「申請期間を過ぎた場合」を参照)。

なお、提出期限が土曜日・日曜日・祝日等に当たる場合は、その翌日が期限として扱われます。

減額申請できる主なケース

本年分の申告納税見積額が基準となる額より少なくなると見込まれる主な例は、次のとおりです。

  • 廃業、休業、失業をした
  • 業況不振などにより本年分の所得が前年より明らかに少なくなりそうである
  • 災害、盗難、横領により事業用資産や山林等に損害を受けた(雑損控除の増加を含む)
  • 医療費控除が新たに適用される、または増える見込みである
  • 配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除等が新たに適用される、または対象者が増える見込みである
  • 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除等が増える見込みである
  • 寄附金控除が適用される見込みである
  • 住宅借入金等特別控除等の税額控除が新たに適用される、または増える見込みである
  • その他、特殊な事情により減額が認められる可能性がある

上記の例に当てはまらない場合であっても、一律に「申請できない」とは限りません。自分の事情が対象になり得るか判断がつかないときは、所轄税務署へ確認してください。

減額申請の対象になるか確認する

減額申請は、本年分の申告納税見積額が、予定納税額の計算の基礎となった額より少なくなると見込まれる場合に検討します。売上や所得が減った、あるいは控除が増えたという事実だけで自動的に減額されるわけではなく、その事情を踏まえて申告納税見積額を計算し、基準となる額と比べる必要があります。

対象になり得るかどうかの判断に迷う場合は、「申告納税見積額とは」および「減額申請できる主なケース」を確認したうえで、必要に応じて税務署または税理士等へ相談してください。

申告納税見積額とは

申告納税見積額とは、本年の年間所得、所得控除、税額控除等を見積もって計算する、所得税及び復興特別所得税の見込み額のことです。

このページでは、個別の税額計算は行いません。読者自身が、少なくとも次の資料を基に見積額を計算する必要があります。

  • 本年の収入・売上・所得の状況が分かる資料
  • 必要経費等が分かる帳簿・資料
  • 所得控除に関する資料
  • 税額控除に関する資料
  • 災害等の事情がある場合はその事実を示す資料
  • 税務署から届いた予定納税額の通知書
  • 本年分の減額申請書・記載要領・税額表等

次のいずれかに当てはまる場合は、自己判断で計算を進めず、税務署または税理士等へ確認してください。

  • 申告納税見積額の計算方法が分からない
  • 所得区分が複数ある
  • 譲渡・株式・不動産等の複雑な所得がある
  • 特殊な税額計算がある
  • 高額所得者に対する負担適正化措置の適用が見込まれる
  • どの控除を見積計算へ含めるか判断できない
  • 7月申請後に事情が再度変化した
  • 期限後に申請の可否を確認したい

7月申請と11月申請の違い

比較軸 7月の減額申請 11月の減額申請
対象となる予定納税 第1期分・第2期分 第2期分
現況の基準日 6月30日 10月31日
原則の提出期間 7月1日~7月15日 11月1日~11月15日
主な判断基準 本年分の申告納税見積額が予定納税基準額より少なくなる見込み 本年分の申告納税見積額が基準となる額よりさらに少なくなる見込み等

7月にすでに減額が承認されている場合は、11月申請ではその承認に係る申告納税見積額と比べて、さらに少なくなる見込みかどうかを確認します。

期限・いつまでに

  • 第1期分・第2期分を減額申請する場合:7月1日~7月15日
  • 第2期分のみを減額申請する場合:11月1日~11月15日
  • 上記の期限が土曜日・日曜日・祝日等に当たる場合:その翌日

本年分の具体的な期限

  • 7月の減額申請:2026年7月15日(水)まで
  • 11月の減額申請:原則は11月15日ですが、2026年11月15日は日曜日に当たるため、翌日の2026年11月16日(月)が期限となります。

期限は毎年必ず7月15日・11月15日というわけではなく、曜日や祝日により翌日にずれる年があります。

減額申請の提出期限と、予定納税そのものの納期限は別のものです。予定納税の納期限までに減額申請すればよいわけではなく、減額申請には、予定納税の納期限より前に、独自の提出期限が定められています。両者を混同しないよう注意してください。

最初にやること

まず、予定納税額の通知書と、本年の所得・控除・税額控除を見積もるための資料をそろえ、7月申請か11月申請かを確認します。

申請書のダウンロードや作成から始めるのではなく、次の順番で進めます。

  1. 予定納税額の通知内容を確認する
  2. 今が7月申請・11月申請・期間外のどれに当たるか確認する
  3. 本年の所得・控除等の見積もりに必要な資料を集める

必要なもの

減額申請書を作成する前に、少なくとも次を整理します。

  • 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書
  • 予定納税額の通知書等、現在の予定納税額が分かるもの
  • 申告納税見積額の計算に使う収入・所得・必要経費等の資料
  • 所得控除・税額控除に関する資料
  • 申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類
  • e-Taxで提出する場合は、利用環境や利用者識別番号等

申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類の提出が必要です。「添付書類は原則不要」ということではありません。何を添付するかは個別の事情により異なるため、次の確認軸で整理してください。

  • 所得減少の根拠を示す資料はあるか
  • 控除増加の根拠を示す資料はあるか
  • 災害等の事情がある場合、その根拠を示す資料はあるか

減額申請書を作成する

必要な資料がそろい、申告納税見積額の計算ができたら、所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書を作成します。

申請書には、本年分の申告納税見積額の計算根拠となる事実を記載します。申請書を作成した時点では、まだ提出も受付も完了していません。作成後は、次の「提出方法を選ぶ」に進んでください。

e-Tax・持参・送付から提出方法を選ぶ

減額申請書は、次の3つの方法のいずれかで提出できます。e-Taxでしか申請できないわけではなく、書面での提出も可能です。どの方法にするかは、次の比較を参考に、自分の状況に合わせて選んでください。優劣を示すものではありません。

比較軸 e-Tax 持参 送付
申請書の作成・提出 電子 書面 書面
税務署へ行く必要 原則なし あり なし
事前準備 e-Tax利用環境等 書面の作成 書面の作成・送付準備
提出記録の確認 e-Tax上の送信・受付情報 手元の控え等 送付記録等
向いている状況 オンラインで完結させたい 直接窓口へ提出したい 来署せずに書面で提出したい

e-Taxで提出する

  • パソコンからe-Taxソフトを使って申請書を作成し、そのまま送信できます。
  • e-Taxを初めて利用する場合は、利用者識別番号の取得等の事前準備が必要です。
  • 電子交付を希望している場合は、承認通知書等をe-Tax上で受け取れる場合があります。
  • 送信した時点で承認が確定するわけではありません。送信済みであることと、受付が確認できたことは別の状態として区別してください。

税務署へ持参する

  • 書面で申請書を作成し、納税地を所轄する税務署へ持参して提出します。
  • 窓口の受付時間等は、最新の公式案内で確認してください。
  • 閉庁日には窓口での受付は行われません。

税務署へ送付する

  • 作成した書面を、納税地を所轄する税務署へ送付して提出できます。
  • 提出期限直前に送付する場合、提出日がどのように扱われるかを自己判断せず、最新の公式案内で確認してください。
  • 必要に応じて、送付した事実を後から確認できる記録(控え等)を残しておくと安心です。

提出後に受付・提出記録を確認する

申請書を作成し、提出操作・発送・持参を終えただけでは、まだ手続は完了していません。次の状態を区別して確認してください。

  1. 申請書を作成した
  2. 提出操作・発送・持参をした
  3. 税務署へ提出されたことを確認した
  4. 税務署の審査結果を受け取った
  5. 決定後の予定納税額を確認した

e-Taxで送信した場合は、送信結果だけでなく、e-Tax上で受付が確認できているかもあわせて確認します。送付した場合は、必要に応じて送付記録を保管し、後から提出の事実を確認できるようにしておきます。

税務署の審査結果を確認する

減額申請書を提出すると、税務署が内容を審査し、次のいずれかを決定します。

  • 承認
  • 一部承認
  • 却下

申請書を提出しただけで、申請額どおりに自動的に予定納税額が変わるわけではありません。決定通知が届いたら、内容を確認したうえで、次の納付行動へ進んでください。

承認された場合

申請どおりに承認された場合は、通知された決定内容に基づいて、減額後の予定納税額・納付額を確認します。

一部承認された場合

申請した金額のとおりに認められるとは限りません。一部だけが承認される場合があります。「減額された=申請額どおり」とは考えず、通知された決定内容を確認してください。

却下された場合

却下された場合は、通知内容と現在の予定納税額を確認し、必要な納付行動へ進みます。決定に不服がある場合の不服申立て制度もありますが、詳しい手続はこのページでは扱いません。所轄税務署または税理士等へ確認してください。

いずれの決定であっても、「申請後は納付不要」とは限りません。納付の要否・金額・期限は、届いた通知や税務署の決定、現在の納付状況に基づいて確認してください。

状況別

自分の状況に近いものを確認してください。

廃業・休業した

  • 確認すること:本年の所得が前年より減る見込みがあるか、6月30日または10月31日時点の現況、現在の申請期間
  • 行動:申告納税見積額を計算し、該当する申請期間内であれば減額申請を検討します。

失業した

  • 確認すること:年間所得の見込み、予定納税通知額、控除等の変化
  • 行動:年間税額見込みが基準となる額より少なくなるか確認します。

売上・事業所得が大きく減った

  • 確認すること:本年の売上・経費・所得の見込み、前年との違い
  • 行動:帳簿等を基に申告納税見積額を計算します。

医療費が増えた

  • 確認すること:医療費控除の見込額、本年分の申告納税見積額への影響
  • 行動:控除の増加を反映して見積額を確認します。

扶養親族等が増えた

  • 確認すること:適用可能な所得控除、本年分の要件を満たすか
  • 行動:該当する控除を見積計算へ反映します。

災害・盗難等の損害があった

  • 確認すること:損害の内容、雑損控除等の適用可能性、計算根拠となる資料
  • 行動:根拠資料を整理し、必要に応じて税務署へ確認します。

7月の申請期限を過ぎた

  • 確認すること:第1期分の納付状況、11月申請の対象になり得るか、現在の予定納税額
  • 行動:7月分を期限後に申請できると自己判断せず、所轄税務署へ確認します。11月時点で第2期分の減額申請要件を満たす場合は、11月申請を検討します。

7月に減額承認を受けた後、さらに所得が減った

  • 確認すること:10月31日時点の現況、7月の承認に係る申告納税見積額、新しい申告納税見積額
  • 行動:11月の第2期分減額申請を検討します。

e-Taxで送信した

  • 確認すること:送信操作だけで終えていないか、受付が確認できているか、電子交付を希望している場合は通知の確認先
  • 行動:e-Tax上の送信・受付状況を確認し、結果通知もあわせて確認します。

書面を送付した

  • 確認すること:送付先が所轄税務署であるか、期限内提出として扱われるか、送付記録が残っているか
  • 行動:必要に応じて送付記録を保管し、結果通知を確認します。

申請期間を過ぎた場合

7月・11月いずれの申請期間にも当たらない場合、このページの案内だけで「今からでも期限後申請ができる」とは判断しません。まず次を確認してください。

  • 所轄税務署へ、期限後の取扱いについて確認する
  • 現在の予定納税額、納付期限、納付状況を確認する

期限後は絶対に何もできないとは限りませんが、自己判断で進めず、税務署への確認を最初の行動としてください。

相談先

相談する際は、次の内容を整理しておくとスムーズです。

  • 予定納税額の通知内容
  • 7月申請か11月申請か
  • 本年の所得が減る事情
  • 控除が増える事情
  • 申告納税見積額の計算状況
  • 期限内か期限後か
  • すでに提出したかどうか
  • 7月に減額承認を受けているか

提出先は、納税地を所轄する税務署長です。所轄税務署は、国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」で確認できます。

公式情報

注意点

  • 申告納税見積額が基準となる額より少なくなる見込みがあるからといって、必ず減額が認められるとは限りません。税務署の審査を経て決定されます。
  • 申請書を提出しただけでは、予定納税を払わなくてよいことにはなりません。決定通知を確認するまでは、現在の予定納税額に基づく納付を前提に考えてください。
  • 減額申請期限と予定納税の納期限は別のものです。納期限までに申請すればよいわけではありません。
  • 提出期限は毎年必ず7月15日・11月15日というわけではなく、曜日や祝日により翌日にずれる場合があります。
  • 添付書類は不要ではありません。申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類が必要です。
  • e-Taxのほか、書面の持参・送付でも提出できます。e-Taxでしか申請できないわけではありません。
  • 税務署の窓口へ行かなくても、送付やe-Taxで提出できる場合があります。
  • 申請書を作成した時点、送信した時点は、いずれも手続の完了を意味しません。提出・受付の確認、そして税務署の決定通知の確認まで行ってください。
  • 本年分の税制改正における基礎控除の見直しについて、国税庁は、減額申請の申告納税見積額の計算上は考慮しないと案内しています。この点は本年分に固有の注意点です。
  • 減額申請は、年間の所得税額を最終的に確定させる手続ではありません。最終的な年間所得税額は、確定申告で精算されます。

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