自宅が浸水したときに対応する

概要

大雨、洪水、内水氾濫などで自宅が浸水した場合、片付けや修理を急ぐ前に、安全の確認と被害の記録を行うことが重要です。

この記事は、水位上昇や再氾濫などの危険がすでに去り、自宅に戻って片付けを始められる段階を主な対象とします。危険が続いている場合は、片付けよりも避難・安全確保を優先してください。

この記事では、浸水直後から初期の復旧までに必要な、安全確認、被害記録、清掃・乾燥、そして罹災証明・保険・管理会社などへの確認の進め方を、行う順番に沿って説明します。制度の詳細な説明や個別の修理方法は扱いません。

このページで分かること

  • 自宅へ入って作業してよいか
  • 片付ける前に何を記録すればよいか
  • 浸水した電気製品やガス・石油機器を、使う前に誰へ確認すればよいか
  • 清掃・乾燥をどのように始めればよいか
  • 罹災証明書・保険・自治体・管理会社などのどこへ連絡すればよいか

対象読者

  • 大雨、洪水、内水氾濫などで自宅が浸水した人
  • 床下浸水・床上浸水のいずれの場合も含みます
  • 避難先から自宅へ戻った人、または水が引き始めて片付けを考えている人

自宅への浸水が迫っている段階で、避難するかどうかを判断したい場合は、この記事の対象外です。避難に関する情報を優先して確認してください。

更新日

更新日:2026年9月12日

まず確認すること

次の順番で確認します。

  1. 危険が続いていないか確認する:水位の上昇や再氾濫のおそれがある場合は、片付けを始めず、安全な場所へ移動してください。
  2. 片付ける前に被害状況を写真で記録する
  3. 浸水した電気製品・ガス・石油機器を、自己判断で使わない
  4. 保護具を着けて、清掃・乾燥を進める

この順番のとおりに進めることで、記録や安全確認をしないまま片付けを始めてしまうことを防げます。

片付ける前に被害状況を記録する

片付けや修理、廃棄を始める前に、可能な範囲で被害状況を写真に残してください。この記録は、後で罹災証明書の申請や保険会社への請求を行う際に役立ちます。

記録する際は、次の点を意識してください。

  • 家の外観は、できるだけ4方向から撮影する
  • 浸水していた場合は、浸水の深さが分かるように撮影する
  • 家の中は、被害を受けた部屋ごとに全景を撮影したうえで、被害箇所の寄りの写真も撮影する
  • 破損した家財や設備も、処分・修理の前に撮影する

安全確保や防犯上、写真を撮る前に片付けや応急的な処置が必要になる場合もあります。その場合でも、可能な範囲で先に、または並行して写真を残してください。

電気・ガス・浸水した機器を安全確認する

浸水した電気製品や、ガス・石油機器は、外見が乾いていても、自己判断でそのまま使用しないでください。内部に水や泥、塩分などが残っていると、使用を再開したときに火災や不完全燃焼につながるおそれがあります。

  • 浸水した電気製品やガス・石油機器は、メーカーや販売店、ガス事業者などに相談し、点検・修理などを受けてから使用するかどうかを判断してください。
  • 分電盤やコンセント、配線自体が浸水・損傷している場合は、無理に触れたり通電したりせず、電力会社や電気工事店などへ確認してください。
  • 浸水した電気製品や、損傷が疑われる機器は、乾いたように見えても通電しないでください。
  • ガス臭がする場合は、火気を使用せず、換気扇や電気のスイッチにも触れないでください。窓を開けて換気し、ガス栓などを閉めたうえで、ガス事業者へ連絡してください。

分電盤、コンセント、配線などに異常がある場合や、再通電・再使用の可否に不安がある場合は、電力会社や電気工事店、メーカーなどに確認してください。

浸水した家を清掃・乾燥する

浸水した家屋の清掃では、感染症のリスクに注意が必要です。次の点を優先してください。

  • 手袋、底の厚い靴、ゴーグル、マスクなどを着用する
  • 窓やドアを開けて換気する
  • 汚泥を十分に取り除く
  • 洗浄したうえで、しっかりと乾燥させる

感染症の予防では、消毒そのものよりも、清掃と乾燥が重要とされています。

消毒が必要な場合に確認すること

家屋が浸水した場合は、まず土砂の撤去、十分な清掃、乾燥を優先してください。消毒は、その後に必要に応じて行うものであり、清掃・乾燥の代わりにはなりません。

床下や庭など、屋外部分の消毒は、原則として不要とされています。

家屋の消毒について分からないことがある場合は、市区町村の窓口へ問い合わせてください。

捨てる物・災害ごみの扱いを確認する

浸水した家財などを災害ごみとして処分する場合の出し方、仮置場、回収の対象などは、災害や自治体によって異なります。

お住まいの市区町村の公式情報で、次を確認してください。

  • 災害ごみとして受け付けているか
  • 出し方・分別方法
  • 仮置場の有無・場所
  • 回収の時期・対象

罹災証明書を確認する

罹災証明書の申請方法や受付期間、必要書類などは、自治体によって運用が異なります。この記事では、全国一律の期限や手続き方法として断定しません。

お住まいの市区町村で、次を確認してください。

  • 申請受付の有無・期間
  • 申請方法(窓口、郵送、オンラインなど)
  • 必要書類・本人確認の方法
  • 被害状況の写真などの提出要否
  • 被害認定調査の有無・時期

保険へ連絡する

火災保険や家財保険などに加入している場合、水災に対する補償の有無や内容は、契約タイプによって異なります。加入状況が分からない場合も含めて、保険会社や代理店へ確認してください。

確認する内容の例は次のとおりです。

  • 水災補償の対象になるか
  • 建物・家財のどちらが対象か
  • 写真、見積書、領収書などの必要資料
  • 修理や廃棄を始める前に、連絡や手続きが必要かどうか

可能な範囲で、片付けや修理の前に損傷箇所を撮影しておくと、保険会社への確認や請求の際に役立ちます。

賃貸住宅・マンションの場合に確認すること

住まいの形態によって、連絡・確認する相手が異なります。

  • 賃貸住宅の場合:管理会社や大家への連絡を優先してください。修繕の責任範囲、立ち入りや工事の進め方、連絡の手順などを確認してください。
  • 分譲マンションの場合:共用部分や共用の電気設備などについて、管理会社や管理組合への確認が必要になる場合があります。

自宅に住み続けてよいか迷うとき

自宅にそのまま住み続けてよいかどうかは、この記事の内容だけで判断できるものではありません。特に、次のような場合は、専門家や関係する事業者への確認が必要です。

  • 浸水した電気設備やガス・石油機器について、点検・修理の要否がまだ確認できていない場合は、電力会社、電気工事店、メーカー、ガス事業者などへ確認してください。
  • 賃貸住宅・マンションの場合は、管理会社や管理組合にも状況を伝え、必要な確認を依頼してください。
  • 建物自体の構造的な安全性に不安がある場合は、この記事では判断せず、専門家への相談が必要な事項として扱ってください。

これらの確認を終えるまでは、判断を急がず、安全側の行動を優先してください。

チェックリスト

相談先

確認先 どのような場合に確認するか 確認する内容
市区町村の窓口 罹災証明、災害ごみ、消毒について確認したい場合 申請受付・申請方法・必要書類・災害ごみの出し方など
保険会社・代理店 火災保険・家財保険などに加入している、または加入状況が分からない場合 水災補償の対象・必要資料・手続き前の連絡要否
電力会社・電気工事店・メーカーなど 分電盤、コンセント、配線、家電などが浸水・損傷した場合 再通電・再使用の可否、点検・修理の必要性
ガス事業者・メーカーなど ガス臭がする、ガス設備・ガス機器が浸水・損傷した場合 供給状態、機器点検、再使用の可否
管理会社・大家・管理組合 賃貸住宅・分譲マンションに住んでいる場合 共用設備、修繕の責任範囲、立ち入り・工事の進め方

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