固定資産税の減免を申請する
概要
固定資産税の減免は、災害や生活上の扶助など特別な事情がある場合に、申請によって税額が軽減または免除される可能性がある制度です。地方税法第367条には固定資産税の減免について規定がありますが、具体的な対象事由・対象資産・減免割合・申請期限・必要書類は、課税した市町村の条例や運用によって異なります。全国一律の基準で自動的に減免されるわけではないため、まず納税通知書を用意し、課税した自治体へ確認することが最初の一歩になります。
このページで分かること
- 固定資産税の減免と、住宅等の減額制度・非課税・課税内容の確認・徴収猶予等との違い
- 申請前に確認しておくべき9つの項目
- 自分の状況が減免の対象候補になり得るかどうかの目安
- 申請から審査結果の確認、決定後の税額確認までの流れ
- 申請期限・必要書類について、自治体へ確認すべきこと
対象読者
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書が届き、特別な事情により納付が難しい人
- 火災・風水害・震災等で土地・家屋等に被害を受けた人
- 生活上の扶助を受けている、または自治体の減免要件に該当する可能性がある人
- 公益のために直接使用している固定資産等について、減免制度を確認したい人
- 自治体から固定資産税の減免制度を案内された人
- 「減免」と「住宅等の減額制度」「非課税」の違いが分からない人
- すでに一部を納付している人、申請期限が近い・過ぎている可能性がある人
- すでに申請済みで、審査結果を待っている人
対象に近い状況であっても、実際に減免を受けられるかどうかは自治体の審査によって決まります。この記事は「必ず減免される」ことを保証するものではありません。
更新日
更新日:2026年8月7日
最初に確認すること
納税通知書を手元に用意し、課税した市町村の固定資産税担当へ、次の3点を先に確認してください。
- 自分の事情・対象資産が固定資産税の減免対象候補になり得るか
- 申請期限はいつか
- 申請理由に応じて何を提出する必要があるか
書類をそろえ始める前に、まず申請期限を確認してください。期限が短い、または起算点が事由の発生日である場合があります。
減免か、別の制度かを確認する
固定資産税に関する相談の中には、「減免」ではなく別の制度・手続きに該当するものがあります。最初に、自分の状況がどれに近いかを確認してください。
| 読者の状況 | 主に確認する制度・手続き | この記事との関係 |
|---|---|---|
| 災害・生活上の扶助等、特別な事情がある | 固定資産税の減免 | この記事の中心 |
| 新築住宅・耐震改修・省エネ改修等の要件に該当しそう | 固定資産税の各種減額制度 | 別の制度。詳細はこの記事では扱いません |
| 課税されない資産・免税点に該当するか確認したい | 非課税・免税点 | 別の制度 |
| 評価額や課税内容がおかしいと感じている | 課税内容・評価額の確認 | 減免とは別の論点 |
| 税額は正しいが、一度に納付するのが難しい | 徴収猶予等 | 税額そのものを減らす制度ではなく、納付方法に関する別の制度 |
住宅等の固定資産税の減額制度と、特別な事情による減免は別の制度です。また、固定資産税の減免と非課税は同じ制度ではありません。自分の状況がどれに当てはまるか判断できない場合も、まず課税自治体の担当窓口へ確認してください。
固定資産税の減免とは
固定資産税の減免の具体的な要件は、自治体の条例・運用によって異なります。
地方税法第367条には固定資産税の減免について規定がありますが、この条文は「市町村の条例が定める基準に沿って減免できる」という枠組みを示すものであり、全国一律の対象事由・減免割合・申請期限を定めているわけではありません。そのため、同じような状況であっても、自治体によって対象になるかどうか、どの程度減免されるかが異なる場合があります。
減免される場合がありますが、申請しただけで減免が決まるわけではありません。申請後、自治体による審査を経て、対象になるかどうか、どの程度減免されるかが決定されます。
申請前に確認する9項目
減免を申請する前に、次の9つの項目を、課税した自治体の担当窓口で確認してください。短時間でも、この順番で確認しておくと、申請の準備を進めやすくなります。
| 確認軸 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.制度の種類 | 減免申請なのか、別の減額制度・非課税・課税内容の確認・徴収猶予等なのか |
| 2.対象事由 | 災害、生活上の扶助、公益利用その他、自分の事情がどの類型に近いか |
| 3.対象資産 | 土地・家屋・償却資産等のどこまでが対象になり得るか |
| 4.判定条件 | 被害状況、使用状況、所有状況その他の追加条件があるか |
| 5.対象税額 | どの年度・どの期別の固定資産税が対象になり得るか |
| 6.申請期限 | いつまでに申請する必要があるか、事由の発生日等から起算されるか |
| 7.必要書類 | 申請書と、減免事由を証する資料等として何が必要か |
| 8.申請中の納付 | 申請中の納付をどう扱うか、督促・延滞金等についてどう確認するか |
| 9.決定後 | 減免後の税額・残額・新しい納期限・納付方法をどう確認するか |
対象になる可能性がある主な事情
地方税法や自治体の案内で確認できる代表的な減免の類型として、次のようなものがあります。ただし、これらはあくまで代表例であり、実際に対象になるかどうか、どの範囲・割合で減免されるかは自治体ごとに異なります。自分の事情が当てはまるかどうかは、課税自治体で個別に確認してください。
- 火災、風水害、震災その他の災害により、土地・家屋等に被害を受けた場合
- 生活保護その他、生活上の扶助を受けている場合
- 公益のために直接使用している固定資産がある場合
上記に近い事情があっても、対象になるとは限りません。また、これら以外の事情が対象になっている自治体もあります。
状況別
自分の状況に近いものを確認してください。
A.火災・風水害・震災等で被害を受けた
- 被害を受けた資産が減免対象になり得るか確認してください
- 申請期限の起算点(被害を受けた日から数えるかなど)を確認してください
- 被害状況を証する書類・写真等が必要かどうか確認してください
- 罹災証明等が必要かどうか確認してください
B.生活上の扶助を受けている
- 自治体が定める対象要件を確認してください
- 対象となる資産・使用状況を確認してください
- 受給状況を証する書類等が必要かどうか確認してください
C.公益のために固定資産を使っている
- 自治体の条例上、減免の対象になり得るか確認してください
- 有料利用・無償貸与・直接使用等、利用形態による条件を確認してください
- 契約書や利用実態が分かる資料等、必要な資料を確認してください
D.住宅の新築・改修等で税額を下げたい
固定資産税の減免ではなく、固定資産税の各種減額制度に該当する可能性があります。この記事の通常の手順へそのまま進む前に、まず自治体へどちらの制度に当たるかを確認してください。
E.評価額・課税内容がおかしいと思う
まず必要なのは、減免申請ではなく課税内容・評価額の確認です。納税通知書や課税明細を確認したうえで、課税した自治体の担当窓口へ問い合わせてください。
F.税額は正しいが一時に納付できない
減免の対象になり得る事情があるかどうか、まず確認してください。対象事情がない場合は、徴収猶予等の納付相談へ切り替えてください。減免と徴収猶予等は別の制度です。
G.すでに一部または全部を納付した
すでに納付した税額が減免の対象になり得るかどうか、自治体へ確認してください。納付済み税額の扱いは自治体・減免事由等によって異なります。返金や充当が必ず行われるとは限りません。
H.申請期限を過ぎた可能性がある
自分で「申請できない」と判断せず、減免を受けたい事由の内容と発生日、納期限などを伝えたうえで、課税自治体へ確認してください。期限後でも受け付ける取り扱いや、代わりに案内できる納付相談がある場合があります。
I.土地・家屋以外の償却資産について申請したい
償却資産が自治体のどの減免類型に該当し得るか確認してください。必要書類や担当部署が、土地・家屋の場合と異なることがあります。
J.申請済み・結果待ち
- 追加資料の提出を求められていないか確認してください
- 申請中の納付の扱いを確認してください(自己判断で納付を止めないでください)
- 審査結果・決定通知の確認方法を確認してください
- 決定後の税額・残額・新しい納期限・納付方法を確認してください
手続きの流れ
- 納税通知書を確認する
- 対象年度・対象資産・税額を確認する
- 減免なのか、別の減額制度・非課税・課税内容の確認・徴収猶予等なのかを切り分ける
- 課税した自治体の固定資産税担当を確認する
- 減免の対象事由・対象資産・申請期限を確認する
- 申請理由に応じた必要書類を確認する
- 申請書を作成する
- 指定された方法で提出する
- 受付後、追加資料が必要かどうかと、申請中の納付について確認する
- 審査結果・決定通知を確認する
- 減免後の税額・残額・新しい納期限・納付方法を確認する
- 必要な納付を行い、決定通知や申請の控え等を保管する
申請書を提出した時点では、まだ手続きは終わっていません。審査結果の確認、決定後の税額確認までを行ってください。
期限・いつまでに
固定資産税の減免は申請期限が定められている場合があります。最初に課税自治体の期限を確認してください。
納期限までの申請を求める自治体がありますが、災害等では別の起算点・期限を定めている場合があります。事由の発生日から一定の期間内といった、納期限とは異なる基準で期限が決まることもあります。
期限を過ぎている場合も、自分で対象外だと決めず、課税自治体へ確認してください。
必要なもの
必要書類は、一般的な確認例として次のようなものがあります。実際に必要な書類は、減免理由・対象資産・自治体によって異なります。
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書
- 減免申請書
- 本人確認に必要なもの
- 対象資産を確認できる情報
- 減免事由を証する書類
- (災害の場合)被害状況を確認できる書類・写真・証明等
- (扶助等を理由とする場合)受給状況を確認できる資料
- (公益利用等の場合)利用実態・契約関係等を確認できる資料
- 自治体が指定する追加書類
- 代理申請の場合に自治体が求める書類
必要書類は減免理由・対象資産・自治体によって異なります。上記の一覧だけで足りるとは限らないため、事前に自治体へ確認してください。
申請する
申請書と必要書類がそろったら、課税した自治体が指定する方法で申請します。窓口での提出、郵送など、受付方法は自治体によって異なります。オンラインで申請できるかどうかも自治体によって異なるため、事前に確認してください。
提出後は、申請控えや提出記録を残しておいてください。審査結果の確認や、後日の問い合わせの際に必要になることがあります。
申請後に確認すること
申請書を提出した後、自治体から追加の資料提出を求められる場合があります。連絡があった場合は、指定された方法・期限で対応してください。
申請中であっても、納付そのものが免除されるとは限りません。申請中の納付をどう扱うか(納付を続けるか、督促・延滞金がどうなるか)は自治体へ確認してください。自己判断で納付を止めないでください。
審査結果・決定後に確認すること
審査結果は、決定通知等で自治体から通知されます。通知を受け取ったら、次を確認してください。
- 減免が決定されたかどうか
- 減免後の税額・残額
- 新しい納期限
- 納付方法(納付書、口座振替等)
減免が決定した場合でも、決定後の税額の一部について、あらためて納付が必要になることがあります。必要な納付を行い、決定通知や申請の控え等は保管しておいてください。
都市計画税が同じ通知に含まれている場合、固定資産税の減免と都市計画税の扱いが必ず同じ割合になるとは限りません。その扱いも自治体へ確認してください。
相談先
第一の確認先は、固定資産税を課税した市町村の固定資産税・資産税担当です。
状況によっては、次の窓口へ相談することもあります。
- 納付が難しい・猶予を相談したい場合:自治体の納税担当
- 災害関係の証明等について:自治体の関係部署
- 償却資産について:自治体の償却資産担当
窓口名称や電話番号、受付時間は自治体・時期によって異なるため、課税自治体の公式情報で確認してください。
公式情報
- e-Gov法令検索「地方税法」
- 大阪市「固定資産税および都市計画税の減免」(自治体によって対象・割合・期限等が異なることを確認する例)
- 総社市「固定資産税の減免」(災害・公益利用等の減免と申請先を確認する例)
- 横浜市「新築住宅に係る固定資産税の減額制度」(「減額制度」は特別事情による減免とは別制度であることを確認する例)
実際に申請するときは、課税した自治体の公式サイトで「固定資産税の減免」「固定資産税・都市計画税」「市税条例」「固定資産税の減額制度」「徴収猶予」等を確認してください。
注意点
- 固定資産税の減免は全国一律の条件ではありません。
- 「申請できる」ことと「減免が認められる」ことは別です。
- 住宅等の固定資産税の減額制度と、特別な事情による減免は別の制度です。
- 非課税・免税点と減免を混同しないでください。
- 課税内容や評価額への疑問は、減免申請だけで解決しようとしないでください。
- 納付が難しいだけの場合、徴収猶予等が別に用意されていることがあります。
- 申請期限は自治体・減免理由によって異なります。
- 必要書類は減免理由・対象資産・自治体によって異なります。
- 申請中の納付を自己判断で止めないでください。
- 納付済み税額の扱いは自治体・減免事由等によって異なります。全国一律に断定できません。
- 都市計画税が同じ通知に含まれていても、固定資産税と同じ扱いになるとは限りません。
- 申請後は、審査結果の通知と、決定後の税額確認まで行ってください。