死亡診断書(死体検案書)について知る
対象読者: 家族や身近な人が亡くなり、医療機関・医師から死亡診断書または死体検案書を受け取った方 更新日: 2026年9月23日
概要
大切な人が亡くなった直後に、医療機関や医師から「死亡診断書」または「死体検案書」を受け取ります。どちらの書類を受け取ったかによって、法律上の扱いに差があるのではないかと不安に感じる方は少なくありません。
この記事は、家族や身近な人が亡くなり、死亡診断書または死体検案書を受け取った方、そしてこの2つの書類の違いが分からず戸惑っている方に向けたものです。
この記事では、両書類の意味と違い、どのような場合にどちらが交付されるか、受け取った後にすべきことを説明します。細かい制度の解説をすべて網羅するのではなく、書類の意味を理解し、「死亡届を提出する」という次の行動へ落ち着いて進めるようになることを目的としています。
死亡届そのものの提出方法や期限については、別記事「死亡届を提出する」で詳しく説明します。
このページで分かること
- 死亡診断書と死体検案書は、どちらも人の死亡を医学的・法律的に証明する書類であること
- 両書類の法律上・統計上の効力に違いはないこと
- どのような場合に死亡診断書、どのような場合に死体検案書が交付されるか
- 「最終診察から24時間」をめぐるよくある誤解
- 受け取った書類を死亡届提出前にどう扱うか、写しを残す理由
- 記載内容に疑問や誤りがある場合の相談先
最初に確認すること
受け取った書類の標題(「死亡診断書」か「死体検案書」か)と、氏名・生年月日・死亡日時などの記載内容を確認します。死亡届へ提出する前に、必要になりそうな範囲で書類の写しを残します。
コピーが何部必要になるかは、亡くなった方の状況や今後行う手続きによって異なります。この記事の後半で、写しを残す理由と確認の仕方を説明します。
死亡診断書と死体検案書の違い【比較表】
| 比較項目 | 死亡診断書 | 死体検案書 |
|---|---|---|
| 主な交付場面 | 生前に診療していた傷病に関連して死亡したと医師が認める場合 | それ以外の場合 |
| 作成・交付 | 医師(歯科医師が診療していた範囲では、歯科医師が交付する場合があります) | 医師 |
| 死亡証明としての効力 | 同じ | 同じ |
| 死亡届での使用 | 使用します | 使用します |
どちらの書類も、亡くなった方が生前どこで過ごしていたか(病院か自宅か)だけで振り分けられるものではありません。交付されるのは、生前の診療内容と死亡との関連を医師がどう判断したかによります。
どちらの書類も効力は同じ
死亡診断書と死体検案書は、どちらも人の死亡を医学的・法律的に証明する文書であり、死因統計を作成するための基礎資料としても使われます。
書類の名称が異なっていても、死亡の証明としての法律上・統計上の効力に違いはありません。死亡届にはどちらか1通を添付しますが、添付する書類が死亡診断書か死体検案書かによって、死亡届としての手続きが変わることはありません。
書類の種類は、亡くなった方やご遺族が選ぶものではなく、診療や検案の状況に応じて医師が判断します。
どのような場合に交付されるか
死亡診断書は、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと医師が認める場合に交付されます。一方、死体検案書は、それ以外の場合に交付されます。
なお、生前の担当医でなくても、診療情報を正確に把握したうえで死後の診察を行い、生前の傷病との関連死と判断できる場合には、死亡診断書が交付されることがあります。「担当医でなければ死亡診断書は出せない」というものではありません。
「最終診察から24時間」のよくある誤解
「最終診察から24時間を超えると死亡診断書は出せず、必ず死体検案書になる」という説明を見聞きすることがありますが、これは正確ではありません。
最終診察から24時間を超えていても、死後の診察によって生前の傷病との関連死と認められれば、死亡診断書が交付されることがあります。
医師法第20条の「24時間」は、診療中の患者が最終の診察後24時間以内に死亡した場合に、一定の条件のもとで死亡後に改めて診察を行わず死亡診断書を交付できる例外に関する時間です。最終診察から24時間を超えたからといって、それだけで死体検案書になるわけではありません。
これとは別に、医師法第21条では、医師が死体を検案して異状があると認めた場合、24時間以内に所轄警察署へ届け出ることが定められています。こちらの24時間も、遺族が死亡届を提出するまでの期限ではありません。医師法第20条と第21条の「24時間」を混同しないようにしてください。
受け取った後にすること
- 受け取った書類の標題(死亡診断書/死体検案書)を確認します。
- 氏名、生年月日、死亡日時などの記載内容を確認します。
- 死亡届は、死亡診断書(死体検案書)と一体になった様式です。死亡届を提出する際に、このいずれか1通を添付します。
- 提出後は原本が返却されないのが通常のため、必要に応じて提出前に写しを残します(詳しくは次の項目で説明します)。
- 記載内容に疑問や誤りがある場合は、自分で訂正せず、作成・交付した医療機関または医師へ確認します。
死亡届そのものの届出人、提出先、提出期限については、別記事「死亡届を提出する」で確認してください。
提出前に写しを残す
死亡届に添付して提出した死亡診断書(死体検案書)の原本は、通常は返却されません。その後の遺族厚生年金の請求や健康保険の埋葬料(費)の申請など、後続の手続きで書類のコピーが必要になる場合があります。
そのため、死亡届を提出する前に、書類の写しを残しておくことをおすすめします。ただし、必要な枚数は今後行う手続きの内容によって異なるため、ここでは枚数を一律には示しません。年金や保険など、必要になりそうな提出先へあらかじめ確認しておくと安心です。
葬儀社が写しの準備を手伝ってくれる場合もありますが、対応は葬儀社によって異なります。手元の書類は、ご自身でも標題と記載内容を確認しておいてください。
記載内容に疑問や誤りがある場合
書類の記載内容に疑問がある場合や、誤りがあると思われる場合は、ご自身で訂正しないでください。記載内容の訂正には、作成・交付した医師側の手続きが必要です。
疑問点がある場合は、書類を作成・交付した医療機関または医師へ確認してください。
警察の関与がある場合
死亡に異状があると医師が認めた場合には、書類が死亡診断書か死体検案書かにかかわらず、医師による警察への届出が関係することがあります。異状の有無と、どちらの書類が交付されるかは別の判断です。
そのため、「死体検案書が交付された場合は必ず警察が関与している」というわけではありません。死体検案書が交付されたという事実だけで、警察への届出が必要だったと判断する必要はありません。
警察対応が関係している場合、個別の状況についてご自身で判断せず、医師や警察から受けた案内に従ってください。
相談先
| 確認したい内容 | 相談先 |
|---|---|
| 記載内容の疑問・訂正・再交付 | 書類を作成・交付した医療機関、医師 |
| 死亡届提出後に証明書が必要な場合 | 死亡届を提出した市区町村、必要に応じて管轄法務局 |
すでに死亡届を提出した後で証明が必要になった場合は、一定の利害関係や事由がある場合に、死亡届の記載事項証明書を請求できることがあります。常に交付されるとは限らないため、提出先の市区町村または管轄法務局へ、請求できるかどうかを確認してください。
公式リンク
注意点
- 死亡診断書と死体検案書は、「病院で亡くなったか、自宅で亡くなったか」だけで振り分けられるものではありません。
- 「最終診察から24時間を超えたら必ず死体検案書になる」というのは誤解です。死後の診察により関連死と認められれば、死亡診断書が交付されることがあります。
- 「死体検案書が交付された=警察が関与した」とは限りません。異状の有無と書類の種類は別の判断です。
- 記載内容に疑問や誤りがあっても、ご自身で訂正しないでください。
- 交付・再交付にかかる費用や、必要なコピーの枚数は、状況によって異なります。作成・交付した医療機関や、それぞれの提出先へ確認してください。
チェックリスト
あわせて確認する
- 死亡届を提出する:この書類を受け取った後に行う手続きです。
- 火葬許可証を取得する:死亡届の提出後に続く手続きです。