会社を退職したときに必要な手続きを確認する

概要

会社を退職すると、それまで勤務先を通じて加入していた健康保険や厚生年金の扱いが変わり、雇用保険や税に関する手続きが必要になる場合があります。しかし、退職したからといって、すべての手続きを全員が同じように行うわけではありません。

退職後にどの手続きが必要になるかは、次の勤務先が決まっているか、年齢、家族の扶養状況、求職活動を行うかどうか、退職金の有無などによって異なります。

このページでは、退職後に発生し得る「健康保険」「年金」「雇用保険」「税・会社から受け取る書類」「会社固有の制度」について、自分に必要な手続きを確認し、次にどこへ進めばよいかを判断できるように整理します。

制度ごとの詳しい申請手順や金額の計算までは扱いません。まず何を確認し、どこに問い合わせればよいかを把握するための記事です。

このページで分かること

  • 退職後、最初に何を確認すればよいか
  • 健康保険をどのように切り替えるか、選択肢にはどのようなものがあるか
  • 年金の手続きが必要かどうか
  • 雇用保険の基本手当を確認すべきかどうか
  • 会社から受け取る書類にはどのようなものがあり、何に使うか
  • 所得税・住民税について何を確認すればよいか
  • 退職金・企業年金など会社固有の制度を確認する必要があるか
  • 会社からの書類が届かない場合にどこへ相談すればよいか

対象読者

次のいずれかに当てはまる方を主な対象とします。

  • 会社を退職した、または退職日が決まっている方
  • 退職後の健康保険・年金・雇用保険・税に関する手続きに漏れがないか確認したい方
  • 次の勤務先がまだ決まっていない、または決まっている方のいずれも含みます

退職を会社に認めてもらう方法や、解雇の有効性を争う方法については、このページでは扱いません。

更新日

更新日:2026年9月28日

まず確認すること

制度の詳しい説明の前に、次の5点を確認してください。

  1. 次の勤務先と入社日が決まっているか
  2. 退職後の健康保険をどれにするか
  3. 20歳以上60歳未満で、厚生年金から外れるか
  4. すぐ働ける状態で求職するか
  5. 会社から必要な書類が届いているか

このうち健康保険の任意継続を選ぶ場合は、申出できる期間が短いため、早めに確認してください。

退職後の手続き早見表

確認すること 主に対象になる人 目安となる時期・期限 主な確認先 まずすること
健康保険の切り替え 退職するすべての方 国民健康保険に加入する場合は被保険者となった日から14日以内に届出。任意継続は資格喪失日から20日以内(協会けんぽの場合) 加入していた健康保険組合等、住所地の市区町村、家族の勤務先 どの選択肢に該当するかを確認する
年金の手続き 20歳以上60歳未満で厚生年金から外れる方、扶養されていた配偶者 本人が国民年金第1号へ切り替える場合は退職日の翌日から14日以内。配偶者の手続きは別に確認 市区町村の国民年金窓口、日本年金機構 厚生年金から外れるかどうかを確認する
雇用保険の基本手当 すぐ働ける状態で求職する方 離職票が届き次第 住居所を管轄するハローワーク 離職票の有無を確認する
会社から受け取る書類 退職するすべての方 給与所得の源泉徴収票は退職後1か月以内が目安 退職した勤務先 必要な書類を確認する
所得税・住民税 退職するすべての方 状況により異なる 税務署、市区町村 年末調整・確定申告の要否を確認する
退職金・企業年金など会社固有の制度 該当する制度に加入していた方 会社の案内による 退職した勤務先 会社の退職案内・規程を確認する

健康保険を切り替える

退職日の翌日から、それまでの健康保険の資格関係が変わります。まず、次のどの選択肢に該当するかを確認してください。

  • すぐ再就職し、再就職先の健康保険に入る
  • 退職前の健康保険を任意継続する
  • 国民健康保険に加入する
  • 条件を満たせば、家族の健康保険の被扶養者になる

どの選択肢が保険料の面で有利かは、加入者の条件によって異なるため、このページでは一律に判定しません。任意継続・国民健康保険・扶養のいずれも、保険料や加入条件を各保険者・自治体で確認してください。

任意継続を選ぶ場合、協会けんぽでは、資格喪失日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間があることに加え、資格喪失日から20日以内に申出書を提出する必要があります。保険料は原則として本人が全額負担します。

この20日以内という期間は協会けんぽの条件であり、健康保険組合等では手続先や条件が異なる場合があります。加入していた保険者の案内を確認してください。

国民健康保険に加入する場合は、被保険者となった日から14日以内に届出が必要です。退職後にほかの健康保険へ加入せず、国民健康保険の被保険者となる場合は、通常、退職日の翌日から14日以内に住所地の市区町村へ届け出ます。必要書類・申請方法・保険料は住所地の市区町村へ確認してください。

年金の加入を確認する

退職後の年金の手続きは、退職した本人と、その方に扶養されていた配偶者とで分けて確認します。

  • 厚生年金の適用事業所へ再就職する方:原則として勤務先が加入手続きを行います。
  • すぐ再就職しない等の理由で厚生年金から外れる、20歳以上60歳未満の方:国民年金第1号被保険者としての手続きが必要です。退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村で手続きしてください。
  • 退職者に扶養されていた60歳未満の配偶者:配偶者自身の年金手続きが必要になる場合があります。退職者本人の手続きとは別に確認してください。

雇用保険の基本手当を確認する

退職すれば自動的に基本手当を受け取れるわけではありません。働く意思と能力があり、求職活動を行っていることなどの要件を満たす必要があります。

自分の状況に応じて、次のように分かれます。

  • 現在働ける状態で、再就職先が決まっていない方:離職票を確認し、住居所を管轄するハローワークで受給手続きを検討してください。
  • 病気・けが等ですぐには働けない方:通常の求職申込みとは別に、受給期間延長等の手続きを確認してください。
  • 離職票に記載された離職理由が実態と異なると感じる方:受給手続きの際にハローワークへ申し出てください。

離職票が必要にもかかわらず退職後に届かない場合は、会社へ処理状況を確認してください。会社が手続きを行わない場合や、督促しても届かない場合は、ハローワークへ相談できます。

会社から受け取る書類を確認する

退職時に全員が同じ書類を必ず受け取るわけではありません。用途に応じて、次のように整理します。

  • 雇用保険の手続きをする方:離職票
  • 税の手続きに使う:給与所得の源泉徴収票
  • 健康保険・年金等で資格喪失を確認する必要がある場合:資格喪失を確認できる書類等
  • 会社独自の制度がある場合:退職証明書、企業年金、退職金、持株会、財形などに関する案内、貸与品の返却案内等

給与所得の源泉徴収票は、年の中途で退職した方には、原則として退職の日以後1か月以内に交付されます。

所得税・住民税を確認する

所得税と住民税は別の制度として確認してください。

所得税については、次のように分かれます。

  • その年のうちに再就職し、新しい勤務先で年末調整を受ける場合:前職の給与所得の源泉徴収票が必要になります。
  • 年末調整を受けない場合等:自分で確定申告を行うことが関係する場合があります。

確定申告が必要かどうかは所得状況等によって異なるため、このページでは一律に断定しません。

住民税は前年の所得に基づくため、退職後も納付が残る場合があります。給与からの特別徴収が退職により継続できない場合、普通徴収や一括徴収などへ扱いが変わることがありますが、退職時期や再就職状況、自治体によって扱いが分かれます。具体的な残額や納付方法は、勤務先からの最終給与明細や、市区町村からの通知で確認してください。

退職金・企業年金など会社固有の制度を確認する

退職金、企業年金、確定拠出年金、財形、持株会、団体保険、貸与品の返却などは、勤務先の制度や加入状況によって異なります。全国共通の手続きとしては断定できないため、該当する制度がないか、会社の退職案内や規程で確認してください。

退職金がある場合は、給与所得の源泉徴収票とは別に「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」が関係します。

書類が届かない・内容が違うとき

会社から受け取るべき書類が届かない場合や、内容が実態と異なると感じる場合は、次を参考にしてください。

  • 離職票が届かない場合:まず会社へ処理状況を確認してください。会社が手続きをしない場合や、督促しても届かない場合は、ハローワークへ相談できます。
  • 離職票の離職理由が実態と異なる場合:受給手続きの際にハローワークへ申し出てください。
  • 給与所得の源泉徴収票が交付期限を過ぎても届かない場合:税務署への「源泉徴収票不交付の届出手続」があります。

退職後の手続きチェックリスト

相談先

分野 相談先
健康保険 加入していた健康保険組合等の保険者、住所地の市区町村、家族の勤務先
年金 市区町村の国民年金窓口、日本年金機構
雇用保険 住居所を管轄するハローワーク
税(所得税・住民税) 税務署、市区町村
会社から受け取る書類・会社固有の制度 退職した勤務先

公式リンク