冷蔵庫が故障したときに対応する

概要

家庭用の冷蔵庫が冷えなくなった、突然止まった、焦げくさい・異音・水漏れなどの異常が出た――そのようなとき、読者がまず何をすべきかを判断できるようにするための記事です。

冷蔵庫の不調は、火災・感電などの危険につながる場合と、庫内の食品が傷んでしまう心配につながる場合があります。そのため本記事では、危険の有無を最初に確認したうえで、食品を守るための初動、冷蔵庫だけの故障か停電など電源側の問題かの切り分け、修理相談や買い替えに進むための準備、そして不要になった冷蔵庫を正しく処分する方法までを順番に案内します。

個別の機種の分解修理や、冷媒配管・電気配線の修理をご自身で行うための記事ではありません。機種固有の故障診断やエラーコードの意味、修理料金や部品の有無は、メーカーや購入店への確認が必要になります。

この記事を読むことで、危険な異常があるかどうかの確認、食品を残せるかどうかの判断材料、そして修理・買い替え・処分のどこへ進むべきかを判断できる状態を目指します。

このページで分かること

  • 危険につながる異常があるかどうかの確認方法
  • 危険がない場合に、まず行う初動(扉の開閉を最小限にすること)
  • 冷蔵庫だけの故障か、停電など電源側の問題かを確認する方法
  • 庫内の食品を残せるかどうかを判断するための確認軸
  • 危険回避・食品保全・修理相談それぞれについて、いつまでに対応すべきか
  • 修理を依頼するか、買い替えるかを判断するための材料
  • 修理・相談の前に準備しておくもの
  • 買い替え・処分するときの、家電リサイクル法に沿った進め方
  • リコール対象かどうかの確認方法

対象読者

  • 自宅の冷蔵庫が急に冷えなくなった方
  • 冷蔵庫から異音・異臭・水漏れなどが出ている方
  • 冷蔵庫が止まってしまい、庫内の食品が心配な方
  • 修理を依頼するか、買い替えるかを判断したい方

更新日

更新日:2026年9月12日

まず最初にすること

冷蔵庫の不調に気づいたら、最初に「危険につながる異常があるかどうか」を確認します。

危険につながる異常がある場合は、安全に行える範囲で使用を中止し、メーカーまたは販売店へ相談します。

危険につながる異常がない場合は、冷蔵庫の扉をできるだけ開けないようにしたうえで、冷蔵庫だけの故障なのか、停電など家全体の電源側の問題なのかを確認します。

危険な異常があるときは使用を止める

一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)は、冷蔵庫について次のような異常がある場合、電源プラグを抜き、販売店またはメーカーサービスへ相談するよう案内しています。

  • 電源コードやプラグが異常に熱い
  • 電源コードに深い傷や変形がある
  • 本体に触れると電気を感じる
  • 焦げくさい臭いがする
  • 異常な音がする
  • 異常な振動がある
  • 床にいつも水がたまっている

これらの異常が見られる場合は、安全に行える範囲で使用を中止し、メーカーまたは販売店へ相談します。

コードやプラグに深い傷・変形がある、あるいは本体に触れると電気を感じるなど、プラグに触れること自体が危険だと感じられる状況では、無理にプラグへ触れて抜こうとしないでください。

冷蔵庫の扉はできるだけ開けない

危険につながる異常がない場合は、冷蔵庫の扉の開閉をできるだけ最小限にします。

農林水産省は、停電時には電気が復旧するまで冷蔵庫の開閉を最小限にするよう案内しています。冷蔵庫自体の不調で冷却能力が失われている場合も、庫内の冷気をできるだけ逃がさないという同じ考え方で、まず扉を閉め、開閉を最小限にします。

ただし、故障の場合は、停電のように「いつから冷えなくなったか」がはっきり分からないことがあります。そのため、扉を閉めている時間だけを根拠に、庫内の状態を安全と判断しないでください。庫内の状態は、この後の「食品を残せるか確認する」で確認します。

冷蔵庫だけの故障か、電源側の問題か確認する

扉を閉めたら、次に、冷蔵庫だけの故障なのか、停電など家全体の電源側の問題なのかを確認します。

  • 家の中の照明や他の家電も使えない状態であれば、家全体の停電など、電源側の問題である可能性があります。
  • 他の照明や家電は普段どおり使えているのに冷蔵庫だけが動いていない、あるいは表示やエラーが出ている場合は、冷蔵庫自体の不調である可能性があります。

停電など家全体の電源側の問題である場合、その時点で冷蔵庫の故障と決めつけません。扉の開閉を最小限にし、停電時の食品保全を優先します。停電が復旧したあとも冷蔵庫が冷えない、異常な症状が続くなどの場合は、あらためて冷蔵庫自体の不調としてメーカーへの確認に進みます。

冷蔵庫本体に表示やエラーコードが出ている場合、その表示・エラーコードの意味や、電源の入れ直しなど機種固有の対処方法は、この記事だけでは判断できません。取扱説明書またはメーカーで確認してください。

食品を残せるか確認する

冷蔵庫だけの故障の可能性がある場合、またはどちらか判断がつかない場合も、扉を開けないようにしたまま、庫内の食品を残せるかどうかを確認します。

厚生労働省は、家庭での保存の目安として、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下としています。

農林水産省は、停電などで扉を開けない場合の低温保持時間の目安として、冷蔵庫は約4時間、冷凍庫は約1〜2日としています。ただし、この目安は気温や庫内の食品量によって変わる参考値であり、故障の場合にそのまま当てはめられるとは限りません。

故障では、停電と異なり「いつから冷却が止まっていたか」がはっきり分からない場合があります。そのため、「発見してから4時間以内だから安全」「1〜2日以内だから冷凍食品は必ず安全」のように、経過時間の目安だけで安全と判断しないでください。

食品を残せるかどうかは、次のような点をあわせて確認します。

  • 庫内の温度
  • いつから冷却が止まっていた可能性があるか
  • 食品の種類(傷みやすい肉・魚・惣菜などかどうか)
  • 要冷蔵・要冷凍の表示があるかどうか
  • 食品が完全に溶けているかなど、解凍の状態

傷みやすい肉・魚・惣菜など、要冷蔵・要冷凍の食品で、適正な温度を保てていなかったと考えられるものは、無理に食べようとせず処分してください。

完全に溶けてしまった冷凍食品を、そのまま再び冷凍することは避けてください。

いつまでに対応するか

  • 危険につながる異常がある場合:直ちに使用を中止し、メーカーまたは販売店へ相談します。
  • 冷蔵庫の扉の開閉を控えること:故障や停止に気づいた時点からすぐに行います。
  • 食品の状態の確認:できるだけ早く行います。
  • 修理相談:安全の確保と食品の保全を終えたあと、できるだけ早く行います。
  • 全国一律の法令上の期限は確認されていません。

修理を依頼するか、買い替えるか判断する

修理を依頼するか買い替えるかは、使用年数や金額だけで一律に決められるものではありません。次のような材料をあわせて確認し、判断します。

  • 保証や延長保証があるかどうか
  • 冷蔵庫の型式・購入時期
  • メーカーによる診断結果
  • 修理が可能かどうか、部品があるかどうか
  • 修理の見積額
  • 修理が終わるまでの間、食品を保管できる代替手段があるかどうか
  • 買い替える場合の納期

これらを確認したうえで、修理へ進むか、買い替えへ進むかを判断してください。

修理・相談の前に準備するもの

メーカーや購入店へ相談する前に、次の情報を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。

  • メーカー名
  • 型式・製造番号
  • 購入時期
  • 保証書や延長保証の書類
  • 症状の内容
  • いつ気づいたか
  • エラー表示の有無・内容
  • 異音・異臭・水漏れの有無

保証や延長保証がある場合は、保証書類等を確認したうえで、延長保証会社または加入した販売店へ相談してください。

修理用の性能部品をメーカーがどのくらいの期間保有しているかは、製品やメーカーによって異なります。部品の在庫や修理可否は、メーカーまたは購入店に確認してください。

買い替え・処分するときの進め方

経済産業省によると、家庭用の冷蔵庫・冷凍庫は家電リサイクル法の対象です。

  • 買い替える場合:新しい製品を購入する小売業者へ、古い冷蔵庫の引取りを依頼します。
  • 処分だけを行う場合:その製品を購入した小売業者へ引取りを依頼します。
  • 購入した店が分からない場合など:お住まいの市区町村が案内する方法を確認します。

いずれの場合も、リサイクル料金と収集・運搬料金が必要です。料金や具体的な回収方法は、小売業者や自治体によって異なります。

不要になった冷蔵庫を、自治体の粗大ごみとして通常どおり処分できるとは限りません。買い替え・処分の際は、上記の家電リサイクル法に沿った経路で手続きしてください。

リコールも確認する

消費者庁は、リコール対象製品であれば使用を中止し、事業者の案内に従うよう呼びかけています。冷蔵庫にも、過去にリコールや重大事故の例があります。

型式が分かる場合は、消費者庁のリコール情報サイトまたはメーカーの告知で、お使いの冷蔵庫がリコール対象になっていないかを確認してください。リコール対象であることが分かった場合は、事業者の案内に従って対応します。

チェックリスト

相談先

  • メーカーのサポート窓口:修理相談、機種固有の診断、部品の有無、リコール対象かどうかの確認
  • 購入した販売店:修理相談、保証の確認、買い替え・処分時の引取り依頼
  • 保証書に記載の保証会社・延長保証会社:延長保証の適用可否の確認
  • お住まいの市区町村:購入店が分からない場合の冷蔵庫の回収方法の確認

公式リンク