固定資産税の換価の猶予を申請する

対象読者:固定資産税を一括で納付すると生活費や事業資金が不足するおそれがある方、納期限が近い方またはすでに過ぎてしまった方、督促状が届いている方、減免・徴収猶予・換価の猶予のどれを確認すべきか分からない方、換価の猶予を申請済みで結果を待っている方、または換価の猶予が許可されて分割納付を始める方

更新日:2026年10月6日

概要

固定資産税も、要件を満たす場合は申請による換価の猶予の対象となる場合があります。

換価の猶予は税額そのものを減らす制度ではありません。一時に納付すると生活の維持または事業の継続が困難になるおそれがある場合等に確認する制度です。地方税法第15条の6には申請による換価の猶予について規定があります。

徴収猶予と換価の猶予は別の制度です。減免と換価の猶予も別の制度です。自分の状況がどの制度に近いか分からない場合は、決め打ちせずに、まず課税自治体の収納・納税担当へ相談してください。

換価の猶予には申請期限があります。申請期限は自治体の公式案内で確認する必要があるため、納付が難しいと分かった時点で早めに相談することが重要です。許可された後も、原則として納付計画に沿って納付を続けます。

このページで分かること

  • 固定資産税の減免・徴収猶予・換価の猶予の違い
  • 換価の猶予を確認する場合に最初にやること
  • 換価の猶予の対象になる可能性がある主な条件
  • 状況別に確認すべきこと
  • 申請から許可・不許可までの流れ
  • 申請期限、必要書類、担保の考え方
  • 許可された後の納付の進め方
  • 困ったときの相談先

最初に確認する:減免・徴収猶予・換価の猶予の違い

固定資産税の納付が難しいと感じたとき、確認すべき制度は一つとは限りません。まず、次の3つの制度のうち、自分の状況に近いものを整理してください。

この表は制度を自由に選ぶためのものではなく、自分の事情を整理して適切な窓口へ相談するための判断材料です。最終的にどの制度が使えるかは、課税自治体への相談を通じて確認します。

比較軸 固定資産税の減免 徴収猶予 申請による換価の猶予
主な目的 税額の軽減・免除 一定事由により一時納付が困難な場合に徴収時期を猶予 一括納付で生活・事業継続が困難になる場合等に換価を猶予
税額そのもの 軽減・免除される場合がある 原則として残る 原則として残る
主な入口 自治体の減免要件 災害・病気・廃業・著しい損失等+一時納付困難 一時納付で生活・事業継続が困難になるおそれ等
許可・決定後 決定後の税額を確認する 猶予期間・納付計画に沿って納付する 猶予期間・納付計画に沿って納付する
最初の確認先 固定資産税担当等 収納・納税担当 収納・納税担当

減免と換価の猶予は別の制度です。徴収猶予と換価の猶予も別の制度です。災害・病気・廃業等の特定の事情がある場合は徴収猶予、それ以外の事情で一括納付が生活・事業を圧迫する場合は換価の猶予が候補になりますが、どちらに該当するかは自己判断せず、収納・納税担当へ事情をそのまま伝えて確認してください。

最初にやること

まず納税通知書等を用意し、課税した自治体の収納・納税担当へ早めに相談してください。

換価の猶予は、申請期限が特に重要な制度です。相談の際は、次の順で確認を進めてください。

  1. 納税通知書・督促状等を手元に用意する
  2. 税目・年度・期別・納期限・未納額を確認する
  3. 一括で納付した場合に生活や事業へどのような影響が出るかを整理する
  4. 収納・納税担当へ相談し、減免・徴収猶予・換価の猶予のどれを確認すべきか聞く
  5. 最初に申請期限を確認する

最初に申請期限を確認してください。申請期限は自治体の公式案内で確認してください。相談を先延ばしにすると、期限内に申請できなくなるおそれがあります。

換価の猶予の対象になる可能性がある主な条件

公式案内を横断すると、主に次の点が確認項目とされています。これらは全国一律の確定要件として断定できるものではなく、実際の適用は課税自治体の制度要件の確認を通じて判断されます。

  • 固定資産税を一時に納付すると生活の維持が困難になるおそれがある
  • 固定資産税を一時に納付すると事業の継続が困難になるおそれがある
  • 納税について誠実な意思が認められる
  • 申請対象以外の地方税について滞納がないか等、自治体の要件を満たす
  • 申請期限内に申請する
  • 必要な場合に担保を提供する

他に滞納している地方税がある場合は、その状況も担当へ伝えてください。申請対象以外の地方税の滞納は要件に影響し、換価の猶予が認められない場合があります。課税自治体の要件を確認してください。

必要書類・担保の要否は自治体や猶予額等によって異なるため確認してください。

状況別に確認する

一括で払うと生活費が不足する

生活の維持が困難になるおそれとして、換価の猶予の対象候補になり得ます。収入・支出・預貯金等の状況を整理したうえで、収納・納税担当へ相談してください。

一括で払うと事業資金が不足する

事業の継続が困難になるおそれとして、対象候補になり得ます。事業の収支や運転資金等の状況を整理したうえで相談してください。

災害・病気・廃業等の事情もある

徴収猶予の対象となる可能性もあります。固定資産自体に被害がある場合等は減免も確認対象になります。自分で制度を決め打ちせず、事情をそのまま伝えて確認してください。

納期限が近い

申請期限を確認し、できるだけ早く収納・納税担当へ相談してください。

すでに納期限を過ぎた

利用できないと自己判断せず、納期限・現在の滞納状況・申請期限を確認してください。督促状が届いたらもう遅い、ということではありません。

督促状が届いた

督促状を用意して、現在の手続き状況と換価の猶予の申請可否を確認してください。

他の市税・地方税にも滞納がある

換価の猶予の要件に影響するため、申請対象以外の滞納状況も正確に伝えてください。他の地方税に滞納がある場合は、換価の猶予が認められないことがあります。課税自治体の要件を確認してください。

必要書類が揃わない

不足したまま放置せず、代替資料の可否、後日提出、補正の扱いを確認してください。

換価の猶予を申請したが結果が来ない

審査状況、追加資料の有無、申請中の納付や督促等の扱いを確認してください。

猶予後の分割納付が難しくなった

放置せず、現在の納付計画・残額・事情の変化を伝えて再相談してください。延長や計画変更等の可否は自治体へ確認してください。

手続きの流れ

  1. 納税通知書・督促状等を用意する
  2. 税目・年度・期別・納期限・未納額を確認する
  3. 一括納付した場合の生活・事業への影響を整理する
  4. 課税自治体の収納・納税担当へ相談する
  5. 減免・徴収猶予・換価の猶予のどれを確認すべきか相談する
  6. 換価の猶予の基本要件を確認する
  7. 申請期限を確認する
  8. 他に滞納している税がないか確認する
  9. 必要書類・担保の要否を確認する
  10. 納付可能額・納付計画を整理する
  11. 換価の猶予申請書を作成する
  12. 必要資料を添えて提出する
  13. 申請控え・提出記録を残す
  14. 補正・追加資料に対応する
  15. 許可・不許可の通知を確認する
  16. 許可された場合は猶予期間・各回納付額・期限を確認する
  17. 納付計画に沿って納付する
  18. 状況が変わった場合は早めに再相談する
  19. 最後に残額・延滞金・完納を確認する

申請しただけで猶予が決まるわけではありません。申請後は審査があり、許可・不許可のいずれかが通知されます。

期限・いつまでに

換価の猶予には申請期限があります。

申請期限は納期限を基準に設定されますが、具体的な期間は課税自治体の公式案内で確認してください。自治体によって期間の設定が異なるため、全国一律の日数として断定できません。納付が難しいと分かった時点で、できるだけ早く相談してください。

猶予期間は原則1年以内です。財産や収支の状況等に応じて、完納できると認められる範囲で期間が決定されます。やむを得ない事情がある場合は、申請により延長が認められることがありますが、当初の猶予期間と合わせて最長2年です。具体的な延長要件・手続きは自治体へ確認してください。

許可後は、各回の分割納付期限も守る必要があります。

必要なもの

主な種類として、次のようなものがあります。具体的な様式や、猶予額に応じた提出書類の区分は自治体によって異なるため、ここでは全国共通の完全な一覧としては示しません。

  • 固定資産税の納税通知書・納付書
  • 督促状等(届いている場合)
  • 本人確認に必要なもの
  • 換価の猶予申請書
  • 財産・収支を示す資料
  • 収入・生活費・事業費等を確認できる資料
  • 納付可能額・納付計画を整理できる情報
  • 必要な場合の担保関係書類
  • 自治体から指定された追加資料

担保は必ず必要というわけではありません。換価の猶予では担保が必要となる場合がある一方、猶予額、猶予期間、財産状況その他の条件によって担保が不要となる場合もあります。具体的な金額基準等は自治体の公式案内で確認してください。

申請書で整理する主な内容

申請書の様式そのものの逐語的な説明は行いません。申請にあたっては、主に次のような内容を整理することになります。

  • 申請する税目・年度・期別等
  • 納期限
  • 猶予を受けようとする金額
  • 一時納付が生活・事業へ与える影響
  • 財産状況
  • 収支状況
  • 納付可能額
  • 希望する納付計画
  • 担保に関する事項
  • その他自治体の様式で求められる事項

具体的な記入方法や必要な資料の詳細は、課税自治体の窓口または公式案内で確認してください。

申請後の流れ

受付・審査

提出された書類、財産・収支の状況、納付計画等が確認されます。

補正・追加資料

不備や不足があれば、対応を求められます。

許可

猶予する税額・期間・分割納付計画等が通知されます。内容を確認してください。

一部許可・条件付き許可

通知された内容を確認し、納付計画等を確認してください。

不許可

不許可となった場合は、理由と現在の納付状況を確認したうえで、徴収猶予その他の納付相談ができないか確認してください。

猶予が認められた後の納付

換価の猶予が認められても、原則として納付計画に沿って納付します。換価の猶予は支払いを免除する制度ではありません。

  1. 許可通知に記載された猶予期間・各回納付額・期限を確認する
  2. 原則として納付計画に沿って分割納付する
  3. 計画どおりに納付できない場合は、期限前に相談する
  4. 新たな滞納が生じないよう注意する
  5. 猶予が取り消される条件を、通知や公式案内で確認する
  6. 最後に残額・延滞金・完納の状況を確認する

猶予期間中の延滞金は一部が免除される場合があります。ただし、延滞金が全額免除されるとは限りません。

許可後も、納付計画を守れない場合や新たな滞納が生じる場合などには、取消しの可能性があります。納付計画どおりに納付できなくなった場合は、放置せず早めに相談してください。

困ったとき・分からないとき

徴収猶予か換価の猶予か分からない

収納・納税担当へ、一時に納付できない事情をそのまま伝え、該当する制度を確認してください。

減免も対象になりそう

固定資産税担当と収納・納税担当の双方を含めて確認してください。

申請期限が分からない

納税通知書の納期限を確認したうえで、自治体へ具体的な申請期限を確認してください。

他の税にも滞納がある

すべての状況を伝えたうえで、利用できる制度や納付相談の方法を確認してください。

必要書類が揃わない

代替資料の可否、後日提出、補正の可否を確認してください。

すでに期限を過ぎたと思う

自己判断で終了せず、現在利用できる猶予制度や納付相談を確認してください。

分割納付が難しくなった

放置せず、事情の変化を伝えて再相談してください。

相談先

固定資産税を課税した自治体の収納・納税担当部署が基本の相談先です。

必要に応じて、次の窓口も確認してください。

  • 固定資産税担当部署(減免や課税内容の確認)
  • 自治体が案内する納税相談窓口

電話番号や受付時間、窓口の名称は自治体によって異なるため、課税自治体の公式案内で確認してください。

公式情報

注意点

  • 換価の猶予は税額そのものを減らす制度ではありません。
  • 生活が苦しい、または事業が赤字であることが、そのまま猶予の許可を意味するわけではありません。
  • 申請すればただちに差押えが止まる、またはすでに差し押さえられた財産が必ず解除されるとは限りません。
  • 申請期限は自治体によって異なります。全国一律の日数として案内されているものではありません。
  • 必要書類や担保の要否は、自治体や猶予額等によって異なります。
  • 申請対象以外の地方税に滞納がある場合は、換価の猶予が認められないことがあります。滞納状況を正確に伝え、課税自治体の要件を確認してください。
  • 許可後は、原則として納付計画に沿って納付を続ける必要があります。好きな時期に自由に納付できるわけではありません。
  • 納付計画を守れない場合、猶予が取り消される可能性があります。

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