断水したときに対応する
概要
自宅や建物、地域で急に水道が使えなくなると、まず何をすればよいか分からず不安になります。この記事では、断水に気づいた直後に安全を確保したうえで、飲料水・トイレ・生活用水を確保しながら、水道事業者や自治体などの案内を確認し、復旧までの生活をつないでいく方法を案内します。
対象となるのは、蛇口から急に水が出なくなった方、災害・水道管の事故・工事などで断水している方、集合住宅で建物全体または一部の水が出ない方、断水がいつまで続くか分からず飲み水やトイレに困っている方、そして断水が復旧したもののすぐ通常どおり使ってよいか迷っている方です。
この記事では、断水に気づいた直後の初動から、飲料水の確保、応急給水の利用、トイレの安全な扱い、衛生の保ち方、集合住宅特有の事情、復旧情報の確認、復旧後に確認すべきことまでを扱います。断水の原因の技術的な診断や、宅内配管の修理、給水装置のDIY修理、大規模災害全体の避難判断などは、この記事の主目的の外にあるため、必要な場合は水道事業者・自治体・管理会社・機器メーカーなどの案内へ橋渡しします。
この記事を読むことで、飲料水の確保方法を決め、トイレを無理に流さず安全な代替を取り、地域の断水・給水・復旧情報を確認し、復旧まで水の使用優先順位を決め、復旧後は異常がないことを確認してから使用を再開できる状態を目指します。
このページで分かること
- 断水に気づいた直後にまず行うべきこと
- 断水の範囲・原因を確認する先
- 飲料水を確保する目安と考え方
- 応急給水を利用するときに確認すべきこと
- トイレを流してよいかどうかの判断の仕方
- 携帯トイレ・簡易トイレの基本的な使い方
- 水を使わない手洗い・衛生の保ち方
- 調理や食事で水を節約する考え方
- 集合住宅で水が出ない場合に確認すべきこと
- 断水中に避けたほうがよい行動
- 復旧情報を確認する方法
- 水道が復旧したあとに確認すべきこと
- 相談先と公式情報の確認先
対象読者
次のいずれかに当てはまる方を対象としています。
- 蛇口から急に水が出なくなった方
- 災害・水道管の事故・工事などで断水している方
- 集合住宅で建物全体または一部が断水している方
- 断水がいつまで続くか分からず、飲み水やトイレに困っている方
- 断水が復旧したが、すぐ通常どおり使ってよいか迷っている方
更新日
更新日:2026年9月6日
まず行うこと
断水に気づいたら、次の順番で確認します。
- 命に危険がある災害の状況であれば、断水への対応より避難などを優先します。
- 手元にある飲料水の量を確認します。
- 災害に伴う断水では、下水道などの安全が確認できるまでトイレを流さないようにします。
- 水道事業者・自治体・建物の管理会社などが出している情報を確認します。
- 復旧までの水の使い方を決めます。
限られた水を使う順番を決める
断水中は、限られた水をどの用途から使うかを決めておくと、行動に迷いにくくなります。ここでは、全国で必ず同じ順序になるという意味ではなく、一つの考え方として次の優先順位を示します。
- 最優先:飲用や、必要な調理に使う水
- 次に優先:服薬、乳児のミルク、要配慮者などに必要な水
- トイレ:飲料水をトイレを流す用途に優先して使わず、携帯トイレなどで代替できる場合は代替します
- 清潔保持:ウェットティッシュや消毒液、ドライシャンプーなどで、洗う水の使用量を減らします
- 洗濯・入浴など:復旧の見込みと手元の水の量を見ながら後回しにします
断水の範囲と原因を確認する
「自宅だけ水が出ないから水道局の断水だ」と決めつけず、次の確認先へ状況を確認します。
- 地域の水道事業者
- 自治体
- 集合住宅の場合は管理会社・管理組合・建物管理者
確認するときは、次の点を軸にします。
- 自宅だけで起きているのか、建物全体で起きているのか、地域全体で起きているのか
- 断水なのか、濁水なのか、水圧の低下なのか
- 復旧の見込み
- 応急給水が実施されているかどうか
これらは地域や状況によって原因が異なるため、この記事だけで原因を特定しようとせず、確認先へ状況を伝えて確認してください。
飲料水を確保する
飲料水の確保は、断水中の最優先事項の一つです。
- 1人1日3リットルを、飲料水を確保する一つの目安として考えます。
- ただし、この目安は「必ず3日で復旧する」という意味ではありません。
- 乳児がいる、服薬している、介護が必要な家族がいる、ペットがいるなど、必要な水の量が変わる事情がある場合は、目安の量とは別に必要な分を考えます。具体的な必要量は、それぞれの事情に応じて確認してください。
- 出所や水質が分からない水は、安全だと推測して飲用しないでください。
応急給水を利用する
災害や大規模な断水では、自治体や水道事業者が応急給水を行う場合があります。
- 給水の場所、開設時刻、利用対象は、自治体・水道事業者ごとに異なります。地域の案内で確認してください。
- 給水所へ行く場合は、水を入れる容器が必要かどうかを事前に確認してください。容器の持参が必要かどうかは、地域によって異なります。
- 水は重いため、無理のない運搬方法をあらかじめ考えておくと安心です。台車などがあれば活用できます。
- 1人あたりの給水量に上限があるかどうか、車で行けるかどうかなどのアクセス条件も、地域によって異なるため、あわせて確認してください。
- 高齢者や障害のある方などへの個別の給水支援制度がある地域もありますが、制度の有無や内容は自治体によって差があるため、全国共通の制度として決めつけず、地域の案内で確認してください。
トイレは流してよいか確認する
この項目は、断水対応のなかでも特に注意が必要な内容です。
災害に伴う断水では、下水道などの安全が確認できるまで、トイレを無理に流さないでください。手元に水があることと、流しても安全であることは別の話です。安全が確認できるまでは、携帯トイレや簡易トイレなど、水を流さない方法を優先してください。
集合住宅では、建物側の排水設備に制限が出ている場合があります。管理会社・管理組合・建物管理者の案内も併せて確認してください。
携帯トイレ・簡易トイレを使う
トイレを流せない、または流してよいか分からない間は、携帯トイレや簡易トイレを使用します。
- 一般的には、便器などに設置して使用します。
- 使用後の処理・保管・処分の方法は、自治体の案内に従ってください。「必ず燃えるごみとして出せる」といった扱いは、地域によって異なるため、この記事では前提としません。
手洗い・衛生を保つ
断水中は、水を使わずに衛生を保つ工夫が役立ちます。
- ウェットティッシュ
- 手指消毒液
- 体拭きシート
- ドライシャンプー
これらを組み合わせて、手洗いや体を清潔に保つための水の使用量を減らすことができます。なお、この記事は感染症予防そのものを詳しく説明するものではなく、断水中の衛生を保つための基本的な工夫を紹介するものです。
調理や食事の水を節約する
断水中は、飲用や必要な調理を優先し、それ以外の水の使用を減らします。
- 水をあまり使わない食品や調理方法を選ぶことで、水の消費を抑えられます。
- 食品衛生上の詳しい安全判定は、この記事の範囲外です。心配な点がある場合は、それぞれの専門的な案内を確認してください。
集合住宅で水が出ない場合
集合住宅では、水道本管の事故だけが断水の原因とは限りません。
- 建物の停電によって給水ポンプが動かず、水が出なくなる場合があります。受水槽を利用している建物でも同様です。
- このような場合は、管理会社・管理組合・建物管理者へ状況を確認してください。
- 建物内の受水槽の水を個人の判断で取り出すといった対応は、この記事では案内しません。必要な対応は管理会社などの案内に従ってください。
断水中に避けること
断水中は、次のような行動を避けてください。
- 下水道などの安全が確認できる前に、トイレへ水を流すこと
- 飲料水を、トイレを流す用途などへ優先的に使ってしまうこと
- 出所や水質が分からない水を飲用すること
- 給水情報を確認しないまま、重い容器を無理に運搬しようとすること
復旧情報を確認する
断水・復旧に関する情報は、次を優先して確認してください。
- 水道事業者・自治体の公式情報
- 集合住宅の場合は、建物の管理側からの案内
SNSなどの未確認の情報だけを根拠に、復旧したかどうかを判断しないでください。
水道が復旧したら確認すること
水道が復旧したときは、そのまま通常どおり使い始める前に、次を確認してください。
- 水に濁り・色・においなどの異常がないかを確認します。
- 水道事業者が使用再開の方法を案内している場合は、その案内に従ってください。地域によっては、濁りがなくなるまでしばらく水を流してから使うよう案内している事例もありますが、流す時間や量が全国で一律に決まっているわけではありません。具体的な対応は、地域の水道事業者の案内を確認してください。
- 復旧後も異常が続く場合は、水道事業者へ連絡して確認してください。
相談先
断水に関する相談は、次のような窓口へ確認します。固定の電話番号はこの記事では示しません。お住まいの地域の連絡先を確認してください。
- お住まいの地域の水道事業者
- 市区町村の防災・給水情報の窓口
- 集合住宅の場合は、管理会社・管理組合・建物管理者
公式リンク
制度や一次情報を確認できる公式情報源として、次があります。
- 国土交通省「地震対策マニュアル策定指針」(応急復旧・応急給水目標):応急給水の考え方や、災害発生からの日数に応じた給水目標の例を確認できます。
- 政府広報オンライン「被災時に水道・トイレが使えない時の対処法」:断水時の飲み水・トイレの基本的な対処法を確認できます。
- 総務省消防庁「防災リーダー育成教材」:携帯トイレの備え方や使用の考え方を確認できます。
- 政府広報オンライン「防災特集 災害に事前に備える」:携帯トイレや衛生用品の備蓄、日常備蓄の考え方を確認できます。
このほか、お住まいの地域の水道事業者・自治体の公式サイトでは、断水・給水・復旧に関する最新の地域情報を確認できます。
注意点
- 「1人1日3リットル」は、飲料水を確保するための一つの目安であり、「必ずこの日数で復旧する」という期限を示すものではありません。
- 給水所の場所・開設時刻・容器持参の要否、復旧までの時間、復旧後に水を流す時間や量などは、地域によって異なります。この記事で示した内容を全国共通の答えとして扱わず、地域の水道事業者・自治体の案内で確認してください。
- 命に危険がある災害の状況では、断水への対応より避難などの安全確保を優先してください。