就職したときに必要な手続きを確認する
概要
初めて会社等へ就職するときは、健康保険・厚生年金保険、雇用保険、税金など複数の手続きが同時に発生します。これらの手続きは、「本人が勤務先へ提出・申告すること」「勤務先が行政機関へ届け出ること」「条件によって本人が追加で確認すること」の3つに分かれています。
このページでは、この3つを区別しながら、抜け漏れなく次の行動へ進めるための確認ポイントを整理します。手続きの主体(本人か勤務先か)を混同すると、不要な行動を取ってしまったり、逆に必要な提出を忘れてしまったりすることがあるため、まずこの区別を意識することが重要です。
このページで分かること
- 勤務先の入社案内を最初に確認すべき理由
- 入社時に本人が勤務先へ提出・申告する主な情報
- 健康保険・厚生年金保険、雇用保険で、本人と勤務先の役割がどう異なるか
- 税金関係で勤務先へ提出するものと、同一年に前職の給与がある場合に追加で確認すること
- 扶養家族がいる場合に確認すべき軸
- 就職前に国民健康保険などへ加入していた場合に追加で確認すること
- 提出後に加入・処理状況をどう確認するか
なお、自営業・フリーランスの開始、公務員・共済固有の手続き、外国人雇用固有の手続き、転職に伴う空白期間・前職引き継ぎについては、本記事の対象外です。該当する場合は、勤務先や関係機関の案内、またはそれぞれの制度・状況に応じた確認先にご確認ください。
対象読者
日本国内で会社等に雇用され、給与所得者として就職する人を対象とします。初めての就職の人だけでなく、「転職」というより就職開始時の基本手続きを確認したい人も対象に含みます。
自営業・フリーランスとして働き始める人、公務員・共済固有の手続きが必要な人、外国人雇用固有の手続きが必要な人は対象外です。
更新日
更新日:2026年9月16日
まず確認すること
就職時の手続きは、勤務先ごとに提出方法や期限、必要書類の様式が異なります。そのため、最初に行うことは次の2つです。
- 勤務先から渡される入社案内・提出書類一覧を確認する 提出物の種類、提出期限、提出方法(紙・電子など)は勤務先によって異なります。本記事で説明する一般的な内容と、勤務先の案内が異なる場合は、勤務先の案内を優先してください。
- 本人が行うことと、勤務先が行うことを区別しながら読み進める 加入要件を満たす場合、健康保険・厚生年金保険や雇用保険の資格取得手続きは、勤務先(事業主)が行政機関へ届け出るものであり、本人が役所や年金事務所・ハローワークへ出向いて手続きするものではありません。この区別を誤ると、不要な行動を取ってしまう可能性があります。
就職したときの手続き早見表
| 手続き | 手続きの主体 | 本人が行うこと | 対応が不要な場合 |
|---|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険の資格取得 | 勤務先(事業主) | 必要情報の提出、資格反映の確認 | 本人が年金事務所へ資格取得届を提出すること |
| 雇用保険の資格取得 | 勤務先(事業主) | 必要情報の提出、資格取得の確認 | 本人がハローワークへ資格取得届を提出すること |
| 税金(扶養控除等申告書など) | 本人(提出先は勤務先) | 申告書の記入・提出 | — |
| 前職の源泉徴収票の提出 | 本人(該当する場合のみ) | 前職の源泉徴収票を勤務先へ提出 | 同一年に前職の給与がない場合 |
| 扶養家族の手続き | 本人・勤務先・保険者 | 扶養関係の情報・書類の提出 | 扶養家族がいない場合 |
| 就職前の国民健康保険などの取り扱い | 本人 | 国民健康保険は14日以内に脱退届。必要書類・方法や国保以外の従前制度は確認 | 就職前に国民健康保険等へ加入していなかった場合 |
この表は代表的な手続きの主体を整理したものです。個別の加入要件や扶養認定などの判定は、この表だけで確定できません。該当する項目の詳細は、以降の見出しで確認してください。
勤務先へ提出・申告するもの
入社時に本人が勤務先へ提出・申告する情報は、勤務先によって具体的な書類名や様式が異なりますが、共通しておおむね次のような情報が求められます。
- 本人確認や社会保険・雇用保険の資格取得に必要な基本情報
- 扶養家族がいる場合の扶養関係の情報
- 税金の扶養控除等申告書に関する情報
- 同一年に前職の給与がある場合の、前職の源泉徴収票(後述)
具体的な提出書類・提出方法・提出期限は勤務先ごとに異なるため、勤務先から渡される入社案内に従ってください。本記事では、全国共通の様式や期限として一般化できない企業独自の手続きについては扱いません。
健康保険・厚生年金の手続き
会社等に就職して社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件を満たす場合、資格取得の手続きは勤務先(事業主)が行います。
- 事業主は、資格取得の事実が発生してから5日以内に、日本年金機構へ資格取得届を提出することになっています。この5日以内という期限は、事業主側の届出期限であり、本人の提出期限ではありません。
- 本人が行うことは、勤務先から求められた必要情報(本人情報や扶養関係の情報など)を提出することと、後日、資格の反映状況を確認することです。
- 本人が自ら年金事務所へ資格取得届を提出する必要はありません。
複数の事業所に同時に勤務している場合や、社会保険の加入要件を満たすかどうかが自分では判断できない場合は、勤務先または年金事務所へ確認してください。加入要件(雇用形態、所定労働時間・日数など)についての個別の判定は、本記事では確定できません。
雇用保険の手続き
雇用保険の加入要件を満たす場合も、資格取得の手続きは勤務先(事業主)が行います。
- 事業主は、被保険者となった月の翌月10日までに、ハローワークへ資格取得届を提出することになっています。この翌月10日までという期限も、事業主側の届出期限であり、本人の提出期限ではありません。
- 本人が行うことは、勤務先から求められた必要情報を提出することと、資格取得の状況を確認することです。
- 本人が自ら通常の資格取得届をハローワークへ提出する必要はありません。
雇用保険の加入要件を満たすかどうかは、労働条件や雇用見込みなどによって判断されます。個別の加入可否が自分では判断できない場合は、勤務先またはハローワークへ確認してください。
税金・年末調整の手続き
税金関係では、扶養控除等申告書など、勤務先から案内される申告書類を提出することが基本になります。
- 提出する書類の種類や様式、提出時期は勤務先の案内に従ってください。
- 年末調整は、勤務先が年末に行う税金の精算手続きです。就職した年についても、年末調整の対象になる場合があります。
同一年に前職の給与がある場合(同じ年の途中で転職して就職した場合など)は、前職の源泉徴収票の提出が必要になることがあります。この提出は、同一年に前職の給与がある人だけに該当する条件付きの対応であり、初めて就職する人など前職の給与がない人には該当しません。
- 前職の給与がない場合:前職の源泉徴収票の提出は不要です。
- 同一年に前職の給与がある場合:前職分を含めた年末調整の対象になるか勤務先へ確認し、必要な場合は源泉徴収票を提出してください。
扶養家族がいる場合
扶養家族がいる場合は、次の2つを区別して確認する必要があります。
- 税金上の扶養:扶養控除等申告書などを通じて勤務先へ申告します。
- 健康保険上の扶養(被扶養者認定):健康保険の被扶養者として認定されるかどうかは、続柄・収入・生計維持関係など、保険者が指定する基準によって判断されます。
税金上の扶養と健康保険上の扶養は、判断基準や手続き先が異なるため、同一のものとして扱わないでください。健康保険の被扶養者認定について、個別の認定結果は本記事では確定できません。認定に必要な書類や確認事項は、勤務先または保険者(健康保険組合、協会けんぽなど)の案内に従って確認してください。
扶養家族がいない場合、この見出しに関する対応は不要です。
就職前に国民健康保険などへ加入していた場合
就職前に国民健康保険など、会社の健康保険とは異なる制度に加入していた場合は、勤務先の健康保険へ加入した後も、従前制度側で必要な手続きが残ることがあります。
- 国民健康保険を脱退するときは、14日以内に関係書類を提出する必要があります。 市町村国保の場合はお住まいの市区町村の国民健康保険窓口、国民健康保険組合の場合は加入している国民健康保険組合の窓口等で手続きします。
- 提出が必要な書類や申請方法は、市区町村や国民健康保険組合によって異なります。勤務先の健康保険の資格取得日が分かるものなど、何が必要かを窓口や公式サイトで確認してください。
- 国民健康保険以外の制度に加入していた場合は、その制度の保険者へ、脱退・資格変更の要否、必要書類、期限を確認してください。
会社の健康保険への加入だけで、従前制度の手続きがすべて自動的に完了すると考えず、該当する窓口で確認してください。
就職前に国民健康保険などへ加入していなかった場合、この見出しに関する対応は不要です。
前職の給与がある場合
同一年に前職の給与がある場合(前職を離れて同じ年のうちに就職した場合など)は、次の点を確認してください。
- 前職の源泉徴収票の有無を確認し、ある場合は勤務先へ提出します。
- 年末調整で前職分の給与も含めて精算されるかどうか、勤務先の案内に従って確認します。
前職の給与がない場合(初めて就職する場合など)は、この見出しに関する対応は不要です。なお、転職に伴う空白期間の扱いや前職からの引き継ぎ事項全般は、本記事の対象外です。該当する場合は、転職に関する記事や勤務先の案内をご確認ください。
そのほか勤務先ごとに確認するもの
上記のほか、給与の振込口座の届出、通勤手当の申請、社内規程に基づく提出物など、勤務先ごとに求められる手続きがあります。これらは勤務先による差が大きいため、全国共通の様式や手順として一般化できません。勤務先の入社案内に従って確認してください。
手続き後に確認すること
必要な情報を提出した後は、次の点を確認してください。
- 健康保険・厚生年金保険の資格が反映されているか(勤務先の案内や利用可能な資格確認手段で確認)
- 雇用保険の資格取得が処理されているか
- 税金関係の申告内容が正しく処理されているか(給与明細や年末調整の結果など)
反映状況の具体的な確認方法や時期は勤務先によって異なるため、勤務先の案内に従って確認してください。
チェックリスト
このチェックリストは、就職時の基本的な手続きの抜け漏れを防ぐためのものです。該当しない項目は、対応不要として扱ってください。
相談先
| 内容 | 相談先 |
|---|---|
| 提出書類、提出期限、社内手続き全般 | 勤務先(人事・総務担当) |
| 健康保険・厚生年金保険の加入状況 | 勤務先/年金事務所 |
| 雇用保険の加入状況 | 勤務先/ハローワーク |
| 健康保険の被扶養者認定 | 勤務先/加入する健康保険の保険者(健康保険組合、協会けんぽなど) |
| 国民健康保険の脱退手続き | 市区町村の国民健康保険窓口/加入している国民健康保険組合 |
| 国民健康保険以外の従前制度の脱退・資格変更 | 従前加入していた保険者 |
| 税金・年末調整の内容 | 勤務先(年末調整の場合)/税務署(個別の税務判断が必要な場合) |