災害時の避難先を確認して避難する

概要

災害が起きたとき、避難先は「近くの避難所へ行けばよい」と一律に決められるものではありません。まず自分が直面している災害の種類と、自宅・現在地の危険を確認したうえで、その災害に対応した安全な場所を選ぶことが必要です。この記事では、指定緊急避難場所と指定避難所の違い、避難先を確認する手順、状況に応じた避難先の考え方、そして避難を始めるタイミングまでを、災害種別ごとの詳細な避難手順には踏み込まずに案内します。

このページで分かること

  • 自宅・現在地で想定される災害リスクの確認方法
  • その災害に対応した安全な避難先の確認方法
  • 指定緊急避難場所と指定避難所の役割の違い
  • 自治体の最新情報・開設状況を確認する必要性
  • 災害の進行状況に応じて安全なうちに避難する考え方
  • 外への移動がかえって危険な段階での安全確保への切り替え方

対象読者

  • 災害時に「どこへ避難すればよいか」が分からない人
  • 平時に自宅周辺の避難先を確認しておきたい人
  • 避難指示等が出て、行き先を確認している人
  • 「避難場所」と「避難所」の違いが分からない人

洪水、土砂災害、津波、地震など、災害種別ごとの詳細な避難手順を知りたい場合は、それぞれの災害に対応した別記事を確認してください。この記事は、災害種別を横断して「どこへ避難するか」を判断するための記事です。

更新日

更新日:2026年9月7日

最初にやること

避難先を考える前に、まず「何の災害から避難するのか」を確認してください。

洪水、津波、土砂災害、地震など、災害の種類によって、安全な避難先は変わります。同じ場所でも、ある災害には対応していても、別の災害には対応していない場合があります。

そのため、最初にやることは次の2点です。

  1. 自分が直面している、または備えるべき災害の種類を確認する
  2. その災害に対応した安全な避難先を探す

避難先は「近い避難所」だけで決めない

避難先を選ぶとき、「とにかく近くの避難所へ行けばよい」と考えるのは適切ではありません。避難先には役割の異なる施設があり、災害の種類によって使える場所も変わるためです。

とくに混同しやすいのが「指定緊急避難場所」と「指定避難所」です。この2つは、名前は似ていますが役割が異なります。

比較軸 指定緊急避難場所 指定避難所
主な役割 災害の危険から命を守るため緊急に避難する 危険がなくなるまで・自宅へ戻れない間に滞在する
災害種別 災害種別ごとに指定される 役割が異なるため同一視しない
同じ施設になること あり得る あり得る

指定緊急避難場所は、命を守るために緊急的に避難する施設・場所で、洪水や津波など災害の種類ごとに指定されています。同じ学校や公民館であっても、すべての災害種別に対して安全とは限りません。

一方、指定避難所は、危険な状態が続く間や自宅へ戻れない間に滞在するための施設です。両者は役割が異なりますが、同じ施設がどちらも兼ねている場合はあります。

避難先を確認する流れ

避難先は、次の順序で確認してください。

  1. 自宅・現在地の危険を確認する ハザードマップ等で、自分の自宅や現在地が、想定している災害の危険区域に入っているかを確認します。
  2. 災害種別に対応する指定緊急避難場所等を確認する その災害に対応した指定緊急避難場所を、地理院地図や自治体のハザードマップで確認します。
  3. 自治体の最新情報・開設状況を確認する 実際に災害が発生・接近している場合は、その時点で自治体が開設・案内している避難先を確認します。地図上の情報だけで最新の開設状況を判断しないでください。
  4. 安全な経路と移動手段を確認する 避難先までの経路が、川沿い、崖沿い、浸水が想定される区域等の危険な場所を通らないかを確認します。

状況別:どこへ避難するか

自分の状況によって、避難先の考え方は変わります。

まだ安全に移動できる場合

対象の災害に対応する指定緊急避難場所のほか、安全な親戚・知人宅、ホテル・旅館等も避難先の候補になります。避難は指定緊急避難場所だけを意味しません。

自治体の避難情報、施設の開設・利用可否、経路の安全を確認したうえで移動してください。

自宅等がハザード区域外で、安全を確保できる条件が確認できる場合

「避難=必ず避難所へ行くこと」ではありません。自宅・現在地がハザード区域外で、建物の条件等から安全を確保できると確認できる場合は、屋内で安全を確保するという考え方もあります。

ただし、これは一般的な考え方の紹介であり、読者自身の住宅が安全かどうかをこの記事が断定するものではありません。自分の建物で屋内安全確保が可能かどうかは、ハザードマップや自治体の情報とあわせて自分自身で確認してください。

すでに外へ移動する方が危険な場合

危険が切迫していて、外へ移動する方がかえって危険な場合は、あらかじめ指定された避難先への移動にこだわらないでください。

その時点で、今いる場所より安全な場所、建物の上階、崖から離れた部屋、近隣の頑丈な建物など、可能な範囲で最善の安全確保行動をとることが優先されます。

どの安全確保行動が適切かは災害の種類によって異なるため、「とにかく上階へ行く」ことが、すべての災害に共通する万能な行動というわけではありません。

いつ避難するか

避難情報が出るのを待つのではなく、危険な場所にいる人は、早い段階で避難行動をとることが基本です。

自治体から警戒レベル3(高齢者等避難)や警戒レベル4(避難指示)が発令された場合は、速やかに避難行動をとってください。警戒レベル5は、災害が発生または切迫している状況で、命の危険があるため直ちに安全確保が必要な段階です。警戒レベル5になってから避難を開始する、という考え方は適切ではありません。

また、自治体からの避難情報が出ていない場合でも、気象庁が発表する防災気象情報等から、自分がいる場所が警戒レベル3・4に相当する状況にあると判断できるときは、その情報を使って自ら避難の判断を行ってください。

2026年5月29日からは、防災気象情報の体系が改善されています。避難の判断にあたっては、この新しい体系に基づく情報を確認してください。

すでに危険が切迫している場合は、あらかじめ指定された場所へ向かうことにこだわらず、その時点で可能な最善の安全確保行動を優先してください。

避難する前に確認すること

避難を始める前に、次の点を確認してください。

  • 向かう先の施設が、実際に開設されているか
  • 経路が安全か(川沿い、崖沿い、浸水が想定される区域等を避けられるか)
  • 持ち出す範囲の最低限の物(貴重品、常備薬など、すぐに用意できるもの)
  • 家族や同居者との連絡方法・落ち合い方
  • 配慮が必要な人がいる場合、その人の避難方法

なお、この記事では持ち出し品の網羅的な一覧までは扱いません。備蓄・持ち出し品については、別途確認してください。

相談先・確認先

避難先や開設状況について、次のような点は、お住まいの市町村の防災担当窓口や防災サイト・防災マップで確認してください。

  • 具体的な避難先の名称・住所
  • 各施設の開設状況
  • ペットの同行・同伴の可否
  • 車での避難の可否・駐車の条件
  • 福祉避難所の利用条件・直接避難の可否
  • 個別施設の受入対象、設備、利用時間
  • 特定の経路の通行可否

ただし、危険が迫っている状況では、問い合わせのために避難を遅らせないでください。確認は、可能な範囲・可能なタイミングで行うものです。

公式リンク

個別の市町村の避難先・防災サイトのURLは、この記事では固定していません。お住まいの市町村名で検索するか、市町村の公式サイトから確認してください。

注意点

  • 指定緊急避難場所は、災害の種類ごとに対応が異なります。ある災害に対応していても、別の災害には対応していない場合があります。
  • 地理院地図等で確認できる情報は、最新でない場合や未掲載の場合があります。実際に避難する際は、自治体が発信する最新の情報を優先してください。
  • 危険が切迫していて移動がかえって危険な場合は、指定された避難先への移動にこだわらず、その時点で可能な安全確保行動を優先してください。
  • 「上階へ移動する」ことは、すべての災害に共通する万能な行動ではありません。災害の種類によって適切な行動は異なります。

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