埋葬料(埋葬費)を申請する
対象読者・更新日
- 対象読者:会社員等として健康保険(協会けんぽ・健康保険組合等)に加入していた被保険者、またはその被扶養者が亡くなり、埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の申請を検討している方
- 更新日:2026年9月23日
概要
会社員等が加入する健康保険には、被保険者またはその被扶養者が亡くなったときに支給される給付があります。この給付は、亡くなった方と申請する方の立場によって、「埋葬料」「埋葬費」「家族埋葬料」のいずれかに分かれます。
似た名前の給付に、国民健康保険や後期高齢者医療制度の「葬祭費」がありますが、これは別の制度です。この記事では、被用者健康保険の埋葬料・埋葬費・家族埋葬料について案内します。国民健康保険等の葬祭費を確認したい方は、加入していた市区町村または後期高齢者医療広域連合へお問い合わせください。
この記事では、亡くなった方と申請する方の関係から、確認すべき給付の種類を判断し、申請者の条件、支給額の基本、必要書類、提出先、申請期限までを順に案内します。
まず、亡くなった方が死亡時にどの健康保険に加入していたか、申請する方がどのような立場にあるかを確認するところから始めます。
このページで分かること
- 埋葬料・埋葬費・家族埋葬料のうち、自分が確認すべき給付
- それぞれの給付を申請できる人の条件
- 支給額の基本的な考え方
- 資格喪失後に亡くなった場合の代表的な条件
- 申請に必要な書類の代表例と提出先
- 申請期限とその起算日
- 記事だけで判断できない場合に、どこへ何を確認するか
最初にやること
次の二点を確認します。
- 亡くなった方が、死亡時にどの健康保険に加入していたか
- 自分が、亡くなった方に対してどのような立場にあるか
加入していた健康保険の確認方法
資格情報のお知らせ、マイナポータル、勤務先、または加入していた健康保険者に確認します。
- 協会けんぽ・健康保険組合等の被用者健康保険に加入していた場合:この記事の対象です。
- 国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合:この記事の対象ではありません。加入していた市区町村または後期高齢者医療広域連合へ「葬祭費」の申請について確認します。
被用者健康保険に加入していたことを確認できたら、次に「まず、申請する給付を確認する」へ進みます。
まず、申請する給付を確認する
亡くなった方と申請する方の組み合わせによって、確認する給付が変わります。次の表で、自分が確認すべき給付を判断します。
| 亡くなった方 | 主な申請者 | 確認する給付 | 支給の基本 |
|---|---|---|---|
| 被保険者 | 被保険者に生計を維持されていた人 | 埋葬料 | 5万円 |
| 被保険者 | 生計を維持されていた人がいない場合に、実際に埋葬を行い費用を負担した人 | 埋葬費 | 実費、上限5万円 |
| 被扶養者 | 被保険者 | 家族埋葬料 | 5万円 |
埋葬料と埋葬費は、単に名前が違うだけの給付ではありません。申請できる人の条件と支給額の考え方がそれぞれ異なります。
- 埋葬料は、被保険者に生計を維持されていた人が申請します。生計維持は、法律上の親族や同居に限定されません。生活費の一部でも被保険者によって維持されていたかどうかで確認します。
- 埋葬費は、埋葬料を申請できる生計維持者がいない場合に限られる給付です。実際に埋葬を行い、その費用を負担した人が申請できます。支給額は実費で、上限は5万円です。埋葬費は、葬儀にかかった費用の全額を補償する制度ではありません。
- 家族埋葬料は、被扶養者が亡くなったときに、被保険者本人が申請する給付です。
なお、協会けんぽの公式ページでは、この給付を「家族埋葬費」と表記している箇所がありますが、この記事では健康保険法上および申請実務上の呼び方に合わせて「家族埋葬料」で統一します。
給付ごとに申請期限の起算日が異なります。詳しくは「期限・いつまでに」で案内します。
自分がどの給付に当てはまるか判断できたら、「状況別」で該当する項目を確認します。
状況別
被保険者に生計を維持されていた人が申請する
被保険者本人が亡くなり、その方に生計を維持されていた人がいる場合、その人が埋葬料を申請します。
- 生計維持は、配偶者・親族・同居に限定されません。生活費の一部でも被保険者により維持されていたかで確認します。
- 生計維持関係を証明する書類が必要かどうか、必要な場合にどのような書類が求められるかは、加入していた健康保険者に確認します。
- 支給額は5万円です。
生計を維持されていた人がいないため、埋葬を行った人が申請する
被保険者本人が亡くなり、生計を維持されていた人がいない場合は、実際に埋葬を行い、その費用を負担した人が埋葬費を申請できます。
- 埋葬費は、埋葬料を申請できる人がいる場合には申請できません。まず、生計維持者の有無を確認します。
- 支給額は実費で、上限5万円です。葬儀にかかった費用の全額が支給されるわけではありません。
- 埋葬にかかった費用の領収書と、費用の明細が必要になります。
- 「埋葬を行った人」は、葬儀の喪主と必ずしも同じとは限りません。実際に埋葬の手配と費用負担を行った人で確認します。
被扶養者が亡くなった
被保険者の被扶養者が亡くなった場合、被保険者本人が家族埋葬料を申請します。
- 支給額は5万円です。
- 申請者は被保険者本人であり、被扶養者の遺族が別に申請する給付ではありません。
資格喪失後に亡くなった
退職等により健康保険の資格を喪失した後に被保険者本人が亡くなった場合でも、次のいずれかに該当するときは、資格喪失前の健康保険から埋葬料または埋葬費が支給される可能性があります。
- 資格喪失後3か月以内に亡くなった
- 資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなった
- その継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなった
ただし、次の場合は対象外です。
- 資格喪失後に加入した別の健康保険で、すでに同種の給付を請求している場合は、資格喪失前の健康保険からは重複して支給されません。
- 資格喪失後に元被扶養者が亡くなった場合、元の健康保険から家族埋葬料は支給されません。死亡時に加入していた制度を確認します。
自分の状況がこの3条件に当てはまるか判断できない場合は、資格喪失前の健康保険者に確認します。
仕事中・通勤途中または第三者行為が関係する
死亡の原因が仕事中や通勤途中の事故である場合、健康保険ではなく労災保険の葬祭料・葬祭給付が関係する可能性があります。
- 健康保険へ埋葬料等を申請する場合でも、労災保険の給付を請求しているときは、照会同意書等の追加書類が必要になることがあります。
- どちらの制度へ申請するかは、この記事だけでは判断できません。勤務先、労働基準監督署、または加入していた健康保険者に確認します。
交通事故など、第三者の行為が死亡の原因に関係している場合は、「第三者行為による傷病届」等の追加書類が必要になることがあります。必要書類については、加入していた健康保険者に確認します。
国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた
亡くなった方が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合、この記事で案内する埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の対象ではありません。
- 確認する給付は「葬祭費」です。
- 加入していた市区町村または後期高齢者医療広域連合へ確認します。
- この記事では、葬祭費の詳細は扱いません。
手続きの流れ
- 亡くなった方が死亡時に加入していた健康保険を確認する
- 「まず、申請する給付を確認する」の表で、確認する給付を判断する
- 自分が申請者の条件に当てはまるか確認する
- 申請書と必要書類を準備する
- 加入していた健康保険者へ申請する。協会けんぽでは、埋葬料(費)支給申請書は電子申請の対象です。申請者や添付書類の条件によっては紙の申請書を郵送する必要があるため、申請前に対象条件を確認します。
- 受付後の審査状況について、必要に応じて健康保険者へ確認する
協会けんぽ以外の健康保険組合等に加入していた場合、申請書の様式や提出方法が異なることがあります。加入していた健康保険者に確認します。
必要なもの
申請には、健康保険埋葬料(費)支給申請書と、申請する人・給付区分・死亡の確認方法などに応じた添付書類が必要です。実際に必要な書類は個別の状況で異なるため、ここでは協会けんぽの代表例として整理します。
被保険者が亡くなり被扶養者が申請する場合、または被扶養者が亡くなり被保険者が申請する場合
- 事業主による死亡の証明が基本です。
- 事業主の証明を受けられない場合や任意継続被保険者等の場合は、埋葬・火葬許可証の写し、死亡診断書等の写し、戸籍、住民票など、公式案内に示された死亡を確認できる書類を確認します。
被扶養者ではない、生計を維持されていた人が埋葬料を申請する場合
- 亡くなった被保険者と申請者が記載された住民票
- 別居していた場合は、仕送りや公共料金の支払いなど、生計維持関係を確認できる書類
埋葬費を申請する場合
- 埋葬にかかった費用の領収書(支払った人の氏名と費用額を確認できるもの)
- 費用の明細が分かる書類
状況によって追加される書類
- 死亡原因が業務上・通勤災害に関係し、労災保険の給付を請求中の場合:労働基準監督署への照会に関する同意書等
- 死亡原因が第三者行為に関係する場合:第三者行為による傷病届等が必要になることがあります。
電子申請ではアップロードする書類が指定されています。申請者の立場によっては電子申請を利用できず、紙の申請書と戸籍謄本等を郵送する場合もあります。協会けんぽ以外の健康保険では必要書類が異なることがあるため、加入していた健康保険者に確認します。
期限・いつまでに
給付の種類によって、申請期限の起算日が異なります。
| 給付 | 期限 | 起算日 |
|---|---|---|
| 埋葬料・家族埋葬料 | 起算日から2年 | 死亡年月日の翌日 |
| 埋葬費 | 起算日から2年 | 埋葬を行った年月日の翌日 |
この期限は、健康保険の給付として全国共通です。期限を過ぎると、時効により申請できなくなります。
「早めに申請したほうがよい」という一般的な目安と、2年の時効は別のものです。時効までに時間の余裕がある場合でも、必要書類が整い次第、申請を進めることをおすすめします。
相談先
- 申請書の提出、必要書類の確認、申請方法の問い合わせ:亡くなった方が死亡時に加入していた健康保険者(協会けんぽの都道府県支部、または加入していた健康保険組合等)
- 資格喪失後給付に該当するかどうかの確認:資格喪失前に加入していた健康保険者
- 業務上・通勤災害に関する確認:勤務先、労働基準監督署、または加入していた健康保険者
- 国民健康保険・後期高齢者医療制度の葬祭費に関する確認:加入していた市区町村、または後期高齢者医療広域連合
公式リンク
- 全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」
- 全国健康保険協会「健康保険埋葬料(費)支給申請書」
- 全国健康保険協会「ご本人・ご家族が亡くなったとき(埋葬料・埋葬費)」
- 全国健康保険協会「対象申請(電子申請)」
- 全国健康保険協会「アップロード必要書類(電子申請)」
- e-Gov法令検索「健康保険法」
- e-Gov法令検索「健康保険法施行規則」
注意点
- 国民健康保険・後期高齢者医療制度の「葬祭費」と、被用者健康保険の「埋葬料(費)」は別の制度です。混同しないよう、最初に加入していた健康保険を確認します。
- 「生計を維持されていた人」は、配偶者・親族・同居人に限定されません。生活費の一部でも被保険者により維持されていたかで判断します。「扶養認定」の条件とは同じではありません。
- 埋葬費は、葬儀にかかった費用の全額を補償する制度ではなく、実費・上限5万円の給付です。
- 「埋葬を行った人」は、葬儀の喪主と必ずしも同じ人とは限りません。
- 資格喪失後に元被扶養者が亡くなった場合、元の健康保険から家族埋葬料は支給されません。
- すでに他の健康保険から同種の給付を受けている、または請求している場合、重複して申請することはできません。どちらの保険者から支給されるか分からない場合は、双方の健康保険者に確認します。
- 業務上・通勤災害や第三者行為が死亡に関係する場合、追加の書類や、労災保険との関係の確認が必要になることがあります。
- 協会けんぽ以外の健康保険組合等に加入していた場合、独自の付加給付があることがあります。加入先の健康保険者に確認します。