パソコンがウイルス・マルウェアに感染した疑いがあるときに対応する

概要

パソコンで突然の警告表示、身に覚えのないソフトの動作、通信の異常などが起こると、「ウイルスやマルウェアに感染したのではないか」と不安になります。しかし、画面上の症状だけで感染を自己判定することは難しく、誤った対応はかえって被害を広げたり、正しい確認を遅らせたりする原因になります。

この記事は、Windows パソコンまたは Mac を個人で利用しており、警告・異常動作・不審な通信・身に覚えのないソフトなどから感染を疑っている人を対象としています。セキュリティに詳しくない人でも、何から手を付ければよいかが分かるように構成しています。

この記事では、感染の有無を断定することを目的とせず、被害の拡大を防ぐための最初の行動、偽の警告と実際の感染疑いの見分け方、Windows・Mac それぞれの標準的な確認方法、検出後の対応、深刻な状況での再構築・専門相談の判断、アカウント情報が漏れた可能性がある場合の対応までを案内します。特定のマルウェアの解析や手動での駆除方法、個別の機種・製品ごとの操作方法は扱いません。

この記事を読むことで、今すぐ何をすべきか、どのような場合に再構築や専門相談へ進むべきか、安全に利用を再開できる状態とはどのような状態かを判断できるようになります。

このページで分かること

  • 感染を疑ったときに最初に行うべきこと
  • ブラウザ上の偽の警告と、実際の感染疑いの見分け方
  • Windows・Mac それぞれの標準的な確認方法
  • 脅威が見つかった場合や異常が続く場合の対応
  • パスワードなどの情報が漏れた可能性がある場合の対応
  • ネットワークへ安全に戻すタイミングの考え方
  • 状況に応じた相談先と、確認のための公式情報

対象読者

  • Windows パソコンまたは Mac を個人で利用している人
  • 突然の警告、異常な動作、不審な通信、身に覚えのないソフトなどから感染を疑っている人
  • セキュリティについて詳しい知識がない人
  • 何から手を付ければよいか分からない人

業務用のパソコンを利用している場合は、この記事の内容よりも先に、勤務先や組織の規則を優先してください。

更新日

更新日:2026年9月11日

最初にやること

  1. 使用しているネットワーク接続(Wi-Fi・有線LANなど)を切り離します。
  2. 業務用のパソコンを使用している場合は、社内の情報システム管理部門など組織の管理者へ先に連絡します。
  3. 感染しているかどうかをこの時点で自分で断定せず、これ以上不要な操作(表示された連絡先への電話、指示されたソフトの追加インストール、パスワードなど認証情報の入力など)を増やさないようにします。

ネットワークからの切り離しは、被害の拡大を防ぐための最優先の行動です。電源を切ることが必ずしも最優先とは限らないため、切断ができない場合や、業務用パソコンで証拠保全が必要な場合を除き、電源を切ることだけを最初の対応として一律に行う必要はありません。

状況別に対応を分ける

同じ「感染を疑う」状況でも、実際に起きていることによって次に取るべき対応が異なります。まず、自分の状況が次のどれに近いかを確認してください。

状況 確認方法 必要な対応 行わないこと
ブラウザを開いているときだけ、突然「感染しました」といった警告が表示された 警告がブラウザの画面上に表示されているか、OSやセキュリティソフトの通知として表示されているかを確認する 警告画面を閉じ、後述の標準的なスキャンを行って確認する 画面に表示された電話番号への連絡、指示されたソフトの導入
OSやセキュリティソフトが脅威を検出した通知が表示された 検出履歴(Protection historyなど)を確認する 指示に従って隔離・削除し、再スキャンする 警告を無視してそのまま通常どおり利用を続ける
ファイルが開けなくなった、拡張子が変わった、金銭の要求が表示された 画面の表示内容やファイルの状態を確認する ネットワークからの隔離を最優先とし、それ以上の利用を止める 要求された金銭の支払いを前提に操作を続ける
遠隔操作用のソフトを入れた覚えがある、または不審な人物に操作された可能性がある 直近の行動を振り返って確認する ネットワークを切断し、別の安全な端末から認証情報の変更を行い、初期化も検討する 同じパソコンで重要なパスワードを変更する
再起動・再スキャンをしても脅威が再び検出される、または異常が続く スキャンや再起動を行った後の状態を確認する Offline scanなど、より詳しい確認を行い、初期化・再インストールも検討する 「一度削除したから安全」と決めつけて対応を終える

次のような場合は、感染確定とみなした大がかりな対応までは必要ありません。

  • ブラウザ上に偽の警告が表示されただけで、電話・ソフトの導入・認証情報の入力などを行っていない場合。IPA(情報処理推進機構)が示すサポート詐欺の典型例と照らし合わせ、ブラウザを閉じてください。念のため、後述の標準的なスキャンで確認することをおすすめします。
  • 最新の状態でスキャンを行っても脅威が見つからず、異常も再現しない場合。この場合、初期化・再インストールまでは必要ありません。OSやブラウザを最新の状態に更新しておいてください。

Windowsで確認する

Windows パソコンでは、Windows Security(Microsoft Defender)を使って確認します。

  1. Windows Security を開き、ウイルスや脅威の対策が最新の状態になっているか確認します。
  2. クイックスキャン(Quick scan)を実行します。
  3. 状況に応じて、フルスキャン(Full scan)も実行します。
  4. 検出履歴(Protection history)を確認し、これまでに検出・処理された項目がないか確認します。
  5. 再起動後も脅威が検出される場合や、異常が解消しない場合は、オフラインスキャン(Microsoft Defender Offline scan)を実行します。

検出された脅威については、Windows Security の案内に従って隔離・削除し、その後に再度スキャンを行って解消しているかを確認します。

Macで確認する

Mac では、macOS の標準的な保護機能を使って確認します。

  1. macOS の更新状況を確認し、必要な更新を適用します。
  2. macOS には XProtect や Gatekeeper などの標準的な保護機能が備わっています。XProtect は既知のマルウェアを検出・阻止し、必要に応じて修復する仕組みです。
  3. 身に覚えのないアプリケーションや、インストールした記憶のないブラウザの拡張機能がないか確認し、不審なものがあれば Apple の公式案内に沿って対処します。
  4. Safari でポップアップや偽の警告表示が繰り返される場合は、表示された連絡先へ電話したり、指示されたソフトを入れたりせず、該当するポップアップやタブを閉じます。

脅威が見つかった/異常が続くとき

Windows・Mac いずれの場合も、標準の保護機能で脅威が検出された場合は、その案内に従って隔離・削除を行い、その後に再度スキャンを行って解消を確認します。

次のいずれかに当てはまる場合は、自力での駆除にこだわらず、初期化・再インストールや専門相談への相談を検討してください。

  • 隔離・削除や再スキャンを行っても、脅威が繰り返し検出される
  • ファイルの暗号化や身代金の要求など、ランサムウェアが疑われる状態が続いている
  • 遠隔操作や不審な人物による操作が疑われる
  • 情報の窃取(資格情報の漏えいなど)が疑われる

これらの状況では、個別のマルウェアを自分で解析・駆除しようとせず、パソコンのメーカーやセキュリティソフトの提供元、業務用パソコンであれば組織の管理者への相談を検討してください。

パスワードやアカウント情報が漏れた可能性があるとき

感染が疑われるパソコンで、認証情報の窃取や遠隔操作の可能性がある場合は、そのパソコン自体でパスワードを変更しないでください。かわりに、感染していない別の安全な端末から、重要なサービスのパスワード変更やログイン状況の確認を行ってください。

SNSアカウントなど、他のサービスの認証情報が実際に悪用された可能性がある場合は、パソコンの感染対応とは別に、当該サービスでのアカウント復旧が必要になります。まず別の安全な端末からパスワードの変更やログイン状況の確認を行った上で、必要な対応を進めてください。

いつ対応するか

法令で定められた期限ではなく、被害の拡大を防ぐための優先順位として、次のタイミングを目安にしてください。

対応 タイミング
ネットワークの切断 感染を疑った時点で、できるだけ早く
重要なアカウントの保護 情報の窃取が疑われる場合は、安全な別の端末からできるだけ速やかに
ネットワークへの再接続 駆除や安全の確認が完了した後

相談先

自分の対応だけでは安全を確認できない場合は、次のような窓口への相談を検討してください。

  • 契約しているセキュリティソフトの提供元によるサポート窓口
  • 利用しているパソコンのメーカーによるサポート窓口
  • 勤務先や組織の情報システム管理部門(業務用パソコンを利用している場合)

公式情報

制度・機能・最新情報については、次のような公式情報源で確認できます。

注意点

  • 「必ず電源を切る」ことを一律の最優先行動とはしません。ネットワークからの切断ができない場合や、業務用パソコンで証拠保全が必要な場合などを除き、電源を切ることだけにこだわる必要はありません。
  • ブラウザ上の警告が表示されたことだけをもって、感染が確定したとは限りません。
  • 名前を知らない駆除ツールや、広告経由で導入したセキュリティソフトの追加は避けてください。
  • ランサムウェアによる身代金の要求に対して、支払いを標準的な対応として行うことは避けてください。
  • 感染が疑われるパソコンで、重要なパスワードなどの認証情報を変更しないでください。安全な別の端末を使用してください。
  • 業務用のパソコンで被害が大きい場合や、証拠保全が必要な場合は、安易な削除や初期化を行う前に、組織の管理者へ連絡してください。
  • 感染後に作成したバックアップには注意が必要です。感染前に作成したバックアップを優先してください。

チェックリスト