法テラスの犯罪被害者支援ダイヤルに相談する
概要
犯罪の被害にあうと、何をどこへ相談すればよいか分からず、最初の一歩に迷うことが少なくありません。法テラス(日本司法支援センター)の「犯罪被害者支援ダイヤル」は、犯罪被害にあった本人やその家族などが、状況や困りごとに応じて、法制度・刑事手続・支援制度・相談窓口についての情報を受け取り、必要に応じて弁護士紹介や弁護士費用援助制度の案内までつながる入口です。
このダイヤル自体が弁護士による法律相談の場ではなく、まず状況を聞いたうえで情報提供・窓口案内・制度案内・必要な場合の弁護士紹介を行う窓口である、という位置付けを理解しておくことが、電話をかける前の最初の確認事項になります。
この記事では、このダイヤルが何をする窓口か、誰が電話してよいか、電話前に何を準備すればよいか、電話で何を伝えればよいか、電話後にどのような案内を受け得るかを、法テラス公式サイトで確認できる範囲で案内します。個別の被害についての法律判断や、各制度の詳細な申請手順までは扱いません。
このページで分かること
- 犯罪被害者支援ダイヤルがどのような役割の窓口か
- 誰が電話してよいか、どのような被害を想定しているか
- 電話番号と受付時間(IP電話からかける場合の注意を含む)
- 今まさに危険が迫っている場合はこのダイヤルではなく緊急通報を優先すること
- 電話前に準備しておくとよいこと(すべて任意)
- 電話で最初に何を伝えればよいか
- 電話後にどのような情報提供・案内を受けられる可能性があるか
- 弁護士紹介や弁護士費用が心配な場合に、どのような案内につながり得るか
対象読者
- 犯罪の被害にあい、どこへ相談すればよいか分からない人
- 警察以外の支援先や法制度を知りたい人
- 弁護士に相談したいが、探し方や費用面が分からない人
- 被害にあった家族などについて、支援情報を探している人
- 自分の状況がどの制度の対象になるか分からず、まず入口で整理したい人
更新日
更新日:2026年9月5日
まず確認すること
電話する前に、次の6点を確認します。
- 今まさに命や身体に危険が迫っている状況ではないか
- 犯罪被害に関する相談であるか
- 本人として相談するか、家族等として支援情報を求めるかを整理しているか
- 今が電話可能な受付時間内であるか
- かける電話がIP電話かどうか
- 今いちばん知りたいことを、一つだけでも思い浮かべられるか
すべてを完全に整理できていなくても、この6点を大まかに意識しておくだけで電話をかけやすくなります。
犯罪被害者支援ダイヤルとは
犯罪被害者支援ダイヤルは、法テラス(日本司法支援センター)が設けている電話窓口です。犯罪被害にあった本人やその家族などからの問い合わせに対し、状況やニーズに応じて、法制度・刑事手続・支援制度・相談窓口についての情報を案内します。
内容によって弁護士への相談が必要と考えられ、本人が希望する場合には、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介や、条件に応じた弁護士費用援助制度の案内につながることもあります。
このダイヤルは、電話をかけた時点で弁護士による法律相談そのものが行われる窓口ではありません。まず法テラス側が状況を聞き取り、情報提供・相談窓口の案内・利用可能性のある制度の案内・必要に応じた弁護士紹介を行う入口として利用します。
相談できる人
- 犯罪の被害にあった本人
- 被害にあった人の家族など、被害後の支援情報を得たい人
- 暴力、性犯罪、DV、ストーカー、児童虐待、生命・身体に関わる犯罪、交通犯罪など、法テラスが犯罪被害者支援として扱う幅広い被害にあった人
「自分の被害がどの制度の対象になるか分からない」という段階でも、制度や相談先を整理する入口として利用できます。対象になるかどうかを自分で判断してからでないと電話できない、というものではありません。
相談できる内容
電話では、状況に応じて次のような内容の案内を受けられます。
- 犯罪被害に関係する法制度・刑事手続等についての情報
- 状況やニーズに合った相談機関・支援窓口の案内
- 犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介(必要性があり、本人が希望する場合)
- 条件に応じた弁護士相談や弁護士費用援助制度の案内
- 犯罪被害者等法律援助、DV等被害者法律相談援助、民事法律扶助、国選被害者参加弁護士制度、日弁連委託援助といった制度への案内
これらの制度の詳細な対象条件や申請方法は、この記事では扱いません。案内を受けた段階で、法テラス側の説明に沿って確認してください。
電話番号・受付時間
- 犯罪被害者支援ダイヤル:0120-079714(なくことないよ)
- 問い合わせは無料
- IP電話からかける場合:03-6745-5601(通話料がかかる)
- 受付時間:平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00
- 休業:日曜・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)
IP電話を使っている場合は、0120番号ではなく別番号にかけることになり、通常の通話料がかかる点に注意してください。
緊急の危険がある場合
犯罪被害者支援ダイヤルは、今まさに命や身体に危険が迫っている状況での緊急通報先ではありません。
緊急の危険がある場合は、このダイヤルよりも先に、110番など緊急性に応じた機関へ連絡してください。
電話する前に準備すること
次の5点は、あると電話しやすくなる任意のメモです。少なくともこの記事で確認した法テラス公式情報では、電話前に一律必須とされる持ち物や書類は示されていません。
- 何が起きたか(話せる範囲でよい)
- いつごろ起きたか
- 今いちばん困っていること
- すでに相談した機関があるか(警察、医療機関、自治体、その他の窓口など)
- 今知りたいこと・希望すること(相談先、弁護士、費用援助、刑事手続、損害賠償など)
これらを完璧に整理できていなくても電話してかまいません。分からない項目があれば、その旨を伝えたうえで電話を始めれば十分です。
電話で伝えること
電話では、次のような内容を、話せる範囲で伝えます。
- 犯罪被害に関する相談であること
- 話せる範囲での状況(何が起きたか、いつごろ起きたか)
- 今いちばん困っていること
- すでに相談した機関があるかどうか
- 今知りたいこと・希望する対応(相談先、弁護士、費用援助、刑事手続、損害賠償など)
最初の一言は、たとえば次のような伝え方で十分です。
「犯罪被害について相談先を知りたくて電話しました。今困っているのは○○です。」
その後は、法テラス側からの確認に沿って話していけば、必要な内容を伝えられます。
相談の流れ
- 犯罪被害者支援ダイヤルへ電話する
- 被害や今困っていることを、話せる範囲で伝える
- 法テラス側からの必要な確認に応じる
- 状況に応じて、法制度・刑事手続・支援窓口等についての情報を受け取る
- 必要性と希望に応じて、弁護士紹介や利用可能性のある援助制度の案内を受ける
- 案内された次の相談先・制度について、必要なものだけ進める
この流れは固定された一律の手順ではなく、状況に応じて内容が変わり得るものとして理解してください。
相談した後の主な案内先
電話の内容に応じて、次のような案内につながることがあります。どの案内につながるかは、状況やニーズによって異なります。
| 案内区分 | どんな場合に案内されるか | 何につながるか |
|---|---|---|
| 法制度・刑事手続等の情報提供 | 犯罪被害後に関係する法制度や手続きを知りたい場合 | 状況に応じた法制度・刑事手続についての説明 |
| 適切な相談窓口・支援機関の案内 | 相談先が分からない、複数の窓口が考えられる場合 | 状況やニーズに合った相談機関・支援窓口の紹介 |
| 弁護士の紹介 | 弁護士への相談が必要と考えられ、本人が希望する場合 | 犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介 |
| 犯罪被害者等法律援助等の制度案内 | 対象となり得る犯罪被害で、弁護士費用の援助を必要とする場合 | 犯罪被害者等法律援助(犯罪被害者等支援弁護士制度)についての案内 |
| DV等被害者法律相談援助等の制度案内 | DV、ストーカー、児童虐待等に関する法律相談を必要とする場合 | DV等被害者法律相談援助等の制度についての案内 |
| 民事法律扶助その他の制度案内 | 上記以外に利用可能性のある援助制度が考えられる場合 | 民事法律扶助その他の制度についての案内 |
弁護士を紹介してもらえる場合
問い合わせ内容から弁護士への相談が必要と考えられ、本人がそれを希望する場合には、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介を受けられることがあります。紹介される弁護士は、弁護士会から推薦を受けた、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士です。
電話をかければ必ず弁護士が紹介されるわけではありません。また、電話に出る担当者自身が法律相談に答えるものでもありません。紹介を受けた場合でも、実際にその弁護士へ依頼するかどうかは別の判断であり、紹介を受けたことがそのまま依頼の義務にはなりません。
弁護士費用が心配な場合
弁護士費用が心配な場合は、条件に応じて次のような制度の案内を受けられることがあります。
- 犯罪被害者等法律援助(犯罪被害者等支援弁護士制度):2026年1月13日から運用が開始された制度で、一定の犯罪被害や資力等の要件がある、原則無料の弁護士支援の仕組みです。
- DV等被害者法律相談援助:DV、ストーカー、児童虐待などについて、弁護士による法律相談につなぐ制度です。
- 民事法律扶助、国選被害者参加弁護士制度、日弁連委託援助など:状況に応じて案内される、その他の弁護士費用に関わる制度です。
これらの制度には、対象となる犯罪の種類や資力等の要件があり、誰でも無条件に無料で利用できるわけではありません。具体的に自分が対象になるかどうかは、電話で状況を伝えたうえで案内を受けて確認してください。
家族が相談したい場合
被害にあった本人の家族なども、支援情報を得るための入口としてこのダイヤルへ電話できます。
ただし、家族としての情報問い合わせと、本人に代わってすべての法律相談や手続きを進めることとは別です。家族自身が相談者となれる制度・場面もありますが、本人に代わって対応できる範囲は制度や状況によって異なるため、電話の中で確認してください。
うまく説明できない場合
何をどこまで話せばよいか分からなくても、電話をかけてかまいません。
話せる範囲を伝えれば、その後は法テラス側からの質問に沿って話を進められます。被害の詳細をすべて整理してから、または完璧に説明できる状態になってから電話する必要はありません。
相談内容の秘密
法テラスの公式サイトでは、問い合わせ・相談内容の秘密を厳守すると案内されています。
費用
犯罪被害者支援ダイヤル(0120-079714)への問い合わせ自体は無料です。IP電話から別番号(03-6745-5601)にかける場合は、通常の通話料がかかります。
電話そのものは無料でも、案内された先の弁護士相談や弁護士費用援助制度については、制度ごとに対象犯罪や資力等の要件があり、すべてが無条件に無料になるわけではありません。費用面の詳細は、案内を受けた制度について個別に確認してください。
よくある間違い
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 電話をかけると弁護士が直接電話に出て、その場で法律相談に答えてくれる | まず法テラス側が状況を聞き取り、情報提供や窓口案内を行う入口であり、弁護士による法律相談そのものではない |
| 警察へ被害届や告訴をしていないと相談できない | 法テラス公式案内では、警察への届出を済ませていることは、ダイヤルへ問い合わせるための一律条件として示されていない |
| 証拠がそろっていないと相談できない | 法テラス公式案内では、証拠がそろっていることは、ダイヤルへ問い合わせるための一律条件として示されていない |
| 何を相談したいか完璧に整理してからでないと電話できない | 整理が不十分でも、法テラス側の確認に沿って話せば相談を進められる |
| 電話すれば必ず弁護士を紹介してもらえる | 紹介は、内容から必要性があり、本人が希望する場合に行われるものであり、すべての相談で行われるとは限らない |
| 弁護士を紹介されたら、必ずその弁護士に依頼しなければならない | 紹介を受けることと、実際に依頼するかどうかの判断は別であり、依頼が義務付けられるものではない |
| どの弁護士費用援助制度も、誰でも無料で利用できる | 制度ごとに対象犯罪や資力等の要件があり、無条件ですべての人が無料で利用できるとは限らない |
| 家族は本人の代わりにすべての法律相談ができる | 家族としての情報問い合わせと、本人に代わる法律相談は別であり、対応できる範囲は状況によって異なる |
| 今まさに命や身体に危険が迫っている場合も、このダイヤルへ電話すればよい | 緊急の危険がある場合は、110番など緊急性に応じた機関への連絡を優先する |
| IP電話からかけても、0120番号と同じように無料で利用できる | IP電話からは別番号にかけることになり、通話料がかかる |
判断できない場合
自分の被害がどの制度の対象になるか、電話してよい内容かどうか自分で判断できない場合でも、犯罪被害者支援ダイヤルへ電話してかまいません。
判断そのものを、電話の中で法テラス側の確認を受けながら整理することができます。電話する前に、対象かどうかを自分で確定させておく必要はありません。
相談前チェックリスト
相談先
- 犯罪被害者支援ダイヤル:0120-079714(なくことないよ)
- IP電話から:03-6745-5601(通話料がかかる)
- 受付時間:平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00
- 休業:日曜・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)