火災保険の保険金を請求する
概要
住宅の火災保険で補償される可能性のある損害(火災・風災・水災・水濡れ・盗難など)が発生したとき、安全確保後にどう動けばよいかを案内する記事です。
事故連絡から、損害状況の記録、必要書類の準備、保険会社の損害調査、支払結果の確認までの一般的な流れを整理しています。
個別の事故が補償対象になるかどうかをこの記事が代わりに断定することはできません。契約内容・事故原因・損害状況を確認し、契約している保険会社・代理店へ適切に請求できる状態を作ることを目的としています。
事業用の火災保険、地震保険の損害認定・請求手続きの詳細、個別事故の補償可否の断定、修理工事の専門的な施工方法、訴訟手続きの詳細は、この記事の対象外です。
このページで分かること
- 事故直後に何を優先すべきか
- 保険会社・代理店への連絡方法とタイミング
- 契約内容(保険対象・補償原因)の確認ポイント
- 建物と家財の区分
- 損害状況の写真・資料の残し方
- 保険金請求に必要となりうる書類
- 保険金請求の一般的な流れ
- 保険会社の損害調査で確認されること
- 支払われる保険金の内容と請求権の時効
- 支払われない・減額される場合の相談先
対象読者
- 個人向け住宅の火災保険へ加入している人
- 建物または家財に損害が生じた人
- 火災・風災・水災・水濡れ・盗難等が補償対象か確認したい人
- 初めて火災保険の保険金を請求する人
- 支払結果や減額・不払い理由を確認したい人
更新日
更新日:2026年9月4日
最初に確認すること
事故連絡・請求の準備を始める前に、次を確認しておくと手続きがスムーズになります。
- けが人・火災・浸水等の安全上の緊急対応が終わっているか
- 損害の発生日・発生時刻
- 損害が発生した場所
- 主な事故原因
- 契約している保険会社・代理店
- 保険期間内の事故か
- 建物・家財のどちらが損害を受けたか
- 契約上の保険対象
- 関係しそうな補償
- 地震・噴火・津波が原因か
- 写真・見積書等を残せるか
- すでに修理・片付け・業者契約をしているか
すべてを完全に把握できていなくても、契約している保険会社・代理店への連絡は進められます。
事故直後は安全確保と損害拡大防止を優先する
火災、漏水、風水害、盗難などの事故が発生した場合、最初に行うことは生命・身体の安全確保と、必要な公的機関(消防・警察等)への届出です。
損害状況の記録や保険会社への連絡より、安全確保と被害拡大の防止を優先してください。
火災現場、浸水した建物、屋根など危険な箇所に、写真撮影や記録のために無理に近づく必要はありません。危険を冒してまで損害状況を記録する義務はありません。
安全が確保された後、できるだけ早く契約している保険会社・代理店へ連絡する段階に進みます。
まず保険会社・代理店へ事故を連絡する
事故が発生したら、事故原因や補償対象になるかどうかを自分で完全に判断してから連絡する必要はありません。
契約している保険会社・代理店へできるだけ早く連絡することで、保険会社から契約内容の確認、補償内容、必要書類等の説明を受けられます。
「○日以内に連絡しなければならない」という全国一律の期限があるわけではありませんが、事故後はできるだけ早く連絡することが基本です。連絡が遅れることで確認や手続きに時間がかかる場合もあるため、早めの連絡を心がけてください。
保険証券が手元にない、証券番号が分からない場合でも、契約者情報等を伝えれば連絡・請求は進められます。保険証券を紛失・焼失したことは、請求できない理由にはなりません。
事故連絡と保険金請求を分けて考える
事故を保険会社へ連絡することと、保険金の支払いが確定することは、別の段階です。
事故連絡はあくまで手続きの入口であり、連絡した時点で保険金の支払いが決まるわけではありません。
保険会社は、事故連絡を受けたあと契約内容を確認し、必要書類の案内、損害調査を経て、支払保険金または不払いの理由を説明します。
事故連絡を後回しにする理由にはなりませんが、「連絡した=支払われることが確定した」とも考えないようにしてください。
契約している保険の対象を確認する
火災保険では、建物と家財は別の保険対象として扱われます。
契約が「建物のみ」「家財のみ」「建物・家財の両方」のいずれになっているかによって、補償される損害の範囲が変わります。
建物に火災保険を契約していても、家財が自動的に補償対象になるとは限りません。建物と家財、それぞれの契約状況を確認してください。
賃貸住宅に住んでいる場合は、入居者自身の家財に関する契約(借家人賠償責任等を含む契約もあります)と、建物所有者側が契約している火災保険を混同しないよう注意が必要です。自分がどちらの立場の契約者かを確認してください。
どの補償が関係するか確認する
火災保険は、契約内容によって補償される原因(火災・風災・水災・盗難など)の範囲が異なります。
| 補償の原因の例 | 内容の例 |
|---|---|
| 火災・落雷・破裂爆発 | 火災、落雷による損害、ガス漏れ等による破裂・爆発など |
| 風災・雹災・雪災 | 台風・強風、雹、大雪などによる損害 |
| 水災 | 台風・豪雨等による洪水、土砂崩れなどの自然災害による損害 |
| 水濡れ | 給排水設備に生じた事故による漏水・放水等、他の部屋からの水漏れなど |
| 盗難 | 盗難による損害、盗難に伴う損傷 |
| 破損・汚損等 | 偶然な事故による破損・汚損など |
「火災保険という名称だから、火災以外の災害もすべて自動的に補償される」わけではなく、逆に「火災保険は火災による損害しか補償しない」わけでもありません。どこまで補償するかは契約によって異なるため、契約内容(保険証券・約款・補償内容の案内等)で確認してください。
特に、水災(自然災害による洪水・土砂災害等)と水濡れ(給排水設備の不具合等による漏水)は、原因も補償の扱いも異なる場合があるため、区別して確認することが大切です。
地震・噴火・津波が原因の場合は地震保険を確認する
地震、噴火、これらによる津波を原因とする火災や損壊は、通常の火災保険では補償されず、地震保険の領域になります。
火災保険に「地震火災費用」等の特約が付帯している場合でも、その特約は地震保険そのものとは別のものです。地震原因の損害を通常の火災保険請求と同じ扱いで説明することはできません。
地震・噴火・津波が原因と考えられる場合は、契約している保険会社・代理店へ、通常の火災保険の対象になるか、地震保険(加入している場合)の対象になるかを確認してください。地震保険の損害認定・請求手続きの詳細は、この記事の対象外です。
損害状況を写真などで記録する
安全が確保できる範囲で、修理・片付けを始める前に、損害状況を写真や動画で記録しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
- 損傷箇所の全体が分かる写真
- 損傷箇所の近接写真
- 被害を受けた家財の写真
危険な場所へ無理に立ち入って撮影する必要はありません。安全確保、防犯、雨漏り防止などの緊急の応急対応を、写真撮影のために後回しにする必要もありません。
応急対応をした場合も、可能な範囲で対応前の状況を記録し、応急対応にかかった費用の領収書等を保管しておくと、その後の手続きに役立ちます。
修理・片付けを始める前に確認すること
本格的な修理や大規模な片付け、廃棄を始める前に、次を確認してください。
- 写真・動画等の記録を残したか
- 損傷箇所全体と近接写真を撮影したか
- 被害を受けた家財を記録したか
- 保険会社へ連絡したか
- 現地確認(損害調査)が必要かどうか
- 修理見積りが必要かどうか
- 応急処置が必要かどうか
- 廃棄する前に記録・確認が済んでいるか
- 応急処置・修理にかかった領収書等を保管しているか
- 修理業者との契約条件を確認したか
保険会社へ連絡する前に本修理を終えても、常に問題がないとは限りません。可能な限り、損害状況を記録し、保険会社へ必要な確認をしてから本修理を進めることが基本です。
応急処置が必要な場合
雨漏りの拡大防止、防犯対策など、安全上・被害拡大防止のために応急処置が必要な場合は、必要な範囲で行ってかまいません。
応急処置そのものを一律に禁止するものではありません。ただし、可能な範囲で次を行っておくと、その後の手続きに役立ちます。
- 応急処置の前後の状況を写真等で記録する
- 応急処置にかかった費用の領収書等を保管する
- 本格的な修理は、保険会社へ必要な確認をしてから進める
事故連絡時に伝える情報
保険会社・代理店へ事故を連絡する際は、次のような情報を伝えます。
- 契約者・被保険者の氏名
- 契約を特定できる情報(証券番号等、分かる範囲で)
- 事故発生日
- 事故発生場所
- 事故原因
- 損害を受けたもの(建物・家財等)
- 損害の範囲
- 現在の安全状況
- 応急処置・修理の有無
- 連絡先
保険証券番号が分からない場合や、証券を火災・水害等で焼失・紛失している場合でも、これらの情報を伝えれば連絡・請求手続きを進められます。証券番号が分からないことは、連絡を妨げる理由にはなりません。
保険金請求に必要な書類・情報
保険金請求で必要となりうる書類・情報の例は、次のとおりです。
- 保険会社所定の請求情報・請求書
- 事故状況の説明
- 損害状況の写真等
- 修理見積書
- 修理費・応急処置費等の領収書
- 被害を受けた家財の一覧・購入時期等が分かる情報
- 事故を証明する書類(必要な場合)
- 振込先情報
- 本人確認・契約関係を確認する情報(必要な場合)
- 契約先から追加で指定された資料
必要書類は、契約内容や事故の状況によって異なります。すべての請求で同じ書類が一律に必要になるわけではないため、契約している保険会社・代理店からの案内に従って準備してください。
なお、罹災証明書は、火災保険の保険金請求で常に必須の書類ではありません。 自治体の罹災証明書がなくても請求できる場合があります。罹災証明書の要否は、契約している保険会社へ確認してください。
修理見積書を用意するときの確認事項
修理見積書は、保険金請求における重要な資料の一つですが、確認しておきたい点があります。
- 修理見積書の金額が、そのまま保険会社の支払保険金額になるとは限りません。支払額は、補償範囲、損害原因、免責金額、保険金額、約款、損害調査の結果等によって変わり得ます。
- 見積書には、今回の損害に対応する修理項目と、それ以外の改修・グレードアップ部分が混在しないよう、事故に関係する損害の範囲を明確にしてもらうと確認がスムーズです。
- 修理業者から「保険が使える」と言われたことだけで、補償対象になると決まるわけではありません。補償の可否は、契約内容と保険会社の損害認定によって判断されます。
- 見積書を複数の業者から取ることが必須というわけではありませんが、内容に疑問がある場合は保険会社へ相談してください。
保険金請求の流れ
一般的な保険金請求の流れは、次のとおりです。実際の順序や所要期間は、契約内容や損害の状況によって異なります。
- 安全確保・損害拡大防止
- 契約先へ事故連絡
- 契約内容・必要資料の案内を受ける
- 損害状況・見積り等を準備する
- 必要書類を提出し、請求の意思を示す
- 損害調査へ協力する
- 支払保険金・不払い理由等の説明を受ける
- 入金・支払内容を確認する
損害調査では何を確認されるか
保険会社、または保険会社が委託した調査会社が、事故原因や損害状況を確認する場合があります。
損害調査では、主に次のような内容が確認されます。
- 事故の原因(契約している補償の対象かどうか)
- 損害を受けた範囲・程度
- 提出された写真・見積書等の内容
- 必要に応じた現地確認
読者は、提出済みの写真・見積り・事故状況の説明に加え、必要な現地確認等の調査へ協力します。損害調査は、支払われる保険金額を確定するために必要な工程です。
免責金額・自己負担額を確認する
契約によっては、支払われる保険金から一定額を差し引く「免責金額(自己負担額)」が設定されている場合があります。
免責金額の有無や金額は契約によって異なるため、契約している保険会社・代理店へ確認してください。免責金額がある場合、損害額と支払われる保険金額が同額にならないことがあります。
損害保険金と費用保険金・特約を確認する
火災保険では、建物・家財の損害に対する「損害保険金」のほかに、契約によって「費用保険金」等の特約に基づく給付が支払われる場合があります。
損害保険金は、費用保険金・特約を含むすべての給付を意味するわけではありません。損害保険金の支払いが決まったからといって、費用保険金・特約の対象がないかどうかの確認が不要になるわけではありません。
請求手続きを終える前に、契約している特約や費用保険金の対象がないか、保険会社へ確認してください。
支払われる保険金を確認する
損害調査の結果等をもとに、保険会社から支払内容の説明があります。次の点を確認してください。
- 対象となった保険対象(建物・家財等)
- 対象となった補償(火災・風災・水災等)
- 認定された損害額
- 免責・自己負担額
- 支払われる保険金額
- 対象外となった損害の有無
- 費用保険金・特約の有無
- 今後必要な追加手続きの有無
支払いの際には、振込先や支払内容の案内があるため、実際に入金された内容と説明された内容が一致しているかを確認してください。
保険金の支払時期を確認する
保険金の支払時期は、契約している保険会社の約款や、損害調査・追加確認の有無によって異なります。全国一律の「○日以内に支払われる」という固定日数があるわけではありません。
事実確認に日数を要する場合は、支払時期が延長されることもあります。契約先から示された支払予定や、約款上の支払時期の定めを確認してください。
期限・いつまでに
保険金を請求する権利(保険金請求権)には、3年の消滅時効があります。保険法では、保険給付を請求する権利は、権利を行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅すると定められています。具体的な起算点や時効の扱いに迷う場合は、契約している保険会社・代理店へ早めに確認してください。
ただし、これは「3年間は連絡しなくてよい」という意味ではありません。事故直後の連絡や証拠の保全を遅らせる理由として時効を使うことはできません。
事故後はできるだけ早く契約先へ連絡することと、保険金請求権に3年の時効があることは、別の時間軸として理解してください。
保険金が支払われない・減額される場合
損害の状況によっては、保険金が支払われない場合や、想定より少ない金額になる場合があります。
そのような場合は、まず保険会社へ次の内容の説明を求めてください。
- 損害認定の内容
- 対象外となった損害の理由
- 免責金額等の約款上の根拠
なお、自治体が発行する罹災証明書の被害認定と、保険会社の損害認定は、必ずしも一致するとは限りません。自治体の被害認定が出ていることが、そのまま保険会社の損害認定を保証するわけではありません。
支払結果に納得できない場合
保険会社からの説明を受けても支払結果に納得できない場合は、まず契約している保険会社の相談・苦情窓口へ相談してください。
保険会社との話し合いで解決しない場合は、日本損害保険協会が運営する「そんぽADRセンター」の苦情解決手続・紛争解決手続を利用できる場合があります。ただし、対象となる保険会社等には条件があるため、誰でも必ず利用できるとは限りません。
不満があるからといって、保険会社との話し合いを行わずに直ちにADRへ申し立てることが標準の流れというわけではありません。まずは契約先へ相談することが基本です。
住宅修理・保険金申請サポート業者に注意する
「火災保険を使えば自己負担なく住宅修理ができる」「保険金請求をサポートする」などとうたって勧誘する業者によるトラブルが報告されています。
このような業者と契約する前に、まず契約している保険会社・代理店へ連絡してください。保険金請求は、契約者自身で行うことができ、申請サポート業者へ依頼しなければ請求できないわけではありません。
注意しておきたい点は、次のとおりです。
- 高額な手数料や、途中解約時の違約金等が発生する場合がある
- 「保険金請求の期限が迫っている」などと急がせる勧誘の手口がある
- 経年劣化による損傷を、自然災害による損害であるかのように偽って請求するよう勧められるケースがある。虚偽の理由による請求は行ってはいけません
- 保険金請求には必ず高額な手数料がかかるわけではなく、契約者自身で無償で行うことができる
不審な勧誘を受けた場合は、契約先の保険会社、または国民生活センター・消費生活センターへ相談してください。
状況別の確認事項
事故原因ごとに、最初に確認すること、主な保険対象・補償、残す資料・証拠、契約先へ確認すること、次の行動を整理しました。個別の補償可否は契約内容によって異なるため、最終的には契約している保険会社へ確認してください。
火災・落雷・破裂爆発
- 最初に確認すること:安全確保、消防等への届出の有無
- 主な保険対象・補償:建物・家財(火災・落雷・破裂爆発の補償)
- 残す資料・証拠:焼損状況の写真、罹災した物品の記録
- 契約先へ確認すること:建物・家財それぞれの補償の有無、届出の要否
- 次の行動:安全確保後、できるだけ早く契約先へ連絡する
台風・強風・雹・雪
- 最初に確認すること:雨漏り・破損等の被害拡大の有無
- 主な保険対象・補償:建物・家財(風災・雹災・雪災の補償)
- 残す資料・証拠:損傷箇所の写真、応急処置前後の記録
- 契約先へ確認すること:風災等の補償有無、応急処置費用の扱い
- 次の行動:応急処置を行いつつ契約先へ連絡し、本修理前に確認する
洪水・土砂災害等の水災
- 最初に確認すること:安全確保、浸水範囲の把握
- 主な保険対象・補償:建物・家財(水災の補償。契約により対象外の場合あり)
- 残す資料・証拠:浸水高さが分かる写真、被害家財の一覧
- 契約先へ確認すること:水災補償の有無、罹災証明書の要否(原則不要とされる場合がある)
- 次の行動:片付け・廃棄前に契約先へ連絡し、記録を残す
給排水設備等による水濡れ
- 最初に確認すること:漏水箇所・原因設備の特定
- 主な保険対象・補償:建物・家財(水濡れの補償。水災とは異なる区分)
- 残す資料・証拠:漏水箇所の写真、被害範囲の記録
- 契約先へ確認すること:給排水設備に生じた事故による水濡れが補償対象か、原因設備そのものの損害が対象か
- 次の行動:漏水停止など必要な応急対応を行い、契約先へ連絡する
盗難
- 最初に確認すること:警察への届出(盗難届)の有無
- 主な保険対象・補償:建物・家財(盗難の補償)
- 残す資料・証拠:被害品の一覧、購入時期・金額が分かる情報
- 契約先へ確認すること:盗難補償の限度額・対象品目の範囲
- 次の行動:警察への届出後、契約先へ連絡する
外部からの物体の衝突等
- 最初に確認すること:衝突物・原因の特定、安全確認
- 主な保険対象・補償:建物・家財(外部からの物体の衝突等の補償)
- 残す資料・証拠:損傷箇所の写真、衝突物の写真(分かる場合)
- 契約先へ確認すること:原因者が判明している場合の扱い
- 次の行動:契約先へ連絡し、必要な調査に協力する
破損・汚損等
- 最初に確認すること:偶然の事故によるものかどうか
- 主な保険対象・補償:建物・家財(破損・汚損等の補償。特約の場合あり)
- 残す資料・証拠:破損・汚損箇所の写真
- 契約先へ確認すること:経年劣化との区別、補償の対象範囲
- 次の行動:契約先へ連絡し、状況を説明する
地震・噴火・津波が原因
- 最初に確認すること:地震・噴火・津波が原因かどうか
- 主な保険対象・補償:通常の火災保険では対象外。地震保険(加入している場合)の領域
- 残す資料・証拠:損害状況の写真
- 契約先へ確認すること:地震保険の加入有無、地震火災費用等の特約の有無
- 次の行動:契約先へ連絡し、地震保険の請求手続きについて確認する(詳細はこの記事の対象外)
賃貸住宅で家財等が損害を受けた
- 最初に確認すること:自分の契約(家財保険等)の内容
- 主な保険対象・補償:入居者の家財(建物は所有者側の契約)
- 残す資料・証拠:被害家財の写真・一覧
- 契約先へ確認すること:自分の契約と建物所有者側の契約の区別
- 次の行動:自分の契約先へ連絡し、必要に応じて管理会社・貸主へも連絡する
複数の損害・補償が関係する
- 最初に確認すること:発生した損害の原因が複数あるかどうか
- 主な保険対象・補償:原因ごとに異なる補償が関係する可能性
- 残す資料・証拠:原因ごとに区別した写真・記録
- 契約先へ確認すること:それぞれの原因が補償対象になるかどうか
- 次の行動:契約先へまとめて連絡し、原因ごとの扱いを確認する
自分で判断できない場合
次のような場合は、自分だけで補償可否や対応を判断せず、契約している保険会社へ確認してください。
- 損害の原因が複数考えられ、どの補償が関係するか分からない場合
- 経年劣化と自然災害による損害の区別がつかない場合
- 建物と家財のどちらの契約に該当するか分からない場合
- 賃貸住宅で自分の契約と建物所有者側の契約の範囲が分からない場合
- 地震・噴火・津波が原因かどうか判断できない場合
- 免責金額や自己負担額の有無・金額が分からない場合
- 費用保険金・特約の対象になるか分からない場合
- 修理業者の説明と保険会社の説明が食い違う場合
- 罹災証明書などの公的な証明が必要かどうか分からない場合
- 支払われた保険金額に納得できるか判断できない場合
- 保険金請求権の時効が近づいているかどうか分からない場合
- 保険金請求サポートをうたう業者から勧誘を受け、対応に迷う場合
これらの判断は保険会社の契約内容確認・損害認定に基づくため、契約している保険会社・代理店へ確認することが基本です。
注意点
- 危険な場所へ写真撮影のために無理に近づかない
- 安全確保・公的機関への届出を写真撮影より優先する
- 火災保険という名称だけで、補償範囲をすべて・一切と決めつけない
- 水災と水濡れは原因も補償の扱いも異なる場合があるため区別する
- 建物と家財は別の保険対象であるため、それぞれの契約を確認する
- 地震・噴火・津波が原因の損害は、通常の火災保険と地震保険を区別する
- 修理業者の見積額が、そのまま支払保険金額になるとは限らない
- 保険会社へ連絡する前に本修理をすべて終えることは避け、可能な限り記録を残してから進める
- 罹災証明書は、火災保険請求で常に必須というわけではない
- 保険証券を紛失・焼失していても、請求自体はあきらめる必要はない
- 保険金請求は契約者自身で行うことができ、申請サポート業者への依頼が必須ではない
- 保険金請求に必ず高額な手数料がかかるわけではない
- 経年劣化による損傷を、自然災害によるものとして請求してはいけない
- 保険金請求権には3年の消滅時効があるが、3年間連絡しなくてよいわけではない
- 自治体の罹災証明書の被害認定と、保険会社の損害認定は必ずしも一致しない
- 損害保険金が支払われても、費用保険金・特約の対象がないか改めて確認する
- 不払い・減額の理由は、保険会社へ確認することができる
- 保険金の支払時期は全国一律の固定日数ではなく、契約や調査状況によって異なる
- 不満があっても、まずは保険会社との話し合いを行うことが基本である
- 契約内容・補償範囲・必要書類等の詳細は、契約している保険会社・代理店で確認する
よくある間違い
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 火災保険に入っていれば、火災以外の災害もすべて自動的に補償されると思ってしまう | 補償される原因の範囲は契約によって異なるため、契約内容を確認する |
| 火災保険は火災による損害しか対象にならないと思ってしまう | 契約によっては風災・水災・盗難等も補償対象となる場合がある |
| 地震が原因の火災も、通常の火災保険で同じように補償されると思ってしまう | 地震・噴火・津波が原因の損害は、通常の火災保険では補償されず地震保険の領域になる |
| 建物に火災保険を契約していれば、家財も自動的に補償されると思ってしまう | 建物と家財は別の保険対象であり、それぞれの契約状況を確認する必要がある |
| 修理見積額と同じ金額の保険金が必ず支払われると思ってしまう | 支払額は補償範囲・免責金額・損害調査の結果等によって変わり得る |
| 修理業者が「保険が使える」と言えば、補償対象になると思ってしまう | 補償の可否は契約内容と保険会社の損害認定によって判断される |
| 保険会社へ連絡する前に本修理を終えても、常に問題ないと思ってしまう | 可能な限り損害状況を記録し、保険会社へ確認してから本修理を進めることが基本である |
| 損害写真は不要だと思ってしまう | 修理・片付け前の損害写真は、その後の請求手続きに役立つ場合がある |
| 危険な場所でも必ず写真を撮影しなければならないと思ってしまう | 安全を損なう場所での撮影は避け、安全確保を優先する |
| 罹災証明書は火災保険請求で常に必要だと思ってしまう | 罹災証明書が常に必須の書類とは限らず、要否は保険会社へ確認する |
| 保険証券を失くしたら請求できないと思ってしまう | 契約者情報等を伝えれば、証券がなくても連絡・請求を進められる |
| 申請サポート業者を使わないと保険金請求できないと思ってしまう | 保険金請求は契約者自身で行うことができる |
| 保険金請求には必ず高額な手数料がかかると思ってしまう | 契約者自身で請求する場合、手数料は必須ではない |
| 3年以内であれば、事故連絡を後回しにしてよいと思ってしまう | 事故後はできるだけ早く連絡することが基本であり、3年の時効は連絡を遅らせてよい理由にはならない |
| 経年劣化による損傷も、自然災害によるものとして請求してよいと思ってしまう | 経年劣化を自然災害による偶然な事故として請求することはできない |
| 保険会社の損害認定は、自治体の罹災証明の被害認定と必ず一致すると思ってしまう | 両者の認定基準は異なり、必ずしも一致するとは限らない |
| 一度保険金が支払われれば、費用保険金・特約の確認はもう不要だと思ってしまう | 損害保険金の支払い後も、費用保険金・特約の対象がないか確認する必要がある |
| 不払いの理由は保険会社に確認できないと思ってしまう | 不払い・減額の理由は保険会社に説明を求めることができる |
| 保険金の支払いは全国一律の固定日数で行われると思ってしまう | 支払時期は契約や調査状況によって異なり、全国一律ではない |
| 支払結果に不満があれば、保険会社と話さずすぐにADRへ申し立てるのが標準だと思ってしまう | まず保険会社との話し合いを行うことが基本であり、解決しない場合にADR等を検討する |
チェックリスト
事故直後・連絡前後
修理・片付け・請求準備
書類提出・損害調査
支払結果・終了前
相談先
- 契約している保険会社・代理店の事故受付窓口(保険金請求に関する相談・手続き)
- 日本損害保険協会 そんぽADRセンター(保険会社とのトラブルの苦情解決手続・紛争解決手続)
- 金融庁 金融サービス利用者相談室(保険商品・取扱いに関する相談)
- 国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」・消費生活センター(住宅修理・保険金申請サポート業者とのトラブル相談)
公式情報
- 契約している保険会社の事故受付ページ
- 契約している保険会社の保険金請求案内
- 契約している保険会社の約款
- 契約している保険会社の補償・特約案内
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A 共通 Ⅴ.保険金の請求について」
- 日本損害保険協会「保険金を請求する」
- 日本損害保険協会「自然災害により建物・家財が損傷した場合の一般的な保険金請求手続き」
- e-Gov法令検索「保険法」
- 国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」
- そんぽADRセンター